既に自宅に太陽光発電を設置しているけれども、後付けでも蓄電池を設置したほうがいいのかと悩んでいませんか? ネット上には「蓄電池の後付けは太陽光発電との互換性が合わないことがあるためおすすめしない」といった情報もあるため、どうしたらいいのか迷っている人もいるでしょう。
結論から言うと、太陽光発電との互換性の問題があるのは事実ですが、蓄電池を設置することによるメリットが大きいため、蓄電池の後付けをおすすめします。ただそのために、既存システムの状況から後付けの可否を見きわめて、蓄電池のタイプなどを吟味することが必要です。
そこで本記事では、蓄電池を後付けするメリットや、蓄電池のタイプの比較、おすすめメーカーなどを紹介します。太陽光発電に蓄電池の後付けを検討している人はぜひ参考にしてください。
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太陽光発電に蓄電池を後付けする3つのメリット
既設の太陽光発電に蓄電池を後付けすると、どのようなメリットが享受できるのでしょうか。ここでは主なメリットを3つ紹介します。
- 夜間でも電気代を節約できる
- ピークカットが無駄にならない
- 災害に強い家になる
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
夜間でも電気代を節約できる
蓄電池を後付けすると、日中発電した電気を貯めておくことが可能になります。発電できない夜間は、電力会社から電気を買わないで、貯めておいた電気を利用すればいいので電気代の節約が可能です。
蓄電池がなければ、せっかく発電設備が整っているのに、電気を買わなければならず、その分無駄な電気代を支払わなければなりません。
オール電化と太陽光発電でどのくらい光熱費の節約になるのか解説したこちらの記事もおすすめです。
ピークカットが無駄にならない
蓄電池をつなぐと、ピークカット(最も電気を使う時間帯の使用量を下げること)分の電気を貯められます。貯めた電気は売電できませんが、発電できない夜間に使うことができ、発電した電気が無駄になりません。
蓄電池がないと、特に5月などの発電条件が良い季節は自宅で使いきれず、売電もできない余った電気がピークカットされ、せっかく作られた電気が活用されずに捨てられてしまうことになります。
災害に強い家になる
蓄電池は台風・水害や地震などのいざというときの停電対策にもなります。太陽光発電と蓄電池をセットで備えておけば、非常時は蓄電池に貯めておいた電気が使えるので、万一大規模な停電が起きたとしても安心です。
太陽光発電のみの場合は、停電時で使えるコンセントは非常用に限られ、しかもそのコンセントが使えるのは発電時のみです。全く電気が使えないわけではありませんが不安が残ります。
太陽光発電に後付けする蓄電池のタイプを比較
蓄電池には単機能型とハイブリット型があり、それぞれ特徴があります。ここで紹介することは、ご自宅に設置されている太陽光発電システムの状況と照らし合わせて、後付けの可否や、後付けできる場合はどちらのタイプを選べばいいのかの判断材料になります。
単機能型蓄電池とは
単機能型蓄電池とは、太陽光発電用のパワーコンディショナ(パワコン)と蓄電池用のパワコンが別々になっているタイプをいいます。後付けのイメージでいうと、既設の太陽光発電のパワコンは取り外さずに、蓄電池用のパワコンを新たに取り付けるタイプです。
パワコンとは、太陽光で発電した電気を蓄電池に貯めたり、自宅の環境で使えるようにするための機器です。
電流を直流から交流へ、あるいは交流から直流へ変換したり、最大電力を自動調整したり、周波数・電圧などの異常時に出力を遮断するなどの大切な機能を持っており、太陽光発電や蓄電池を導入する場合は必ず必要になります。
単機能型というと「単独の機能しかない」「太陽光で発電した電気を充電できない」という誤解があるようですが、そのようなことはありません。蓄電池自体が単機能ということではなく、パワコンの機能が単機能であるという意味です。
