米Hewlett-Packard(HP)は7月23日(現地時間)、データセンター向け管理ソフトウェアを開発する米Opswareと、シンクライアント・ソリューションの米Neowareの買収で合意したと発表した。買収総額は、Opswareが1株あたり14.25ドルで約16億ドル、Neowareは1株あたり16.25ドルで約2億1400万ドルとなる。

今回の買収は、いずれもHPのソフトウェアならびに管理ソリューションを強化するものとなる。特にOpswareは近年同社が力を入れているBTO(Business Technology Optimization)の分野を補完するもので、HPが昨年2006年7月に発表した米Mercury Interactive買収に続く大型案件である。Mercury買収効果はHPの直近の決算にも好影響を及ぼしており、ソフトウェア事業をPC/サーバ、プリンタに続く第3の同社の柱に押し上げる原動力となっている。

Opswareのソリューションは企業のデータセンターにおける自動管理を行うもので、Mercury InteractiveのBTOソリューションと組み合わせることで業務の最適化と管理の省力化によるコスト削減を同時に実現できる。米HPソフトウェア部門シニアバイスプレジデントのThomas Hogan氏は「今回のOpsware買収が、データセンターにおいて増大する複雑性と管理コストを制御するという、非常に苦痛を伴う顧客の課題の1つを解決するのに役立つだろう」と述べている。

一方のNeowareについては、同じく企業にとって課題となるクライアント管理の問題を解決する手段の1つとなる。HPではすでにWindows XPe/CEベースによるシンクライアント・ソリューションを提供しているが、Neowareの持つシンクライアント・ソリューションはLinuxベースだ。HPでは今回のNeoware買収を通して、いわゆるブレードPCと呼ばれるシンクライアント・ソリューションをさらに強化し、同分野での競争力を高めるのが狙いとなる。