The FreeBSD Release Engineering Teamは18日(米国時間)、6系の最新版となるFreeBSD 6.3-RELEASEを公開した。対象となるアーキテクチャはalpha、amd64、i386、pc98、sparc64。一応powerpc向けのISOイメージも作成されているが正式対応版ではない。WebであればGetting FreeBSDから、BitTorrentであればhttp://torrents.freebsd.org:8080/からダウンロード可能。FreeBSD Updateを使ってアップグレードもできる。
6.3は6.2に対してパフォーマンス向上や安定性改善、最新版から新機能のバックポートを継続的に実施したバージョン。BIND 9.3.4、sendmail 8.14.2が同梱されているほかパッケージにはX.Org 7.3、Gnome 2.20.1、KDE 3.5.8が同梱されている。再実装されたunionfsがマージされているほか、OpenBSD/NetBSDから移植されたリンクアグリゲーションインタフェースlagg(4)が実装されている。
6.3はセキュリティアドバイザリのExtented対応となる。このため2年後の2010年1月までセキュリティチェックの対象となる。6.3でサーバやシステムを運用する場合、2010年1月までに7系か8系へのアップグレード計画を立案し実行されたい。6.4のリリースに関する具体的な議論ははじまっていないようだが、これまでの流れから考えると7系への移行猶予を持たせるために6.4もリリースされる可能性が高い。
6.3は6系の特徴を引き継いで動作が安定している。現行のサーバ構成をあまり変えずに安定した最新版にアップグレードしたい場合には6.3の採用が推奨される。特にシングルコア/プロセッサの場合には充分な性能を提供する。しかし、マルチコア/プロセッサの性能をスケーラブルに発揮したい場合やZFSなど最新の機能を使いたい場合は、2008年2月にリリースが予定されている7.0の採用を検討されたい。7系はマルチコア/プロセッサに対して性能がスケールするほか、順次改善実施が予定されている。追加されている新機能やデバイスも多い。デスクトップユーザには特に6.3ではなく7.0の採用を推奨したい。