主要開発者であるValerio Proietti氏は12日(米国時間)、MooToolsの最新版となるMooTools 1.2を公開した。MooToolsはJavaScriptで開発された軽量のAjaxライブラリ。ひとつ前のバージョンであるMooTools 1.1が公開されたのは約1年前となる2007年5月7日(米国時間)だ。約1年間の開発期間と半年間のベータ期間を経ての待望の新バージョンだ。

1.2の最大の特徴は安定性にある。ここ数ヶ月の間、安定版リリースである1.11よりも動作が安定するよりに改善が取り組まれ、その結果が今回の1.2リリースとされている。1.2と1.1では完全にAPIが更新されているほか、サイトやドキュメントも変更が加えられている。新しいドキュメントやデモ、従来のドキュメントやデモは次のとおり。

1.11と1.2は数の上ではマイナーバージョンアップのように見えるものの、大きな変更が実施されたメジャーアップグレードとされておりAPIに互換性がない。このため、1.11からそのまま1.2にアップグレードすることはできない。1.2向けに新しく開発するか、Core互換ファイルプラグイン互換ファイルを使って1.11向けのアプリケーションを1.2で動作させることになる。

MooToolsはすでにいくつかのサイトで主要なJavaScriptライブラリとして採用されている。このためMooToolsに起因するサイトのダウンを起こすわけにはいかないため、MooToolsではこれまでよりも安定性に注力して開発が続けられてきた。そのため開発期間に1年という期間がかけられている。ほかのJavaScript Ajaxライブラリに比べると若干知名度が低いMooToolsだが、今回のリリースは注目に値するものとなりそうだ。JavaScriptをベースとしたRIAアプリケーションの開発を検討している場合には、MooTools 1.2も検討に加えるといいだろう。