IT人材研修の富士通ラーニングメディアは2日、2007年度上期の業績予想を発表した。富士通グループ各社を対象にしたものを除いた、定期研修コースの売上高を前年同期比23%増の12億1,700万円と見込むなど、「企業の業績回復に伴い、2005年度に底を打った人材開発投資のトレンドが上昇機運にあることを改めて実感した」(同社 楠氏)内容となった。

2007年度上期の業績予想に関して発表する富士通ラーニングメディアの楠武芳専務

2007年度上期の6月20日時点の定期研修コースの売上高は9億2,900万円。分野別の内訳を見ると、新人研修が前年同日比16%増の1億4,200万円、コンサルティング・企画が同129%増の2,900万円となったほか、プロジェクトマネジメントが同70%増の5,500万円、内部統制の進展に対応した「業務改善のためのIT活用」コースが同157%増の600万円などとなった。また、同日時点での研修申し込み状況も、定期講習会が前年同日比28%増、オーダーメイド研修も同20%増だった。

好業績の背景として楠氏は、「新人研修の活性化や団塊世代の退職による技術者不足の影響が大きい」と指摘。さらに、「内部統制やSOAの進展、組み込みソフト開発の需要増などの社会的要請に対応した研修を当社が提供できていることも大きな要因」と強調した。

楠氏によれば、プロジェクトマネジメントをテーマとした研修の需要が特に高く、「下期はプロジェクトマネジャーの上級者育成コースなどの充実を図っていく」としている。