富士フイルムは9日、「2012年度に対1990年度実績でエネルギー原単位30%・CO2原単位40%改善」という国内主要工場の省エネ/CO2排出削減目標を新設した。今後の事業規模拡大に伴う増産計画、ならびに地球温暖化対策の観点から、さらに高いレベルの目標設定が必要であると判断したため。

これに向け、地球温暖化対策推進委員会を新設。スタッフ居住エリアの省エネ、従業員の家族への啓発活動をはかるほか、エネルギー使用の「見える化」を徹底的に行い、効果の高い対策を拡大して展開していく。具体策としては、従来の省エネ設備の導入/工程改善/エネルギーフロー図による工程の熱解析などに加え、建屋/工程別のエネルギー使用量について詳細にデータ取得できる体制を整え、製造工程のより詳細なエネルギー分析を進める。

これまで、富士フイルムは環境施策の目標のひとつとして、「2010年度に対1990年度実績でエネルギー原単位を10%、加えてCO2原単位を20%改善」と設定していた。天然ガスの導入やコージェネレーションなど、省エネルギー設備の導入/省エネを目的とした工程改善、エネルギーフロー図による工程の熱解析などを積極的に推進、その結果、現時点でエネルギー原単位15%強、CO2原単位25%強(対1990年度実績)と、2010年度に設定した改善目標を大きく超えて達成できる見通しとなった。