GoogleがWebアプリケーションのオフライン動作をサポートするWebブラウザエクステンション「Google Gears」を2007年5月30日に公開してから1ヵ月半がすぎた。Google GearsはもともとGoogleが提供しているWebアプリケーションのオフライン動作をサポートするために公開されたものだが、GoogleのWebアプリケーションに限らず使用できる。2007年6月に入ってからはGoogle Gearsに対応したRemember The Milkや、Dojoのオフライン動作を支援するDojo Offlineが公開されるなど、その存在感を強めてきた。

Google GearsはWebブラウザに対するプラグインやエクステンションの形式で提供される。WebアプリケーションはGoogle Gearsを操作するAPIを呼び出すだけでよく、あとはGoogle Gearsがよきにはからってくれるという寸法だ。現在のことろGoogle Gearsの開発はオープンになるように進められており、今夏中にはさらに重要な機能を追加したバージョンがリリースされる見通し。順次予定されているロードマップは次のとおり。

8月中旬のリリース

  • Cross-Origin APIサポートの実現
  • WorkerPoolの改善(HTTPリクエストのサポート、タイマーサポートの追加、エラーレポートの改善)

9月下旬のリリース

  • インタフェースの多言語化(最初の取り組みは、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、中国語、日本語、韓国語、ポルトガル語)
  • データベースフルテキスト検索機能の多言語化(最初の取り組みは日本語、ロシア語、アラビア語)
  • フルテキスト検索スケーラビリティの改善

9月末までに予定されているリリースの内容からしても、Google GearsがWebアプリケーションのオフライン動作サポートに必要不可欠なツールになっていくことは間違いなさそうだ。Google GearsのようなツールのAPI策定には、実際に同ツールを活用するWebアプリケーションからの要求が欠かせない。同チームでは今後そうした要求を取り込みながら便利に使えるAPIの策定を進めたいとしており、今後の開発にますます注目が集まることになりそうだ。

Google Gearsが最終的にMozilla Firefoxに取り込まれるかどうかは、今後さらに議論が必要になるだろうが、こうしたオープンな開発を進めることでGoogle Gearsに対応するWebアプリケーションが増加することは間違いのないところのように見える。今後の発展にさらに注目していきたい。