米IBMは20日(インド時間)、同社のインド基礎研究所が災害や突発的なトラブルからの回復力を判定するフレームワーク「Resiliency Maturity Index(RMI: 回復力成熟度指標)」を開発したと発表した。RMIでは、組織のエンド・ツー・エンドでの回復力をスコアで定量的に算出し、コンポーネントごとに異なる回復力が企業全体での回復力にどのように結びつくのかを導き出すのが狙い。経営者はこのRMIを参考に、トラブルからの復旧に強い企業組織づくりを検討することが可能になる。

RMIは同社のチューリッヒ基礎研究所とIBMグローバル・テクノロジー・サービスが開発した「Resiliency Maturity Assessment Framework(RMAF)」をベースに作成したもので、RMAFによって定義された回復力判定コンポーネントを使うことにより、各コンポーネント間や組織全体での回復力の相関関係を表せるように拡張している。IBMインド基礎研究所によれば、「目標のRMIスコア達成のための投資決定」「組織拡大の影響評価」「アウトソーシングの参考資料」といった面で有用性が確認できたという。特にアウトソーシングにおいては、リスクヘッジの面からアウトソース先を客観的に比較検討するための評価基準として利用できる。

IBMでは現在、カーネギーメロン大学(CMU)のソフトウェア・エンジニアリング研究所(SEI)と共同で、評価フレームワークを業界標準に組み込むための研究を行っている段階だという。また同社によれば、さまざまな組織の施設で横断的にスキルの最適な配分を行うためのSkills Planningモデルも用意しているという。同モデルでは従業員の技能や勤務形態、コストなどを勘案して、経営上のさまざまな観点からリソースの配置が可能になっている。