アドバンスデザインは25日、ハードディスクのデータを完全に消去するUSBツール「DataSweeper Handy」と、サーバソリューション「DataSweeper Enterprise」の提供を開始した。データを完全消去できるだけでなく、「いつ、どのような方法で、どのライセンスによって」消去が実行されたかというログを残せるため、データ消去の証明も容易。J-SOXの施行を間近に控え、企業の情報漏えいやデータ改ざんに関して厳しい目が注がれる昨今、データを「完全に消去」し、「消去を証明」できるソリューションとして注目されそうだ。
DataSweeper HandyおよびDataSweeper Enterpriseともに、米国国家安全保障局(NSA)方式、米国国防省(DoD5220.22-M)方式、米国陸軍方式など、全部で13の規格に準拠した消去方式に対応している。同社 データプロテクション事業部 営業部 次長 岸光夫氏によれば、IT機器テスト/コンサルティング会社として有名なNSTL(National Software Testing Labs)の検証でも、DataSweeperによってデータ消去が行われたハードディスクは「復元不可能」であることが確認されたという。
USB起動型のDataSweeper Handyは、重量約100gという手のひらサイズのデバイスで、USB起動に対応していないマシンの場合はCD/フロッピーからの起動も可能。OSにはLinuxを採用している。また、独自のUSB再接続設計により、起動時および初期段階以外のデータ消去実行中でもDataSweeper Handyを取り外しておくこともできる。つまり複数台のPCのデータ消去を、ほとんどタイムラグなく実行することが可能だ。データ消去のスピードは1GBあたり約1分だが、PCのパフォーマンスによって差が出るという。
また、消去ログをDataSweeper HandyにCSV形式で保存できるので、消去後はUSBストレージデバイスとしてログの閲覧/管理が簡単に行えるほか、消去結果も消去済みハードディスクに保存される。
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データ消去が終了したあとに表示される画面。このログがDataSweeper Handyに記録される |
データ消去済みHDDに書き込まれた消去結果。HDDを起動すると「OS not found」などの画面ではなく、この情報が表示される。たしかにデータが消去されたHDDであることが確認できる |
ネットワークソリューションのDataSweeper Enterpriseは、イントラネット内のサーバマシンにインストールし、消去対象PCをネットワーク接続、DataSweeperをダウンロードして消去を実行する。自社内や工場内などで大量のPCのデータ消去を行わなければならない企業などに適しており、情報漏えいの危険性を減らすことができる。DataSweeper Handyと同様、消去ログ/消去結果を保存する。
価格はDataSweeper Handyが1台2万9,800円+ライセンス料(600円/1ライセンス、ボリュームディスカウントあり)、DataSweeper Enterpriseは、カスタマイズ製品のため、個別見積もりとなる。なお、同製品は米Seagate Recovery Servicesの販売網を通じて、全世界で販売される予定。