米Microsoftは3月13日(現地時間)、同社が推進するXMLベースのOffice文書フォーマット「Office Open XML(OOXML)」の開発キット「OOXML SDK」のリリース計画を発表した。現在、OOXML SDKは2007年7月にリリースされたCTP(開発者向け技術プレビュー)版が提供されているが、これにアップデートを加えたCTP 2版を今年4月にリリースし、5月にはOOXML SDK 1.0正式版の提供を開始するという。またSDK 2.0のリリースも計画されており、こちらは最初のCTP版が今夏にもリリースされる。最終版は、Microsoftの次期Officeスイート「Office 14(開発コード名)」が登場したタイミングでリリースされる予定だ。

ISO標準を巡って覇権争いを続けるOOXMLと「Open Document Format(ODF)」の2つの規格だが、MicrosoftではISOへの採用如何に関わらずOOXMLの機能拡張を続けていく計画だ。その1つがSDKの提供で、現行でCTP 1版が提供されているOOXML SDK 1.0を5月にも完成させ、「OpenXMLDeveloper.org」や「Open XML Community」といった開発者コミュニティを通じてSDKの無償提供を進めていく。正式版のSDK 1.0では、CTPでのフィードバックを基にした細かい機能のブラッシュアップが図られている。開発者はSDK 1.0の正式リリース後、OOXML SDKで提供される機能の数々を商用製品等に組み込むことが可能になる。

また今夏にもCTP版が登場するSDK 2.0では、さらなる機能拡張が施される。大きな特徴の1つがオブジェクトモデルの採用だ。これにより、オフィス文書を構成する特定のオブジェクトに対してクラスやメソッドの追加が容易になる。このほか、あらゆる文書タイプ内での検索を容易にする「Search」や作成した文書がOOXMLに適合しているかを検証する「Validation」、複数の文書間でパーツを共有する「Shared ML」、1つの文書にテンプレートやすべての変更履歴を保存する機能など、より高度な文書格納機能がサポートされることになる。