Samsung電子は2007年第2四半期の実績を発表した。

主力の半導体事業が不振

Samsung電子によると、2007年第2四半期の売り上げは14兆6,300億ウォン、純利益は1兆4,200億ウォン、営業利益は9,100億ウォンだった。売り上げは前期比2%程度増加したものの、純利益と営業利益はそれぞれ11%、23%の減少となった。とくに営業利益が1兆ウォンを下回るのは、2001年の第4四半期以来最悪となる。

こうした不振の理由となっているのが半導体部門だ。半導体部門の売り上げは前期比5%減の4兆2,600億ウォン、営業利益は同39%減の3,300億ウォンとなっている。

Samsung電子では半導体部門の実績悪化について「主にDRAMメーカーの増産による供給過多で、第2四半期だけでもDRAM価格が37%も下落したため」であると説明している。

これに対して同社は、繁忙期となる下半期からDRAMの価格も安定し、かつ「68nmプロセスへの転換を通じた原価節減幅がより拡大することで、利益率を改善できる」と述べる。新学期用のPC出荷に伴うメモリ需要や、携帯電話、ゲーム機用のモバイルDRAM需要が伸びるため、強気の価格で勝負できると見ているようだ。

半導体部門と同様、実績が悪化したのが携帯電話やネットワーク機器などの情報通信部門だ。情報通信部門の売り上げは4兆5,000億ウォンで前期比2%減、営業利益は3,500億ウォンで同41%減だった。

それでも情報通信部門は、携帯電話の販売台数が好調であることから、Samsung電子による見通しは明るい。第2四半期の携帯電話の販売台数は、前年同期比49%、前期比8%上昇の3,740万台。第1四半期の販売分と合わせれば7,200万台となり、年間目標の1億3,300万台の54%に達している。

それにも関わらず営業利益が下がっているのは、「前期比5%」(Samsung電子)という販売価格の下落と、世界最薄の携帯電話シリーズ「Ultra Edition II」をはじめとする端末の販売に伴い、戦略的なマーケティングを実施したため、費用が増加したからだ。

今後は携帯電話の製造プロセス短縮や、海外拠点で扱う部品をアウトソーシングするなどして効率改善のための活動を行い、市場での占有率をさらに上げていきたいとしている。

好調な液晶部門

半導体や情報通信と異なり、好調ぶりを見せているのが液晶部門だ。液晶部門の売り上げは前期比17%増の3兆3,400億ウォン、営業利益は同400%増の2,900億ウォンを記録した。

こうした好調を支えているのが大型テレビパネルだ。Samsung電子によると、40インチ以上のパネル販売台数は、四半期ベースで最大の200万台を突破、50インチ以上のパネルも前期比78%増となる約10万台を売り上げ、市場での支配力を高めているという。

同社では第3四半期に第8世代液晶の本格的量産を開始することで、大型パネルでのさらなる支配力強化を狙う。

このほか、テレビやプリンターなどを含むデジタルメディア部門は、売り上げが1兆4,500万ウォン、営業利益が558億ウォンで赤字を記録している。ただし、フラットテレビの販売量は前期比で12%、前年同期比で102%増であり、明るい材料も見える。

また、冷蔵庫やエアコンなどの生活家電部門は、売り上げが前期比23%増の9,500億ウォン。夏を前に、冷蔵庫は28%、エアコンは6%ほど販売量を伸ばして好調を支えた。

Samsung電子の事業の核となる、半導体部門における売り上げや営業利益の減少が今回の注目点となった。価格下落や供給過多で引き起こったことだが、営業利益が過去6年間で最悪の数値を記録したために不安が残る。Samsung電子が今後予定している、原価節減への改善努力が実を結べば、繁忙期という時期的要因とあいまって好転が期待される。