Udi Manber氏がSearch Qualityチームについて発表したのに引き続き、Googleのランキングチームを担当しているGoogle Fellow, Amit Singhal氏がGoogleランキングの原則を発表した。これらはGoogle検索の秘密を公開していくブログシリーズのひとつだ。Amit Singhal氏は大学院で検索技術に携わり、以後18年間に渡って検索技術に関わっている。2000年にGoogleに入社してからGoogleランキングに関与し続けている人物だ。

Googleの検索結果を決定しているコアとなるGoogleランキングは、ユーザクエリに対してもっとも関連性の高いドキュメントを発見するためのアルゴリズムの集まりとなっている。Googleでは数億のクエリを日にさばき、数十億のページやコレクションから検索を実施している。これら検索アルゴリズムは検索クエリが発行されるごとにそれぞれ実行される。コアランキング機能は若干の変更を加えて画像検索やニュース検索、YouTube検索、地図検索、プロダクト検索、書籍検索などほかの検索サービスでも使われている。まさにGoogleの基幹処理のひとつだ。

Amit Singhal氏がGoogleランキングについて訊ねられるもっとも多い質問は「どうやって実施しているのか?」ということだそうだ。技術的な詳細に関しては今後のブログで明らかにしていくとしており、今回はまず次の3つの原則が紹介された。

  1. ローカル検索でもっともいい関連付けが実施された結果はグローバルでも役立つ
  2. シンプルに維持する
  3. 手動での介入はしない

1つめの原則は明らかだ。検索システムに対する同社のあり方を表している。次に、2007年の実績によれば、Googleは1週間に平均9つの割合で検索処理に改善を加えている。複数の言語に対応し数億のクエリを日に処理するシステムをこの頻度で変更しているわけだから、システムはともすれば簡単に複雑化してしまう。このためGoogleランキングチームはシステムをシンプルになるように絶えず工夫しているという。ひとつ変更を加えるごとにどうやって単純化するかを常に考えているというわけだ。これが2つめの原則だ。

Googleは手動で検索結果に編集を加えているのではないか、というのはよく疑われる内容だが、3つめの原則「手動での介入はしない」にあるように手動で編集を加えることはないという。基本的にはWebの状況をベースに検索アルゴリズムが検索を実施しているのであって、検索結果を決めているのはGoogleではなくユーザそのものということだ。

今回発表された内容はこれまで言われてきたことそのものだ。Googleの検索に対するあり方を理解するうえではまず知っておくべき内容だろう。次回のブログではGoogleランキングを実現するための最新技術についてより突っ込んだ説明をしてくれるようだ。今後も同ブログに注目しておきたい。