ハイブリッド型蓄電池とは
もうひとつのタイプであるハイブリッド型は、太陽光発電と蓄電池両方のパワコン機能を1台で兼ね備えたタイプをいいます。後付けのイメージでいうと、既設の太陽光発電のパワコンを取り外して、太陽光発電・蓄電池兼用のパワコン1台を新たに取り付けるタイプです。
ハイブリッド型についても「高機能・多機能である」などと誤解がされがちです。しかし、単機能型と同様、蓄電池がハイブリッドという意味ではなく、パワコンがハイブリッドな機能を持っているという意味になります。
単機能型とハイブリット型の特徴を比較
単機能型とハイブリット型の特徴を次の5つのポイントから比較してみました。
単機能型 | ハイブリッド型 | |
価格 | 割安 | 割高 |
変換ロス | 多い | 少ない |
設置スペース | 追加分が必要 | 追加分は不要 |
設置スペース | 屋外型が多い | 屋内型が多い |
停電時 | 自動的に再充電できない | 自動的に再充電できる |
停電時 | 入出力が同時にできる機種はほとんどない | 入出力が同時にできる機種は少ない |
既設の太陽光発電との相性 | 基本的にどのメーカーでも問題ない | メーカー・機種によっては相性が悪い |
ひとつずつ詳しく紹介します。
POINT1:価格
後付けする場合の設備費は、単機能型の方が割安、ハイブリット型の方が割高です。
これはハイブリッド型の方が、太陽光発電と蓄電池の2台分のパワコン機能を備えているためです。メーカーや機種にもよりますが、同じ蓄電容量で50万円程度の差が出ることもあります。
工事費も単機能型の方が既存のパワコンの撤去・処分が必要ない分安くなります。
ただし、後付けではなく太陽光発電と蓄電池をセットで購入する場合は、ハイブリット型の方が割安です。パワコン1台で太陽光発電用と蓄電池用が兼ねられ、設備費と工事費が1台分節約できるためです。
POINT2:変換ロス
変換ロスとは、太陽光パネルで発電した電気をパワコンを経由して蓄電池に貯める過程で、直流から交流、交流から直流に変換するときに生じる電力のロスのことで、およそ5%少なくなるといわれています。
単機能型の場合は、太陽光パネルから蓄電池に電気を送るのに、太陽光発電のパワコンで交流に変換してから蓄電池のパワコンで直流に変換するため、変換ロスが発生する可能性が高いです。
一方、ハイブリッド型の場合は、太陽光パネルから蓄電池へ直流のまま送れるので、変換ロスが発生する可能性を極力抑えられます。
POINT3:設置スペース
単機能型の場合は、既存の太陽光発電のパワコンはそのままの状態で、別に蓄電池用のパワコンを増設することになるので、1台分の追加スペースが必要です。
しかも、太陽光パネルが設置済なので、設置する場所を自由に選ぶことができません。一方、ハイブリッド型の場合は、既存の太陽光発電のパワコンを取り外して、基本的にはその跡に置けばいいので、追加スペースは必要ありません。
さらに単機能型は容量や重量が大きいため、屋外設置型の製品が多いです。
蓄電池は水に弱いため浸水を避けるため地面から高さ20cmのところに設置することが推奨されており、かさ上げが必要になることもあります。一方、ハイブリッド型は屋内設置型の製品が多くリリースされています。
POINT4:停電時
停電時の非常用電源として蓄電池の後付けを考えている人も多いと思いますが、その場合は次の2つの機能に着目しましょう。
- 再充電が自動的にできる機能
- 入出力が同時にできる機能
再充電が自動的にできる機能とは、停電時に蓄電池の電気を使い切ってしまったときに、太陽光発電から自動的に充電ができる機能のことです。
単機能型の場合は、太陽光発電のパワコンを自立運転に切り替える操作をしなければ再充電できませんが、ハイブリッド型の場合は、太陽光発電と蓄電池のパワコンが一体化されているため、特別な操作をしなくても太陽光から再充電ができます。
