就職情報サイト「マイナビ」を運営する毎日コミュニケーションズは12日、大学生を中心とした企業の新卒者採用状況および学生の就職活動状況をまとめた「2007年度 就職戦線総括」資料を発表した。資料によると、学生側は、大手企業や有名企業へのエントリが集中する傾向にあるという。また、企業側の選考基準は今年も軟化傾向のようだ。

まず、企業側は、例年より若干早めに内々定出しを始めたが、5月末の内々定保有率は前年とほぼ同様の74.3%、しかし、平均保有社数は2.24社に上昇し、これにより、特定の学生に内々定が集中したことがうかがえる。

また、学生側のエントリ数は早期のエントリが増えて、対前年で増加を見せた。しかしながら、従業員5,000人以上の大手企業や有名企業にエントリーが集中する傾向が、毎日コミュニケーションズが運営する学生向け就職情報サイト「マイナビ2008」でも顕著に見受けられたという。

企業側の選考基準は、「徹底して質を重視」から「量よりは質を重視」と言った方向にシフトしており、少数厳選からポテンシャルを重視した採用が増えてきている傾向にあることがうかがえる。また、採用環境の厳しさを考慮して、後半の選考スケジュールを用意する企業や初任給を上げる企業も増加したという。

対して、学生側の選社基準では、「自分のやりたい仕事ができる会社」「働きがいのある会社」が、変わらず上位にあるものの、前年比では、その割合を減らしており、一方で「安定性」「福利厚生」「一生続けられる会社」などのポイントが上昇、安定的に長く勤めたいという現代の学生志向が明らかになっている。職業価値観については「達成感」や「愛他性(人の役に立つ)」を重視する割合が例年と変らず上位にランクインされている。

上記の調査結果の詳細は、同社の採用サポネットで公開されている。