ソーラーパネルを庭に設置したい!メリットや設置の手順等を徹底解説

ソーラーパネルを屋根ではなく庭に設置したい、庭を有効活用したいのでソーラーパネルを設置したいと考えていませんか。ソーラーパネルを庭に設置した場合、メンテナンスがしやすかったり発電量が増えるなど、さまざまなメリットがあるため、設置できる環境に住んでいる人におすすめです。

この記事では、ソーラーパネルを庭に設置するメリット・デメリットや、ソーラーパネルを庭に置くのが向いている人、パネルの設置手順などを取り上げます。この記事を読むことでソーラーパネルを庭に設置すべきか決断でき、正しく取り付けられるようになるでしょう。

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ソーラーパネルの設置で失敗しないためには、複数のメーカー・販売施工業者を比較・検討して選ぶことが重要です。メーカーによってかかる費用やサービスなど違いがあるため複数業者をしっかり比較することで失敗を避けることができます。

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目次

ソーラーパネルを庭に設置するメリット

ソーラーパネルを庭に設置するメリット

ソーラーパネルを庭に設置するメリットは、以下のようにたくさんあります。

  • 発電量が増える
  • 設置作業が簡単
  • メンテナンスがしやすい
  • 降雪地域でも設置しやすい
  • 向きや角度の調整がしやすい

ここでは、各メリットについて詳しく紹介します。

発電量が増える

ソーラーパネルを庭に設置するメリットは、屋根よりも多くパネルを設置できる可能性があることです。広い庭であればたくさんソーラーパネルを設置でき、発電量を増やせます。発電量が増えると生じるメリットは、以下の通りです。

  • 売電収入を増やせる
  • 10kW以上の場合、固定価格買取期間が20年になる

太陽光発電を導入した場合、一定期間売電価格が保証される再生可能エネルギーのFIT(固定価格買取制度)を活用可能です。2024年の買取価格は16円です。

ソーラーパネルの容量によって期間は異なり、10kW未満の場合、売電期間は10年、10kW~50kWの場合、売電期間は20年と定められています。そのため、ソーラーパネルが多い方が長い期間売電できるメリットがあります。

設置作業が簡単

屋根にソーラーパネルを設置する場合と比較して、工事が簡単であることもメリットです。自宅の屋根が複雑な形状をしていたり、屋根が北側を向いていたりする場合、ソーラーパネルを設置できない可能性がありますが庭であれば簡単に取り付けられます。

また、売電目的でなければ自分で手軽に庭に設置できるソーラーパネルもあります。折りたたみソーラーパネルならば、キャンプや車中泊などにも活用できるため非常に便利です。

メンテナンスがしやすい

ソーラーパネルのメンテナンスがしやすいことも、庭に設置するメリットです。屋根に取り付けた場合、屋根にのぼってパネルを掃除したり状態を確認する必要がありますが、庭であればこうした手間はかかりません。

ソーラーパネルを庭に設置すると、パネルの掃除や状態のチェックするときに、屋根の上の高所作業にならないため、危険性をより低めることができます。

降雪地域でも設置しやすい

雪が多く降るエリアの場合、ソーラーパネルは屋根よりも庭に設置する方がメリットが大きいです。屋根に設置した場合、雪が積もったり落雪したりする危険性があるからです。耐久性の低いソーラーパネルであれば、雪が積もった状態を放置しておくと故障につながる可能性もあります。

庭に設置する場合、ソーラーパネルの架台の角度は20度と40度のいずれかを選べます。40度にすることで、自然に雪が滑って落ちるため除雪作業が必要なくなります。ただし、40度であっても99cm以下の垂直積雪量でなければ、自然に滑って落ちるわけではないため、対応できる降雪量に限度があることを認識しておいてください。

向きや角度の調整がしやすい

屋根に設置するより角度や向きが調整しやすくなることも、ソーラーパネルを庭に設置するメリットです。屋根の場合、ソーラーパネルの設置角度は屋根の勾配、方向は家の建つ向きによって決定され発電にとって最適な角度や向きは選べません。

