既報のとおり11月28日(米国時間)、電子メールで利用されるWeb技術、とくにHTMLメールの表示の標準化策定を目的として「The Email Standards Project」が発足された。現状の模索的にしかHTMLメールが作成できない状況を改善し、標準仕様を確立させることを目指している。同プロジェクトは最近、Gmailとの協力を開始する時期にきていると発表した。
The Email Standards ProjectはメールアプリケーションにおけるHTMLメールの表示状況の調査を実施し結果を公開している。合格点を獲得しているのはThunderbirdにはじまりAOL Webmail、Apple Mail、Eudora、Entourage、Windows Live Mail、Windows Mail、Yahoo! Mailなどだ。意外なことにGoogle Gmailは低い評価を受けている。これはGmailがCSSを削除しレンダリングに反映していない点が大きい。
サービスが公開されて以来、Google Gmailは高いシェアを獲得してきた。メールにおけるHTMLレンダリングの標準化を目指す同プロジェクトにとって、大きなシェアを保持しているGmailが標準よりかけ離れていることは好ましくない。Gmailの関係者と話し合う時期にきたという旨を明示した背景にはそうした事情がある。
しかし、iPhoneのようなモバイルガジェットの普及や、インターネットへのアクセスがPCよりもそれ以外の機器からの方が多い状況では、フルスペックのHTMLレンダリングのみを標準化することが唯一の方策ではないだろう。段階的な標準仕様を設け、どのレベルのHTMLレンダリングに対応しているか調査する方法も現実的といえそうだ。
同プロジェクトとGmailの開発チーム、またはそのほかのメールアプリケーションの開発者との話し合いを通じ、どういった標準化が進められることになるのか興味深いところだ。今後も同策定作業に注目しておきたい。