Shane V.Robison氏 |
30日に開催された「HP World Tokyo 2007」では、午前中に2本の基調講演が行われた。1本目は米Hewlett-PackardのExecutive Vice President兼Chief Strategy and Technology OfficerのShane V.Robison氏による「ITを超えた新たなHPのビジョンとテクノロジー」と題する講演だ。
同氏はまず、HPにとってソフトウェアがますます重要になってきていることを明らかにした。同氏はHPのソフトウェアを、(ハードウェア)製品に内蔵される「組込ソフトウェア」「製品に添付されるソフトウェア」「単独で製品となるソフトウェア」の3種に分類した。また、「Enterprise IT」「Imaging & Printing」「Personal Systems」という3つのビジネス領域すべてでソフトウェア技術の積極的な買収を行っていることを明らかにした。
同氏によると、現在のHPの研究開発投資は約36億ドルで、そのうちの70%がソフトウェア関連だという。かつては70%がハードウェア関連の投資で、ソフトウェアの比率は30%に過ぎなかったのが、近年この比率が逆転したという。また、M&A(企業買収)に関しても、以前はネットワーク管理ソフトウェアであるHP OpenViewに関連する買収が主だったが、現在では対象が広い分野に拡大されている。この結果、同氏によれば「HPは以前はハードウェアの会社だったが、現在はソフトウェアの会社になっている。規模で見ても、現在HPはソフトウェア企業として世界第6位の地位を占めている」という。
続いて同氏は、ITを取り巻くさまざまな情勢の変化(BIG shifts)について紹介した。「コンシューマITとエンタープライズITの対立構造は、Web 2.0に代表されるような両者の融合に変わった」「ITの主なターゲットは、個人の生産性向上からコミュニケーション/コラボレーションの実現に変わった」「ハードウェアとソフトウェアは明らかに異なるものだったが、組込ソフトウェアの進化や仮想化などにより、両者は密接不可分なものになった」「主要な課題は"デバイスをネットワークに接続する"ことから"人を価値あるサービスに接続する"ことに変わった」「ITはビジネスを支援する存在から、ビジネスそのものに変わった」などの変化が同氏によって明らかにされた。