庭の場合は、発電効率の高い南向きに設置できたり、自由に角度を調節できるため発電量の増加が見込めます。

おすすめの家庭用ソーラーパネルメーカーを紹介したこちらの記事もおすすめです。

ソーラーパネルを庭に設置するデメリット

ソーラーパネルを庭に設置するデメリット

ソーラーパネルを庭に設置する場合、メリットだけではなく、以下のようなデメリットもあります。

  • 盗難被害に遭う可能性が高くなる
  • 事故のリスクが高くなる
  • 広い面積が必要となる
  • 設置費用が高くなる場合がある
  • 庭の用途が限られる
  • こまめな除草作業が必要になる

こうしたデメリットも把握して、庭に設置すべきかどうか検討しましょう。

盗難被害に遭う可能性が高くなる

ソーラーパネルを庭に設置するデメリットは、盗難のリスクが高まることです。屋根に設置している場合、高所にあるソーラーパネルがあるため盗難しづらいですが、庭にあると誰でも触れるため盗難被害に遭う可能性が高くなってしまいます。

ソーラーパネルを盗難する目的は転売であり、誰もいなくなった深夜に行われる傾向にあります。盗難を対策するためには、防犯カメラを設置したり、万が一に備えて保険に加入したりしましょう。

事故のリスクが高くなる

事故のリスクが高くなることも、ソーラーパネルを庭に設置するデメリットです。屋根よりも低い位置に設置するため、配線にひっかかってケガをしてしまったり、配線が切れて出火したりする危険性があります。

また、低い位置にあるからこそ飛来物による故障のリスクも高まってしまうでしょう。特に子どもがいる家庭の場合は、事故に巻き込まれないよう、ソーラーパネルの管理を怠らないようにしてください。

広い面積が必要となる

ある程度の広さの庭でなければ設置できないことも、デメリットに挙げられます。1kWを設置するためには、おおよそ10平方メートルの面積が必要になり、10kW以上を設置するためには、単純計算で100平方メートル(10メートル×10メートル)の面積の庭でなければなりません。

10kW以上にするために庭だけでは足りない場合は、倉庫やカーポートにも併設しましょう。

設置費用が高くなる場合がある

屋根に設置するより、高額になってしまう可能性があることも、ソーラーパネルを庭に設置するデメリットです。屋根よりも庭の方が面積が広く、ーラーパネルが大きくなるほど設置するための工事費用が高くなる傾向があるのです。

また、屋根にも庭にも設置したい場合、分割設置となるため工事費用や部品代が高くなることもあります。ただし、ソーラーパネルのサイズが小さいなど、設置条件によっては屋根よりも設置費用が安くすむケースもあります。

庭の用途が限られる

ソーラーパネルを庭に設置した場合、庭の用途が限られてしまいます。なぜなら、売電目的で大きなサイズのソーラーパネルにした場合、庭を占領してしまうからです。ただし、架台を高く設置することでその下のスペースを有効活用できるようになります。

またソーラーパネルの下のスペースを使う場合は、建築基準法に則った確認申請が必要になるケースもあるため、必ず事前に確認しておきましょう。設置に関する確認申請は、以下の記事で詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。

こまめな除草作業が必要になる

除草作業が必要になることも、ソーラーパネルを庭に設置するデメリットです。雑草を放置しておくと、雑草が伸びて影をつくり、発電効率を低下させる可能性があるからです。また除草作業を業者に依頼する場合、100平方メートルで年間4万円程度かかるため、それなりにコストも必要です。