入出力が同時にできる機能とは、再充電中でも蓄電池の電気を使える機能のことです。
この機能が付いていないと、蓄電池の電気が使える時間帯と蓄電池に電気を貯める時間帯を分けなければならないため、停電が長期化した場合は不便な生活を強いられる可能性が出てきます。
単機能の場合はこの機能が付いていないことがほとんどです。ハイブリッド型も付いていないことが多いので、注意して機種を選びましょう。
POINT5:既設の太陽光発電との相性
単機能型は、蓄電池専用のパワコンを用い、太陽光発電がなくても単独で使えるため、基本的にはどのメーカーの太陽光発電システムとも問題なく接続できます。
一方、ハイブリッド型の方は、太陽光発電用のパワコンを交換するため、既存の太陽光発電システムと相性が悪いことがあります。
機種を選ぶときに既存の太陽光発電システムがどのような回路設計になっているかをチェックしてもらい、販売店からメーカーに問題がないか確認してもらいましょう。
太陽光発電に後付けする蓄電池の選び方
太陽光発電に蓄電池を後付けする場合、どのような蓄電池を選んだらいいのでしょうか。ここでは3つの視点から選び方を紹介します。
- 蓄電池のタイプ
- 蓄電池の容量
- 蓄電池の使い勝手のよさ
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
蓄電池のタイプ
前の章で詳しく見てきたように、蓄電池のタイプは単機能型とハイブリッド型の2種類があります。どちらか一方のタイプが優れているということはないので、それぞれの特徴をふまえたうえで、既存の太陽光発電の状況や、今後太陽光発電・蓄電池をどのように活用していきたいかという視点から、ご自宅の状況に合ったものを選びましょう。
単機能型とハイブリッド型のどちらが向いているか、下の表にまとめてみました。
単機能型蓄電池が向いているケース | ハイブリッド型蓄電池が向いているケース |
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太陽光発電を設置してから10~15年経っている場合は
特に保証期間(10年または15年)が切れている、または期限が近づいている場合は、いまの太陽光発電があと何年ぐらい持つのかを診断してもらい、太陽光発電と蓄電池をセットにして交換する場合と、蓄電池の後付けをする場合のそれぞれの費用の見積もりを販売店に依頼しましょう。
そのうえで蓄電池の後付けの可否や、後付けする場合は蓄電池のタイプを選んでください。
蓄電池の容量
一般的な家庭用蓄電池の容量は、7kWhあれば十分といわれています。太陽光パネルが4kWの場合、1日の発電量は12.5kWh程度で、そこから夜間用や非常用として5~7kWhを蓄電池に充電できれば、電力会社から電気を買わなくても自家発電で十分賄えます。価格の相場はおよそ130万円です。
蓄電池の使い勝手のよさ
蓄電池には貯めた電気をどの範囲まで使えるようにするかで、次の2種類に分けられます。
- 全負荷型蓄電池:分電盤の全部をカバー
- 特定負荷型蓄電池:分電盤の特定部分のみをカバー
全負荷型蓄電池は、分電盤内の全部の負荷(子ブレーカー)をカバーしており、冷蔵庫、エアコン、エコキュート、IHクッキングヒーターなどで使われる200V電源も利用可能なので、使い勝手は良いです。家中の電気を使えるようにしたい場合は全負荷型蓄電池をおすすめします。ただし、機種は限られ、価格は割高です。
一方、特定負荷型蓄電池は、あらかじめ特定しておいた分電盤内の2~5個の負荷のみ利用可能です。一部の機種を除いて200V電源は利用できないので、使い勝手でいうと全負荷型蓄電池のほうに軍配が上がりますが、割安で機種も豊富にそろっています。
太陽光発電に後付けできるおすすめ蓄電池メーカー3選
ここで太陽光発電に後付けできる蓄電池・蓄電システムを生産・販売している日本のメーカーを3社とおすすめの製品を紹介します。
