Windows Server 2008のライセンスは結構複雑で、なかなか理解しにくい。15日から16日にかけて開催された「the Microsoft Conference 2008」においては、企業向けのボリュームライセンスに関するセッションが2つ開催された。地味なセッションではあったが、立ち見が出るなど人気となっていたので、2回に分けてレポートする。
なお、このレポートの中で紹介している金額は参考価格による計算で、実際の金額と異なる場合もあることをご注意願いたい。
「知って得する!Windows Server 2008 ライセンス購入の秘訣、PM が伝授します!」と題したセッションでは、複雑なWindows Server 2008のライセンス購入方法の種類とその活用方法を解説された。
「意外と多く受ける質問に、ライセンスをはじめとする賢い購入方法があります。実は、Windows Server 2008の購入コストは購入形態、CAL、仮想環境ライセンスの理解とキャンペーンの活用で大きく変わってくるのです」と、マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 Windows Server 製品部 シニアプロダクトマネージャである石坂誠氏は語る。
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マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部Windows Server 製品部 シニアプロダクトマネージャ 石坂誠氏 |
Windows Server 2008には、サーバの使用権である「サーバライセンス」と、実際にユーザーがPC等からサーバにアクセスするためのアクセス権である「CAL(クライアント アクセス ライセンス)」の2種類のライセンスがある。この2つのライセンスがなければ、Windows Server 2008を利用することができない。
「どうしてこんな複雑な方式なのか、といわれることもありますが、この方式はシステム規模に合わせた適正なライセンス料金になるようになっています。柔軟性のあるサーバの機能強化と拡張を可能にする方式なのです」と石坂氏。
このCALの必要数は、必ずしも社員数とイコールではない。1人の社員が複数台の端末を利用してサーバにアクセスする場合はユーザー数を基準とする「ユーザーCAL」を、1台の端末を複数人で使用する場合にはデバイス数を基準とする「デバイスCAL」を選択する。つまり、ユーザー数か端末数で少ないほうを基準に購入するのが正しい考え方で、これによって必要となるCAL数を減らすことができる。
また、サーバの台数が少なくアクセス頻度も低い場合には同時アクセスするデバイスまたはユーザーの最大数分のCALを、サーバインスタンスごとに購入する「同時利用ユーザー数モード」を選択することも可能だ。
「たとえば、クライアントPCは1500台あり、ユーザーが1000人の企業でサーバが50台ある場合、デバイスCALでカウントして1500のCALを購入すると525万円ですが、ユーザーCALでカウントして1000CALの場合には350万円となります。実に、175万円の差が出ます」と石坂氏はCALの理解の大切さを語った。