自分自身で雑草対策するためには、以下の方法をおすすめします。

  • 庭に除草シートを貼る
  • 除草剤を庭にまく
  • 庭に砂利を敷く
  • コンクリートで固める

ソーラーパネルを庭に置くのが向いている人

ソーラーパネルを庭に置くのが向いている人

以下のような人には、ソーラーパネルを庭に置くのが向いています。

  • 自宅の屋根の状態に不安がある人
  • 発電量を増やしたい人
  • 庭を有効活用したい人

自宅に向いているのかどうか、正しく判断するためにお役立てください。

自宅の屋根の状態に不安がある人

家の屋根の状態に不安を覚えている人は、ソーラーパネルを庭に置くのが向いています。例えば、以下のようなケースでは、屋根にパネルをつけてもメリットはあまりありません。

  • 北向き一面
  • 極端に小さい

こうした屋根は、発電量が少なくなってしまうため庭に設置した方が良いでしょう。また、「屋根の築年数が経ち老朽化していて工事が心配」という人にも庭への設置がおすすめです。

発電量を増やしたい人

発電量をできるだけ増加したい人にも、庭への設置をおすすめします。特に現在ソーラーパネルをすでに屋根に設置している人は、屋根よりも庭に増設する方が設置しやすく、発電量を増やすことが可能です。

ただし庭に増設して10kW以上になったとしても、全量買取制度(2012年7月1日)以前にもともと設置してあった場合、固定買取期間は延長されません。

庭を有効活用したい人

現在庭を特に活用していない人にも、ソーラーパネルの設置はおすすめです。特別なことをしていない庭にソーラーパネルを設置することで、売電収入を得られるだけではなく、見栄えの良い場所となります。

また、災害などで停電になってしまった場合でも、携帯電話や生活に必要な家電の電力を確保することができるため、万が一の事態に備えてソーラーパネルを設置しておくのもいいでしょう。

メンテナンスや掃除などは必要なものの、庭を有効活用したい人はソーラーパネル導入を検討してみませんか。

ソーラーパネルを庭に設置する手順

ソーラーパネルを庭に設置する手順

ソーラーパネルは、以下の手順で庭に設置します。

  • 収支計画を立てる
  • 業者に見積もりを依頼してプランを決定する
  • 補助金を申請する
  • 事業計画認定申請を行う
  • ソーラーパネルの設置工事を行う
  • 電力会社と受給契約をする

スムーズに設置できるように参考にしてください。

STEP1:収支計画を立てる

ソーラーパネルを庭に設置する最初の手順は、収支計画を立てることです。ソーラーパネルを設置する人の中には、利益が出なくて後悔する人もいるため、具体的に収入はどれぐらいになるのかシミュレーションしてから設置するようにしましょう。

収支を計算するためには、以下の計算式で最初に年間発電量を算出します。

  • 年間発電量=システム容量×設置場所の日射量×損失係数×365日

この年間発電量に売電単価をかけることで、年間の売電収入がわかります。そして年間の売電収入から、初期費用とランニングコストを差し引くことで、収支がわかります。ランニングコストは、メンテナンス費用や固定資産税などです。

また、シミュレーションできるサイトがあるため、手軽に詳細な収支を把握したい人は、シミュレーションサイトを活用しましょう。

STEP2:業者に見積もりを依頼してプランを決定する

次にソーラーパネルを設置してもらう業者を選定します。1社だけでは価格の高低を判断できないため、複数の業者に見積もりを依頼して値段を比較しましょう。一括見積もりサイトなどを利用すれば、簡単に複数社に見積もりを依頼できます。

見積もりを依頼すると、業者が現地調査を行います。業者によっては庭へのソーラーパネルの設置に対応していないため、注意が必要です。

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STEP3:補助金を申請する

補助金-太陽光発電-専門家-解説

ソーラーパネルを導入する際、自治体から補助金が交付されることもあります。各自治体の補助金額や要件は、以下の通りです。

自治体制度補助金額主な要件
東京都港区創エネルギー・省エネルギー機器等設置費助成制度
  • 区民:10万円/kW(上限40万円)
  • 管理組合・中小企業者・個人事業者は上限99万9千円
  • 指定機関認証の太陽電池モジュールを設置
  • 太陽電池の最大出力またはパワコンの定格出力が10kW未満
千葉県野田市住宅用省エネルギー設備設置補助金(太陽光)2万円/kW(上限9万円)
  • HEMS/蓄電池を設置してある既存住宅に太陽光発電システムを導入
  • 太陽電池の最大出力またはパワコンの定格出力のいずれか小さいほうが10kW未満
新潟県十日町市再生可能エネルギー活用促進費補助金交付事業10万円/kW(上限60万円)
  • 家屋の屋根などへの設置に適している
  • 発電した電力を全量自家消費するもの、またはその余剰電力を売電するもの

