電気街で公開前の映画のDVDが売られる、インターネット上で歌手の新作アルバムが共有される――こうした光景は、韓国では決して珍しくない。それだけに、音楽・映画といったコンテンツや、ソフトウェアなどの不法複製・流通がかねてより問題視されてきた。しかし最近は、これを取締る動きが強まっている。
不法著作物の取締りチーム発足
韓国政府の文化体育観光部は、「不法著作物常設取締り班」(以下、取締り班)を新設し、不法著作物の取締りをいっそう強化すると発表した。
同部では4月17日から7月22日までの間、ソウル市や検察、警察および著作権関連団体などとともに、ソウルから不法複製物をなくすため、不法複製物の制作・販売等の集中取締りを行う「ソウルクリーン100日キャンペーン」を実施している。このキャンペーンはある程度の成果を見せており、開始から50日目で前年比64%増の238件もの不法複製物販売者を検挙したという。
また、5月には、不法複製物の取締りにあたる著作権取締り要員に対しても「特別司法警察権」を与える、関連法の改正案が臨時国会を通過した。今回取締り班が結成できたのも、この法改正が背景にある。
その取締り班が実際に捜査活動を開始するのは「司法警察管理の職務を遂行する者と、その職務範囲に関する法律」が施行される9月から。ソウルや釜山、大田、光州の4地域を基点として、オン・オフラインにおける不法複製物の取締りを始める。とくにソウル班の場合は、不法複製が「知能化、専門化している」(文化体育観光部)ということで、オンラインチームを別途結成することとなっている。WebストレージやP2Pなど、これまで不法複製の温床となってきたサービスにメスを入れる。
大手Webストレージ代表起訴で緊張走る
WebストレージやP2Pというのは、韓国で不法複製物を販売・共有・入手する際、常套的に使われている手段だ。このネットワークの中では、ソフトウェアから国内外のコンテンツまで、あらゆる不法複製物が共有されている。それだけに利用者もサービス業者も多いのだが、先日、大手の業者が検察からの調査を受けていることが明らかとなった。
ソウル中央地方検察庁は、Webストレージサービス「PDBOX」などを運営するNOWCOMの代表ら9人を、不法複製物を流通させるサービスを提供していたという理由で拘束起訴したと発表した。彼らに対しては現在、調査が行われている最中だが、大手サービスの代表が起訴されたことで、その他の業者たちや利用者に緊張感を与えている。
政府主導で不法複製物の取締りに動き出しているため、こうした事例は今後も多くなることが予想される。問題視され続けていた不法複製物が、オン・オフラインで姿をひそめる日は近そうだ。