既報のとおり、世界最大の携帯電話メーカーNokia(フィンランド)は24日(英国時間)、携帯電話OSベンダーの英Symbianを買収し、「Symbian Foundation」を設立することを発表した。今後、Symbian Foundationの下、スマートフォンで50%以上のシェアを持つ「Symbian OS」、それに同OS向けUI技術である「S60」「UIQ」「MOAP」を統一したプラットフォームをオープンソースとして公開する。Nokiaはもちろん、Symbian陣営にとって大きな戦略変更となる。携帯電話業界のトレンドとともに、このニュースを分析してみる。
Symbian Foundationとして共同で推進
まずは発表の内容をまとめてみよう。
Nokiaは、出資会社であるSymbianの残りの株式を1株あたり3.647ユーロで買収する。買収金額は合計で2億6400万ユーロを見込む。取引は、今年第4四半期に完了を見込むとしている。
Nokiaはその後、取得したSymbianの資産を基に非営利団体「Symbian Foundation」を立ち上げる。Nokiaは自社UIの「S60」を、英Sony Ericssonと米Motorolaが共同出資するスウェーデンUIQ Technologyは自社UI「UIQ」を、NTTドコモも自社UI「MOAP」を貢献し、OSとUIを含むプラットフォームにまとめる。そしてオープンソース化し、Symbian Foundationに参加する企業を対象にライセンスフリーで公開する。
Symbian Foundationは2009年前半に正式に活動を開始する予定で、2010年前半までに最初の包括的なプラットフォームをリリースしたい、としている。このプラットフォームをベースとした携帯電話も2010年に登場する見込みだ。その間、技術をオープンソースとして少しずつ公開していく。最初のオープンソースコンポーネントは、2009年のFoundationローンチ時に公開される計画だ。
Symbian Foundationの創業メンバーは、Nokia、Sony Ericsson、Motorola、NTTドコモ、米AT&T、韓LG Electronics、韓Samsung Electronics、スイスSTMicroelectronics、米Texas Instruments(TI)、英Vodafoneの10社。すでに20社以上の企業が参加を表明している。参加費は年間1500ドル。参加はオープンで、今後も積極的に呼びかけていくという。