米Googleは7月8日 (現地時間)、アバターを通じて3D仮想世界でのコミュニケーションを可能にする新サービス「Lively」のベータ提供を開始した。同社の20%プロジェクトから誕生したGoogle Labsの最新サービスだ。ユーザーは自分のアバターとRoom(部屋や島)を作成し、Roomを訪れたアバター同士がテキストチャットを使って会話できる。利用するにはWindows XPまたはWindows Vistaで動作するPC、Internet ExplorerまたはFirefoxが必要となる。
LivelyのサイトからLivelyのプラグインをダウンロードしてインストロールするだけで、Webブラウザ上でLivelyを利用できるようになる。アバターや自分のRoomを作成するにはLivelyのサイトでGoogle IDを使ってログインし、次に初めての場合はLively内での名前となるLively IDを設定する。アバターの作成には人や動物のキャラクターが用意されており、1つを選択した後、さらに髪型や目の色、服装などを細かくカスタマイズして個性的なキャラクターに仕上げる。Roomの作成も同様で、Creat New RoomでShellsから1つを選び、好みの家具を配置する。
各RoomにはURLが割り当てられ、またWebページやブログに埋め込むためのEmbed HTMLも用意される。電子メールを使って友だちにURLを知らせてRoomに招待したり、My Roomというリストで公開、またはブログやSNSなどを通じてRoomを共有できる。例えばブログ内に埋め込まれている場合、訪れた人がRoomのスナップショットをクリックすると、プラグインのダウンロードを促す画面またはGoogle IDの入力画面があらわれ、ログイン後に入室できる。Roomに入れるアバターは20人まで。ただし100人まではビューワーとして参加できる。ビューワーはRoomの様子をながめるだけでチャットを行えない。
Livelyではセカンドライフのような複雑な仮想世界は作成できないが、テキストでコミュニケーションするには十分な機能を備える。セカンドライフのように専用クライアントが必要なく、Webブラウザのみで簡単にアクセスできるのもメリットと言える。グループコミュニケーション・ツールであり、例えばWebページやブログを訪れる人たちを結ぶ手段として活用できそうだ。