太陽光発電で知っておきたい値段の基礎!設置や売電で後悔しないために

太陽光発電を導入したいと考えているなら「値段はいくらぐらいなのか」「安く購入することはできないのか」という疑問が、最初に浮かんでくるのではないでしょうか。

そして太陽光発電システムの値段だけでなく、自家消費で余った電力を売る際の値段が気になる人も多いかと思います。

この記事では太陽光発電による余剰電力が、いくらで売れるのかについて詳しく解説しています。

太陽光発電設備の導入にかかる費用や維持していくための費用、値段を安くする方法や導入で後悔しないためのポイント、太陽光発電の設備を導入する手順についても解説しているので、導入する際の知識としてお役立てください。

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太陽光発電設備の値段は、設置を依頼する施工業者によって変わります。1社だけでは妥当な値段かを判断することができないので、なるべく複数の業者に見積もりを依頼して値段を比較することが重要です。一括見積もりサイトなどを利用すれば、簡単に複数社に見積もりを依頼できるのでおすすめです。

編集部では、実際に太陽光発電の一括見積もりサイトを利用したことのあるユーザーにアンケートをとり、特に評価の高いサイトをまとめました。

  • ソーラーパートナーズ
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※ランキングは、実際にサイトを利用した人に実施した満足度アンケートをもとに構成しています。

目次

太陽光発電の余剰を売電する値段

太陽光発電の余剰を売電する値段

太陽光発電により余った電力は、どのぐらいの値段で売ることができるのでしょうか。2024年度の売電価格と今後の価格推移について解説します。

2024年以降の売電価格の予測

2024年度の売電価格は経済産業省により発表されています。家庭用ソーラーパネル(10kW未満)の価格は、2021年度の19円/kWhと比べるとマイナス3円の値下がりです。下記の表に2024年度の売電価格をまとめました。

ソーラーパネルの容量売電価格売電期間
10kW未満16円+税10年
10kW~50kW10円+税20年
50kW~250kW9.2円+税20年

技術の向上に伴い、太陽光発電の設置費用が年々値下がりしているため、固定買取制度の売電価格は2025年以降も下がることが予想されます。太陽光発電の導入によるメリットは大きいので、設置費用の値下がりを待つより、少しでも売電価格が高いうちに太陽光発電を導入したほうがお得です。

太陽光発電の設備の値段

太陽光発電の設備の値段

次に太陽光発電設備の値段について見ていきましょう。1kWあたりの設備の相場や設備費用の内訳、設置費用の推移を解説します。

1kWの太陽光発電をする設備の相場

太陽光発電設備の値段はメーカーや設置容量によって差があるため、比較するときは1kWあたりの値段で判断することが大切です。

太陽光発電設備の導入にかかる費用の相場は、1kWあたり20万~30万円といわれています。家庭用太陽光パネルの平均容量は5kWなので、大体100万~150万円くらいの費用が必要になるということを覚えておきましょう。

ちなみに、2024年度の家庭用太陽光発電設備の設置費用の相場は137万5,000円で、1kwあたりの価格は27万5,000円です。

設置容量が増えても周辺機器の費用は変わらないため、1kwあたりの価格は設置容量が多いほど安くなります。初期投資額は増えますが、容量が多いほうがコストパフォーマンスは高いです。

太陽光発電の設置費用の内訳

太陽光発電設備の設置費用の相場はわかりましたが、設置費用にはどんな費用が含まれているのでしょうか。太陽光発電の設置費用の内訳と費用ごとの相場価格を、以下の表にまとめました。

費用名相場価格
ソーラーパネル約20万円/kW
パワーコンディショナ40,000~50,000円/kW
架台20,000~30,000円/kW
その他(発電モニター・接続箱など)3,000円/kW
工事費用50,000~60,000円/kW

太陽光パネルを屋根に設置するための工事費用は、設置を依頼する業者によって差があり、屋根と土地のどちらに設置するのかによっても変動します。追加工事が必要になる場合は相場よりも高くなる可能性が高いでしょう。

太陽光発電の設置費用の相場について、さらに詳しく知りたい方は下記の記事をあわせて読んでみてください。

太陽光発電の初期費用について、さらに詳しく知りたい方は下記の記事が参考になります。

設置費用の推移は低下の傾向

太陽光発電の設置費用は年々安くなっています。家庭用太陽光発電設備の販売が開始された1993年頃は、1kwあたりの価格相場が370万円とかなり高額でした。補助金制度のスタートによって1994年には200万円まで下がり、2016年には36万円と当初の10分の1くらいの金額まで下落しました。

