セイコーエプソンは26日、A3ノビサイズ対応カラーインクジェットプリンタ「PX-5500」の後継機「PX-5600」を6月5日から発売すると発表した。同製品は、エプソンプロセレクションシリーズに属し、価格はオープンで予想実売価格は8万円台後半になる見込み。

A3ノビサイズ対応カラーインクジェットプリンタ「PX-5600」

「PX-5600」は、プロフェッショナルやハイアマチュアのフォトグラファーを対象とした製品で、正確な色表現のために新画像形成技術「LCSS」を新たに採用し、階調性、色域再現、粒状性、光源依存性を最適化し、バランスよく制御することにより総合的な画質向上を実現しているという。

1月末に発売されたA3ノビサイズ対応カラーインクジェットプリンタ「PX-G5300」との違いは、「PX-Gインク」ではなく「PX-P/K3インク」をインクテクノロジーとして採用している点。「PX-G5300」では未搭載のグレーやライトグレー、ライトシアンに加えて、ビビッドマゼンタとビビッドライトマゼンタを新たに採用している。逆にプリント表面を均一化するためのグロスオプティマイザは搭載していない。セイコーエプソンでは、「PX-G5300」を高彩度領域の鮮鋭感と透明感を再現した光沢カラー写真を好むユーザ向け、「PX-5600」をモノクロ写真と落ち着いた色合いを好むユーザ向けとしている。

左からフォトブラック、マットブラック、グレー、ライトグレー、シアン、ライトシアン、ビビッドマゼンタ、ビビッドライトマゼンタ、イエローの各インクカートリッジ。フォトブラックとマットブラックは用途に応じて交換することができる

従来機の「PX-5500」との違いは、印刷解像度が2880dpi×1440dpiから5760dpi×1440dpiに向上し、フォトブラック/マットブラック(選択式)、グレー、ライトグレー、シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタ、イエローの8色のインクで印刷していたのに対して、「PX-5600」ではマゼンタをビビッドマゼンタに、ライトマゼンタをビビッドライトマゼンタに変更されたこと。これによりブルー、バイオレット領域におけるより広い色域再現、さまざまな光源下での光源依存性低減を実現。ブラックの出力は同製品への最適なチューニングがはかられており、高精度のグレーバランスいなっているという。ブラックインクは光沢系用紙での粒状感低減に適し、マットブラックはマット系用紙での高濃度発色を実現する。

「PX-5600」の操作パネルと新たに対応したCD/DVDラベルの印刷用のトレー

さらに同製品では、新たに採用された紙送りローラによりCD/DVDラベルの印刷が可能になっている。また、インタフェースは従来機の「PX-5500」ではUSB 2.0とIEEE 1394を各1基備えていたが「PX-5600」ではUSB2.0×3基(1基はUSBダイレクトプリントおよびPictBridge用)に変更されている。スループットの向上も実現しており、L版サイズの印刷で「PX-5500」では63秒かかっていたのに対して「PX-5600」は「PX-G5300」と同じ38秒で出力が可能だという。

「PX-5600」のインタフェースは、前面にUSBダイレクトプリントおよびPictBridge用1基、背面にPC接続用2基となっている