- シャープ
- 京セラ
- パナソニック
いずれも大手で、国内に数多くの営業拠点を持っており、メンテナンス体制もしっかりしています。既存の太陽光発電との相性にもよりますが、この中から比較・検討してみるのもいいでしょう。
保証が充実したシャープ
日本の蓄電池メーカーの中でもトップクラスの実績を誇るシャープは、2020年には家庭用蓄電池の出荷台数シェア率が16%を超え、業界1位となりました。
これは全国で設置されている住宅用太陽光発電の約3割がシャープの製品であることと大きく関連しています。太陽光発電と蓄電池を同じメーカーで組み合わせた方が相性良く稼働できるためです。
さらに、シャープの太陽光発電を設置し、太陽光パネルの保証期間がまだ残っているときに、同じシャープの蓄電池を設置すると、太陽光パネルの出力保証が継続できる点も大きなポイントです。別メーカーのハイブリット型蓄電池を選んだ場合は、パネルの出力保証は外れてしまいます。
このようにシャープは太陽光発電と蓄電池を一体的なものとして捉え、製品・サービスを積極的に開発しているメーカーであるといえるでしょう。
自家消費にも停電時の備えにも適した大容量モデルJH-WB2021
シャープのおすすめ蓄電池は、JH-WB2021です。
蓄電容量は9.5kWhと大容量で、太陽光発電でつくった電気をたっぷり貯められ、長期停電の際にもより長く電気を使えます。屋外でも屋内でも設置でき、底面にネジ穴がない構造にしてあるので、地上高500mmまでの水位でも内部に水が入りにくくなっています。
家中まるごと停電対応として、停電時でもコンセントの差し替えをせずに、分電盤に電気を供給するので、家中どこでも電気が使えるのも大きなポイントです。
「クラウド連携エネルギーコントローラ」(HEMS)と連携すると、次のような機能が使えるようになり、より便利で安全に蓄電池の運用ができます。
- 蓄電池AI予測制御モード:AIが生活パターンを学習し、くらしに合わせてエネルギーを効率よく制御する
- AI雷注意報連携:雷注意報が発令されると、AIが家庭に合わせて停電時に必要な電力量を予測して自動充電する
- COCORO ENERGYモニタリング:エラー発生時にスマートフォンへ通知し、修理手続きが可能な見守りサービス
容量の選択肢が豊富な京セラ
京セラは1993年に日本で初めて住宅用太陽光発電システムを販売した、業界でもパイオニア的な存在です。
京セラの家庭用蓄電池は、単機能型を中心に、次の3つのタイプが用意されています。
- 蓄電池容量が選べるタイプ「Enerezza(エネレッツァ)」:5.0/10.0/15.0kWh・屋内/屋外用
- 大容量タイプ:12.0kWh・屋外用
- マルチDCリンクタイプ:6.5kWh・屋外/屋内用
かしこく充電・かしこく売電できる大容量タイプ
京セラのおすすめ蓄電池は、大容量タイプです。
蓄電容量12.0kWhと業界内でもトップクラスの大容量で、通常時3.0kW、非常時の自立運転でも2.0kVAとパワフルな出力能力を持ちながら、本体奥行がわずか30cmとサイズの薄型・小型化を実現しています。
運転モードは、日中は太陽光で発電した電気を使用し、余剰分は蓄電池に貯めて朝や夕~夜に使う「グリーンモード」と、日中は太陽光で発電した電気を積極的に売電し、夜間は電気料金が安い電力会社の電気を貯めて朝や夕~夜に使う「経済モード/太陽光売電優先モード」に簡単に切り替えができます。
停電時もあらかじめ設定した家電へ優先的に自動で電源供給ができ、最大23時間連続使用が可能(使用電力合計が430W程度の場合)なので安心です。
90年の電池生産の実績があるパナソニック
パナソニックは、1931年に乾電池の自社生産を開始して以来、90年の電池生産・開発の実績を積んでおり、信頼性・安全性の高い製品を世に送り続けています。
パナソニックの住宅用蓄電池は、ラインナップが多彩なため、ライフスタイルや設置環境に応じて製品が選べ、システム・機器ごとに長期保証(10年/15年)を備えています。