太陽光発電設備の設置費用が安くなった理由は、技術の向上により太陽光発電設備を大量生産できるようになったためです。生産拠点を海外に移したメーカーも増えたので、安い値段で太陽光発電設備を販売できるようになりました。

現在の1kwあたりの価格は27万5,000円です。太陽光発電の普及率の上昇に伴いニーズが減少してきているため、今後も設置費用は下落していくことが予想されます。

太陽光発電の設置費用は徐々に下がっている

太陽光発電-ランニングコスト-専門家-解説
高島さん

太陽光発電の設置費用は今後も下がり続けていくのでしょうか?

マイナビ編集部

太陽光発電の導入費用は徐々に下がっていく予測です。
 
世界的な需要が高まっているため、1枚あたりのコストを下げることができています。費用が下がっている理由は、世界的に需要が増して大量生産されることにより、コストが下がっていることが挙げられ、今後も下がり続けていきます。
日本は円安の影響もあるが、今後も世界的には下がっていくと予測しています。

太陽光発電の維持にかかる値段

太陽光発電の維持にかかる値段

太陽光発電は設置するためだけでなく、維持していくための費用も当然かかります。太陽光の維持に必要な費用は次の通りです。

  • 太陽光発電設備の定期点検費用
  • パワーコンディショナの交換・修理費用
  • 加入する保険・保証費用

費用の内容や相場を詳しく確認していきましょう。

太陽光発電設備の定期点検費用

太陽光発電設備を導入したあとは、故障による太陽光パネルの落下や発火を防いだり発電性能を維持したりするために、4年に1回の定期点検が法律によって義務づけられています。自力で行うこともできますが、落下の危険性など安全上の理由からおすすめできません。

定期点検費用の目安は点検1回につき10,000~30,000円程度です。修理が必要な場合は別途費用が必要で、施工会社によっても点検費用は異なります。

中には定期点検を無料で行ってくれるところもあるので、施工会社を選ぶときはアフターメンテナンスの費用も調べた上で検討してください。

パワーコンディショナの交換・修理費用

パワーコンディショナは太陽光パネルが集めた太陽エネルギーを、電気に変換する重要な役割を持っている設備です。メーカーによって10~20年の保証がついているため、保証期間内の故障であれば交換や修理を無料で行ってもらえます。

ただし、保証期間を過ぎてから経年劣化などの理由で故障した場合は、交換や修理の際に費用を負担しなければなりません。部品交換の場合は50,000円くらいで済みますが、パワーコンデショナ自体の交換費用の目安は30万~40万円くらいです。寿命が来る前から計画的にお金を貯めておきましょう。

参考文献:パワーコンディショナとは

加入する保険・保証の更新費用

太陽光発電設備には10~20年くらいのメーカー保証(出力保証・製品保証)がついているケースがほとんどですが、地震や台風などの自然災害により損害があった場合は保証の対象外です。自然災害の多い地域に住んでいる方は、太陽光発電設備の損害保険への加入をおすすめします。

一般的に太陽光発電設備には、以下の表のような種類の保険をつけることが可能です。保険の種類によって補償対象や補償範囲が変わるので、しっかり確認しておきましょう。

保険の種類補償対象・補償範囲
住宅用火災保険(企業総合保険)
  • 火災による損害
  • 落雷による故障
  • 台風や雪による破損
  • 盗難
住宅総合保険(動産総合保険)
  • 火災による損害
  • 落雷による故障
  • 台風や雪による破損
  • 飛来物の衝突による故障
  • 盗難
施設賠償責任保険
  • 地震や台風により他人にけがをさせた場合の治療費・修理代
休業損害補償保険
  • 設備復旧までの収入保証
出力抑制保険
  • 出力抑制中の収入保証

太陽光発電の維持費について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

太陽光発電設備の値段を安くする方法

太陽光発電設備の値段を安くする方法

太陽光発電設備を導入するための費用は決して安くはありません。ここでは、太陽光発電設備を安く導入する方法を解説していきます。

値段が安いメーカーの設備を導入

太陽光発電設備のメーカーを選ぶときは、発電効率が高くて値段の安いメーカーを選びましょう。初期費用を抑えることができて、より多くの電力を発電することができます。値段が安くておすすめの太陽光発電設備メーカーは、サンテックパワーとフジプレアムです。