各自治体によって補助金の金額や申請期間、要件は異なるため、ホームページで詳細を確認しておきましょう。より詳しく補助金について知りたい人は、以下の記事もおすすめです。

マイナビ編集部

補助金の申請から振り込みまでの期間は、市区町村は最低でも2か月ほどはかかる一方、国や、都道府県だと半年~1年くらいはかかります。

STEP4:事業計画認定申請を行う

ソーラーパネルの活用および売電のためには、経済産業省に手続きをする必要があります。経済産業省に対しては、オンラインで事業計画認定申請の手続きを行います。その際に必要になる書類は以下の通りです。

  • 土地取得の証明書類
  • 建物所有者の同意書類
  • 電力会社の接続同意書類
  • 構造図
  • 配線図

規模や状況により書類内容は異なるため、公式サイトなどで申請の条件をチェックしておきましょう。

STEP5:ソーラーパネルの設置工事を行う

申請を終えたら、ソーラーパネルの設置工事を行います。工事は以下の流れで進めます。

  • 架台取り付け
  • パネルの設置・配線
  • 周辺機器工事
  • 電気測定検査
  • 工事終了

パネルのサイズや条件などによって日数は変わりますが、工事は大体3~4日程度で終わります。

STEP6:電力会社と受給契約をする

最後に電力を買い取ってもらったり、足りない分を供給してもらったりするために、電力会社と受給契約を結びます。

電力会社との受給契約を締結することが、経済産業省から事業契約を認定してもらうための前提になっていますが、事業計画が認定されるまでに受給契約が完了していれば問題ないため、最初から電力会社にアプローチしなくても問題ありません。

すべての契約や手続きを終え、正常に作動しているとわかったら正式に発電と売電のスタートです。

まとめ

ソーラーパネルを庭に設置するメリットは、発電量が増えることと、設置作業が簡単であることです。また、屋根にないからこそメンテナンスがしやすく、降雪地域でも設置しやすいメリットがあります。

一方デメリットは、人に触れやすい場所にあるからこそ盗難被害に遭う可能性が高くなることや、事故のリスクが高くなることです。また広い面積が必要となり、設置費用が高くなるケースもあるでしょう。売電目的で大きなサイズのソーラーパネルにした場合、庭を占領してしまうこともデメリットです。

ソーラーパネルを庭に置くのが向いている人は、自宅の屋根の状態に不安がある人や発電量を増やしたい人、庭を有効活用したい人です。ソーラーパネルをすでに屋根に設置している人は、屋根よりも庭に増設する方が設置しやすく、発電量を増やすことが可能でもあります。ソーラーパネルを庭に設置して、発電量を増やしませんか。

※「マイナビニュース太陽光発電」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
東京都環境局
こどもエコすまい支援事業
葛飾区公式ホームページ
経済産業省

監修者情報

本記事の監修者 株式会社EX-World 代表取締役     髙島 岳彦

太陽光や蓄電池等の専門家。2017年より某外資系パネルメーカーに所属し年間1000件以上の太陽光を販売しトップセールスを記録。これまでの知見を活かしたYouTubeが業界NO,1の再生数を誇り、2021年に開業。現在は一般の方向けに自社で販売〜工事を請け負う。Youtubeチャンネル


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この記事を書いた人

マイナビニュース太陽光発電編集部は、太陽光発電の設置、補助金、運用における流れに関する様々な情報をわかりやすくお届けします。

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