独SAPは8日(現地時間)、製品ライフサイクル管理(PLM: Product Lifecycle Management)アプリケーション「SAP Product Lifecycle Management (SAP PLM)」のロードマップを発表した。3カ年計画でユーザインタフェースの改善、機能拡張など行い、PLM分野を強化する。
SAPでは、業務アプリケーション群「SAP Business Suite」の一部としてSAP PLMを提供しており、今回これを強化する。ERP、SCM、CRMなど、他のSAPアプリケーションとの統合を強化し、サプライヤ、パートナー企業、顧客などで構成されるネットワークでのコラボレーションを促進する。最新ロードマップでは、PLMのユーザーをこれまでの一部エンジニアから全社レベルに拡大することを狙う。これにより、企業がPLMのメリットを最大限に享受できるようにする。
まず年末までに、現行のSAP PLMの機能拡張を提供する。ここでは、ポートフォリオプランニングのためのプロセスを追加、製品アイディアやポートフォリオ管理機能、リソース・プロジェクト管理機能などを利用してイノベーションプロセスを加速し、最新製品を投入する期間を短縮するという。
2008年には、PLMアプリケーションのユーザインタフェースを簡素化する。ツールを使いこなすためのトレーニング時間を短縮できるほか、役割ベースで情報にアクセスできることから、効率化と生産性を改善できるとしている。このほか、世界各地に散在するチームメンバーとのコラボレーションを容易にする機能も提供する予定だ。
その後、2009年には、機能拡張パッケージをリリースする。ここでは、製品開発に関連するプロセス統合が改善され、製品アイディア、デザイン、要件、各種設定などの製品特有の情報を単一の統合システムで管理できるようになる。また、製品デザイン、エンジニアリング、製造、販売、サービスと各部門へのプロセスの流れを最適化できるほか、データの一貫性も最適化できるという。
2010年にも機能拡張パッケージをリリースし、リアルタイム情報との同化に対応する。デジタル製造ツールを利用して、製品デザイン、シュミレーション、デジタルデザインと製造プロセスの追跡などを行える。RFIDタグ、バーコード、センサー経由で世界中から製品情報を収集し、製品開発プロセスのデータと結びつけることで、可視化を向上し、規制遵守や製造における精度を改善できるという。
PLM分野では、今年5月に同社のライバルである米OracleがPLM専業ベンダーの米Agile Softwareの買収計画を発表している。