サンテックパワー

サンテックパワーは太陽光発電機の製造・販売を手掛ける中国のメーカーです。1kwあたりの価格は約18万円と低価格なのに、公称最大出力は255Wの大容量で効率の良い発電が期待できます。

モジュール出力保証は業界トップクラスの25年で、周辺機器の製品保証も10年ついています。有料で災害補償10年をつけることも可能なので、災害の多い地域の人でも安心して使うことが可能です。

参考:SUNTECH「住宅用太陽光発電システム」

フジプレアム

フジプレミアムは兵庫県姫路市に本社がある、太陽光モジュールの開発や生産を手掛ける会社です。超軽量モジュールの「希」は世界初の女性でも持てる軽さの製品で、従来品の約半分の軽量化に成功しています。耐震等級を落とさずに設置することが可能で、設置の可能性と施工性の向上を実現しました。

1kwあたりの価格は約36万円です。出力保証は15年で機器保証が10年、自然災害補償は有料でつけることができます。地震以外の自然災害に幅広く対応しているので、台風が多い地域に住んでいる人でも安心です。

参考:フジプレミアム「太陽光発電システム」

複数の業者で相見積もりをして交渉

全く同じ条件の太陽光発電設備を選んでも、設置を依頼する施工業者によって値段が変わります。1社だけでは安いか高いかを判断することができないので、なるべく複数の業者に見積もりを依頼して値段を比較することが大切です。一括見積もりサイトなどを利用すれば、簡単に複数社に見積もりを依頼できるのでおすすめします。

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PPAやリースで無料の設置

PPA業者と協力関係を結んだり、太陽光発電設備のリース契約を結んだりすることで、太陽光発電の設置費用を無料にすることが可能です。

PPAでは太陽光発電設備の所有権を得ることはできない代わりに、屋根を電力販売事業者に貸すことで、電気料金を安く抑えることができます。事業者は余剰電力の売電によって利益を得る代わりに、10年程度の一定期間が過ぎると、屋根の所有者に太陽光発電設備を譲渡してくれます。

リースでは毎月のリース料金を支払いながら、電力会社に電気を売ったり、発電した電力を自家消費に回したりすることが可能です。

リース料金は、売電収入と電気代の節約によって賄うことができるので、実質無料で導入できます。こちらも一定期間が過ぎると太陽光発電設備の所有権が譲渡されます。

参考文献:環境省「PPAとは」

太陽光発電の導入で後悔しない5つのポイント

太陽光発電の導入で後悔しない5つのポイント

太陽光発電の導入で後悔しないための5つのポイントは次の通りです。

  • メリット・デメリットを把握しておく
  • 太陽光発電パネルの性能は環境に合ったものにする
  • 補助金や助成金の申請を忘れない
  • 電気代0円のため省エネ対策もする
  • 設置費用の負担はローンでカバーする

どれも最低限の基礎知識なので、導入前にしっかり把握しておきましょう。

メリット・デメリットを把握しておく

太陽光発電のメリット
太陽光発電のデメリット


太陽光発電には以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリットデメリット
  • 売電収入を得ることができる
  • 電気代を節約できる
  • 断熱効果がある
  • 停電時に電力を使用できる
  • 環境に貢献できる
  • 高額な設置費用がかかる
  • メンテナンスなどの維持費用がかかる
  • 屋根に負担がかかる
  • 設置が向いていない屋根やエリアがある
  • 施工ミスによる雨漏りのリスクがある

メリットが多く見える太陽光発電ですが、上記のようなデメリットもあります。そのため、それぞれのポイントをしっかり理解した上で導入を検討しましょう。

太陽光発電での投資は儲かるのかについて、詳しく知りたい方は下記の記事をあわせて読んでみてください。

太陽光発電のデメリットについては下記の記事がおすすめです。

太陽光発電パネルの性能は環境に合ったものにする

太陽光パネルは使用する環境に合ったものを選ぶことが大切です。日照時間が長い地域では、太陽光パネルの温度が上がりすぎても発電量が落ちない製品を選びましょう。逆に日照時間の短い地域では、太陽光パネルに影がかかっても発電量を一定に保てる製品がおすすめです。

一方、雪の多い地域では、雪の重みに耐えられるパネル強度が高い積雪仕様の製品がおすすめです。さらに、海の近くに家がある場合は耐蝕性の高い製品を選ぶことで、塩害による太陽光パネルの劣化を防ぐことができます。

補助金や助成金の申請を忘れない

太陽光パネルの導入により、国や自治体から補助金がもらえる場合があります。太陽光パネルの導入による国の補助金制度は2014年に廃止になっていますが、ZEH関連の補助金を受けることが可能です。他には太陽光と相性の良い蓄電池の補助金制度も利用することができます。