最大33.6kWhまで最適な容量を選べる創蓄連携システムS+
パナソニックのおすすめ蓄電システムは、創蓄連携システムS+です。
蓄電池ユニット(3.5kWh:屋内)/(5.6kWh:屋内・屋側)を組み合わせることで、最大33.6kWhまで最適な容量を選べ、後から異なる蓄電池ユニットの増設も可能です。
停電時でもエコキュートやIHクッキングヒーターなどが使える蓄電容量を確保しており、家中の電気が使えるように電力切替ユニットも用意しています。
「AiSEG2(アイセグツー)」(HEMSの中核機器)と連携すれば、翌日の天気予報をもとに自動で太陽光発電の余剰電力を活用する「AIソーラーチャージ機能」や、停電に備え自動で蓄電池ユニットに充電する「気象警報連動」などの自動制御もできるようになります。
以下の記事では太陽光発電のおすすめメーカーを多数取り上げています。他のメーカーの情報も参考にしたいという人はぜひチェックしてみてください。
太陽光発電の蓄電池の後付けに必要な手続き
最後に、太陽光発電の蓄電池の後付けをする際にしなければならない手続きを3つ紹介します。
- 電力会社へ系統連系の設備変更申し込み
- 資源エネルギー庁へFITの変更認定申請
- 国や自治体へ補助金等の申請
手続きが遅れたり忘れてしまうと売電ができなくなったり、貰えるはずの補助金等を逃して損をすることがあるので、ここで確認しておきましょう。
蓄電池を導入するタイミングは、優先するかコスパを優先するかによって異なります。コスパを重視する場合は、太陽光パネルを導入した後が良いでしょう。
電力会社へ系統連系の設備変更申し込み
蓄電池を後付けする場合は、電力会社と契約している「系統連系」の設備変更を申し込む必要があります。系統連系とは、太陽光発電で発電した電力を、電力会社から受電する電力線と接続することです。
申し込みの方法は電力会社により異なります。専門知識を要する書類や図面を作成する必要があるので、蓄電池を購入した販売店に手続きをしてもらいましょう。
資源エネルギー庁へFITの変更認定申請
FITとは、固定価格買取制度、つまり太陽光発電による売電価格を保証する国の制度です。
太陽光発電を設置して電力会社に売電をしていればFITの認定がされていますが、蓄電池を後付けした場合は、「自家発電設備等の変更」に当たるため、変更認定の申請をする必要があります。
“参考:資源エネルギー庁「蓄電池を設置しようと思いますが、FITの変更認定申請は必要になりますか。」”
FITの変更認定申請の方法
- 「再生可能エネルギー電子申請」のサイトにログイン
- 「自家発電設備等の設置の有無」を「有」
「種類」を「蓄電池」
設置位置や区分計量の可否(蓄電池からの売電する量が計測できるか否か)を入力
変更認定申請の手続きをするときも、専門知識を要する図面(配線図)を提出する必要があるので、販売店に作成してもらうか、手続きをしてもらいましょう。JPEA代行申請センター(JP-AC)でも質問・相談に答えてくれます。
FITの変更認定申請の注意点
蓄電池の後付けをして、変更認定申請をしないと売電ができなくなります。また、次の2つの条件に該当する場合は売電価格が変わる可能性もあるため、あらかじめ確認しておきましょう。
- 太陽光パネルの合計出力がパワコンの出力より大きい場合
- 蓄電池をパワコンより太陽光パネル側に設置する場合で、区分計量ができない場合
国や自治体へ補助金等の申請
国や自治体(都道府県・市区町村)の補助金・助成金・融資制度を利用すれば、設備費や工事費の負担が軽減できるので積極的に利用しましょう。
2024年3月時点の、蓄電池等の設置に対する国の補助金は次の通りです。
補助金等の名称 | 実施主体 | 補助率・補助金額 | 受付期限(注1) |
