KTXの中でインターネットを利用している様子

時速300Km以上の速度を誇る、韓国版新幹線ともいえる高速鉄道「KTX」の中でインターネットが利用できるようになった。KTXを運用しているKORAILは、9日よりKTXの全客室で無線LANによるインターネット接続サービスを開始すると発表した。

これは携帯電話事業者であるKTFとの提携し、KTX全客室にモバイル中継器を設置することにより実現したものだ。つまり、ノートPCで無線LANにより中継器に接続、これがKTXの路線に沿って設置されたKTFのHSDPAネットワークにつながるという仕組みになっている。

利用する前に、まずは利用料金を決済する必要がある。決済は専用Webサイト上で可能だ。決済方法はクレジットカードか、KTX内で乗務員が販売しているプリペイドカード、もしくは携帯電話決済(携帯電話の月々の料金に合算されて請求される支払い方法)の3種類が用意されている。

利用料金は従量制の場合1,000ウォン(約104円)/30分で、1日使い放題の料金制は2,000ウォン(約209円)/日となる。使い放題の料金制の場合はもちろん、片道だけでなく往復の場合でも追加料金なしで利用できる。

同サービスを利用するには基本的に、無線LANに対応したノートPCを持参することが必須となる。しかしもしノートPCを持っていない場合でも、KTXの5号車と11号車に専用PCが設置されており、インターネット利用が可能になるという。こちらも利用料金は1,000ウォン/30分だ。また「今後はノートPCの貸し出しサービスも行う予定」(KORAIL)ということで、とくにノートPCを持っていなくとも問題はなさそうだ。

KORAILによると、KTXの運用区間にHSDPAの中継器が設置されたのは2007年3月頃。その後HSDPA携帯でのモバイルインターネットは可能だったものの、対応携帯電話を持っていなければならないという制限があった。そのためノートPCなども利用できるよう、実験を行ってきたという。

実際に利用してみると「動画など大容量データをダウンロードしたりすると、多少途切れる場合もある」(KORAIL)ということで、今後の改善課題となってはいるものの、「通常のWebサイトを見る程度であれば、滞りなく利用することができる」(KORAIL)ということで、出張のビジネスマンなどに喜ばれそうなサービスだ。