自治体では、都道府県や市区町村ごとに独自の補助金制度を展開しています。自治体によって補助金額や適用条件・申請期間が異なるので、利用したい場合は住んでいる自治体にお問い合わせください。自治体の補助金制度は予算に達すると終了してしまうケースが多いため、期間にかかわらず早めに申請することをおすすめします。

電気代0円のために省エネ対策もする

太陽光発電を導入すると、発電した電力を自家消費することによって電気代を0円に近づけることができます。電気代を0円にするためには、家庭でも省エネ対策を実施することが大切です。さらに以下のようなシステムを導入すれば、太陽光発電とあわせることで光熱費の節約につながります。

  • オール電化にする
  • 蓄電池を活用する

さらに時間帯によって電気の消費量が多くなったり、季節によって発電量が変動したりすることも把握しておきましょう。

設置費用の負担はローンでカバーする

太陽光発電の設置費用を捻出できない場合は、ソーラーローンの利用を検討してみましょう。ソーラーローンとは、太陽光発電設備を導入するときに利用できるローンです。ソーラーローンは長期間の融資が可能で、頭金なしでも融資を受けることができます。しかし、金利が低めの銀行は審査が厳しい傾向にあるのがネックです。

住宅ローンの借り換えを検討している場合は、借り換えローンに太陽光発電の設置費用を含めて融資を受けることもできます。金利の低いローンで、返済額の負担を軽くしつつ設置費用を融資してもらえるので一石二鳥です。住宅ローンの残高が多い場合は、借り換えローンの申し込みを検討してみましょう。

太陽光発電を設置する手順や用意するもの

最後に太陽光発電の導入手順と用意するものについて解説していきます。事前準備をしっかり行い、太陽光発電の導入をスムーズに進めましょう。

太陽光発電を導入する手順

太陽光発電を導入するときの手順を横浜市の例を参考に紹介していきます。相談から運用開始までの流れは次の通りです。

  • 検討・相談
  • 現地調査・見積もり
  • 補助金を申し込む
  • 施工契約を結ぶ
  • 接続契約を結ぶ
  • 事業契約認定申請を行う
  • 電力受給契約を結ぶ
  • 着工
  • 完成検査
  • 運転開始
  • 定期検査・メンテナンス

補助金申請に関しては、自治体によって要件が異なるため事前に調べておく必要があります。施工業者と契約を結ぶときは、複数の業者に見積もりを依頼して値段を比較してから決めることが大切です。

太陽光発電の設置に必要な書類

太陽光発電設備の導入時にはFIT申請や補助金申請のほかに、施工業者と契約するための書類を用意する必要があります。どんな書類が必要になるのか事前に確認しておきましょう。

  • 事業契約認定申請書
  • 土地の登記簿謄本
  • 建物所有者の同意書
  • 建築確認済証
  • 構造図・配線図
  • 電力会社の接続同意書

業者に申請代行を依頼する場合は委任状や印鑑証明書が必要です。さらに10kW以上の規模の場合は他にも用意する書類が増えるため、漏れがないように確認しておきましょう。

まとめ

太陽光発電により余った電力の買取価格は、FIT制度によって一定期間決まった価格で買い取ってもらうことが可能です。売電価格は導入した年によって決まりますが、年々値下がりしている状況からすると、なるべく早めに導入することをおすすめします。

太陽光発電設備の導入費用は決して安くはなく、導入後は維持するための費用も負担しなければならないので、安く導入できる方法をしっかりチェックしておきましょう。導入前に基礎知識を把握しておくことで、導入後の後悔を回避することができます。

太陽光発電の土地売買トラブルについて、さらに詳しく知りたい方は下記の記事をあわせて読んでみてください。

監修者情報

本記事の監修者 株式会社EX-World 代表取締役     髙島 岳彦

太陽光や蓄電池等の専門家。2017年より某外資系パネルメーカーに所属し年間1000件以上の太陽光を販売しトップセールスを記録。これまでの知見を活かしたYouTubeが業界NO,1の再生数を誇り、2021年に開業。現在は一般の方向けに自社で販売〜工事を請け負う。Youtubeチャンネル

※「マイナビニュース太陽光発電」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
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この記事を書いた人

マイナビニュース太陽光発電編集部は、太陽光発電の設置、補助金、運用における流れに関する様々な情報をわかりやすくお届けします。

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