DER補助金 | 一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII) | 【蓄電池】設備費・工事費の1/3以内 (上限:初期実効容量3.7万円/kWh) ※TPOモデルの場合5.2万円/kWh | 未定 |
ZEH補助金 | 一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII) | 【ZEH住宅】60万円/戸 (蓄電池を設置した場合は2万円/kWh加算) |
|
次世代ZEH+実証事業 |
| 100万円/戸 |
|
こどもみらい住宅支援事業 | こどもみらい住宅支援事業事務局 | 【新築】60万〜100万円 | 未定 |
注
1)受付期間中であっても予算額に達した場合は、その前日で受付を終了します。
また、各自治体(都道府県・市区町村)に蓄電池の補助金等があるかどうかを調べるには、パナソニックの「蓄電システムの補助金を調べる」のページを手がかりにすると便利です。
補助金等申請の注意点
補助金等を申請する場合は、次のことに注意してください。
- 交付要綱に記されている要件をよく確認する
- 補助金の併用ができないことがある
- 予算に達すると受付期限を待たずに受付が終了したり、内容変更・追加募集等があることもあるので、最新情報をチェックする
補助金等の申請も書類や図面の作成に専門知識を要するため、販売店に頼むか、住宅系補助金に詳しい行政書士に相談したり、申請代行を依頼するとよいでしょう。
太陽光の専門家監修!太陽光発電一括見積もりサイトおすすめランキング
蓄電池を検討しているが、まずは太陽光発電業者から探したいという方に向けて、実際にサービスを利用したことのある方に行ったアンケート結果をもとに、太陽光発電一括見積もりサイトをランキング形式で紹介!
さらに、専門家に聞いた太陽光発電一括見積もりサイトを利用する際の注意点や、質の高い業者を見極めるポイントも紹介しているのでぜひご覧ください。
まとめ
本記事では、蓄電池を後付けするメリットや、蓄電池のタイプの比較、蓄電池の選び方、おすすめの蓄電池メーカーなどについて紹介してきました。
蓄電池を設置すること自体は、電気代の節約、非常用電源の確保、省エネルギー・地球温暖化防止への貢献などの面からメリットが非常に大きく、おすすめできます。
ただ蓄電池の後付けをしたほうがいいかは、既存の太陽光発電の状況や交換時期(保証期間切れ等)などによります。太陽光発電を設置してから10~15年以上経っている場合は、後付けするよりも太陽光発電全体を交換したほうが得かもしれません。販売店の専門家の意見を聞いて慎重に判断しましょう。
※「マイナビニュース太陽光発電」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
・東京都環境局
・こどもエコすまい支援事業
・葛飾区公式ホームページ
・経済産業省
監修者情報
太陽光や蓄電池等の専門家。2017年より某外資系パネルメーカーに所属し年間1000件以上の太陽光を販売しトップセールスを記録。これまでの知見を活かしたYouTubeが業界NO,1の再生数を誇り、2021年に開業。現在は一般の方向けに自社で販売〜工事を請け負う。Youtubeチャンネル
◆記事で紹介した商品・サービスを購入・申込すると、売上の一部がマイナビニュース・マイナビウーマンに還元されることがあります。◆特定商品・サービスの広告を行う場合には、商品・サービス情報に「PR」表記を記載します。◆紹介している情報は、必ずしも個々の商品・サービスの安全性・有効性を示しているわけではありません。商品・サービスを選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品・サービススペックは、メーカーやサービス事業者のホームページの情報を参考にしています。◆記事内容は記事作成時のもので、その後、商品・サービスのリニューアルによって仕様やサービス内容が変更されていたり、販売・提供が中止されている場合があります。