次期HTMLとして業界関係団体WHAT WGHTML5を提案してから1年が経った。HTML5はHTML4と互換性を保ちながらも、Web Applications 1.0Web Forms 2.0をベースとしている。次期HTMLとして普及するための条件は十分整っているようにみえる。

HTML 5で導入される新しい機能はいくつもあるが、中でも目を惹く機能がvideo要素とaudio要素だ。現在、動画やオーディオデータの演奏はプラグインを使って実現されている。これがHTML5で標準化されればこれまでよりも簡単に動画や音声が扱えるようになる。規格化されたとなればWebブラウザでの標準対応も必要になる。

ユーザやコンテンツ提供者としては"いつ"標準化され提供されるかが気になるところだが、開発者としては"どうやって"実装されるかが気になるところだ。動画や音声のプレーヤはそう短時間に開発できるものではない。FLOSSのライブラリを取り込むのか、その場合ライセンスや使用許諾はどうなるのか、サードパーティプラグインを使う形式にするのか、興味は尽きない。

現在Firefoxでどういった実装が進められているかがChris Double氏のブログにFirefox HTML5 video and audio updateとしてアップされているので紹介したい。説明によればLinux版ではGStreamer、Windows版ではDirectShow、Mac OS X版ではQuickTimeを使った実装が進められているようだ。

GStreamerはメディアプレーヤなどのアプリケーションを開発するためのフレームワーク。Gnomeで採用されているフレームワークで、すでに多くの動画や音声のプラグインが用意されているという特徴がある。video要素、audio要素への対応はプラットフォームごとのメディアフレームワークを採用するというスタイルになるようだ。

うまくいけば今月リリースされるとみられるFirefox 3にはvideo要素やaudio要素の機能は統合されていない。対応機能が登場するのははやくても3.1以降、2008年年末以降ということになりそうだ。