AOL傘下のNetscape Communicationsは15日(米国時間)、Webブラウザ「Netscape Navigator 9.0」を正式にリリースした。対応プラットフォームはWindows 98以降とMac OS X 10.2以降、およびLinuxカーネル2.2.14以降。サポートされる言語は、現時点では英語のみ。
2005年5月以来約2年5カ月ぶりとなる今回のリリースでは、Firefox 2.0.0.7(Gecko 20071015)をコードベースに採用。Firefox v2.0に準じたレンダリング性能に加え、WebサイトのURLを一時保存する「Link Pad」、サイドバー内にWebサイトを表示する「Sidebar Mini Browser」、テキストエリアのリサイズ、URL補正機能、元のタブの履歴を引き継いだ新規タブ作成などの独自機能が用意されている。
Firefox 2.0用プラグインも正式にサポート、自由な機能拡張が可能となった。プラグインインストール後の再起動がファイルメニューから操作可能になるなど、利便性も向上している。ウインドウ右上で回転するNetscapeロゴ「Throbber」が復活、AOLが運営するポータルサイト「Netscape.com」に接続しやすくなっている。
Netscape Navigatorは、NCSA Mosaicの開発メンバーだったMarc Andreessen氏らにより開発がスタート。1994年にリリースされたバージョン1.0以降、インターネットの普及とともに爆発的にヒット、一時はWebブラウザ市場において9割近いシェアを確保していた。その後MicrosoftのInternet Explorerとの間にいわゆる"ブラウザ戦争"が勃発、次第にシェアを落とすとともにNetscape Communications社の業績は悪化し、1998年には米インターネット接続大手AOLにより買収されている。