InfoQ.comのFloyd Marinescu氏は1日(米国時間)、従来の英語中心コミュニティ型ニュースサイト「InfoQ.com」を中国、日本、ブラジルなどへ対応させていく旨を発表した。将来的にはさらに多くの地域への対応を目指す。すでに同サイトでは中国語版InfoQ Chinaを開始。すべてのコンテンツではないが、すでにいくつかのコンテンツを中国語で発信している。今後InfoQ ChinaはInfoQ.comで発信するほとんどのニュースを1日中に翻訳して発信するとしており、翻訳のみならず地域に特化したニュースやアナウンスも取り扱っていくとしている。

また同サイトは数カ月のうちに日本に対応したInfoQ Japanを、2007年後期にはブラジルに対応したInfoQ Brasilを立ち上げたいとしている。こうした国際化への取り組みと同時に、国際化ニュースやフォーラムにおける有用な情報については英語への翻訳への取り組みも開始する見通し。

国際化の取り組みは、英語でアップされる記事を各国地域の言語への翻訳、記事への意見やフォーラムなどの地域化など。従来の英語サイトには影響がなく、個別に各国地域への対応版が追加される形になる。同氏は最終的には他の地域に対しても同様の取り組みを開始したいが、限られた資源を活用するためにまず中国、日本、ブラジルを取り組みの対象として選んだとしている。

Floyd Marinescu氏はInfoQ.comの共同創立者。InfoQ.com (Information Queue)は2006年2月に創立されたエンタープライズソフトウェア開発に注力したオンラインコミュニティ型ニュースサイト。テクニカルアーキテクト、プロジェクトマネージャ、テクニカルチームリーダなどを対象に、Java、SOA、Ruby、.NETなどに関する記事をアップし、注目度の高いサイトとして評価されている。同氏はInfoQ.comを創立する以前にはJavaデベロッパに人気があるコミュニティサイトTheServerSide.comの創設者としても名をはせている。

英語を母国語としない言語圏における英語言語バリアは、技術普及や発展の根強い障壁になっている。言語バリアの解消には翻訳のみならず地域化や地域に対応したフォーラムの準備、またはそれら言語地域間における情報のバックマージなどを実施する必要があり、翻訳の質や運用上の問題または文化の違いなど難しい問題をはらんでいる。

こうした言語バリアに対して注目されているコミュニティ型ニュースサイトであるInfoQ.comが取り組みを開始したことは高い注目に値する。成功の可否は今後の取り組みいかんに関わってくるが、重要な取り組みとして今後も注力していく価値があるといえそうだ。