日本銀行は1月24日、政策金利を0.5%程度に引き上げる追加の利上げを決定した。住宅ローン金利(変動金利)はどのような影響を受けるのだろうか? 日銀の利上げが住宅ローンに与える影響を、住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」を提供するMFSの取締役CMOで住宅ローンアナリストの塩澤崇氏に聞いた。
住宅ローン金利が上がるのは「2025年4月」
塩澤氏は日銀の利上げがなされても、「すぐに住宅ローン金利(変動金利)は上がらず、4月に0.25%の上昇が見込まれる」とコメント。
「年明けから3月までは住宅ローン申し込みのハイシーズンであり、銀行間の競争が激しいため、ハイシーズンの間は金利が据え置かれる可能性が高い」とのこと。住宅ローン金利の引き上げがなされるのはハイシーズンが終わる4月からではないか、との見通しを示した。
一方、既存借入分については、「住宅ローンの基準金利の見直しは4月と10月に行う銀行がほとんどであり、来月から金利が上がるわけではない」とのこと。4月に基準金利の引き上げが行われる可能性は高いものの、上昇後の金利で返済が始まるのは3カ月後になる銀行が多く、実際に金利負担が変化するのは7月からだろう、と予測している。
金利の比較、より重要に
日銀の利上げ後、すぐには住宅ローン金利に影響は出ないようだ。そのうえで、利上げ後に住宅ローンを利用する際の注意点も塩澤氏に聞いた。
新規の住宅ローン借り入れについては、「しっかりと比較することが大切」とのこと。メガバンクとネット銀行間の住宅ローン金利競争は激しく、「競争力維持のため、住宅ローンの適用金利(新規向け貸出金利)を0.25%も引き上げない銀行があらわれないとも言えない」そうだ。
一方、既存の住宅ローンの借り入れについては、「現在の金利の確認を行い、今後金利が上昇した場合の支払いシミュレーションが大切」とのこと。
また「利上げ前の段階で0.6%を超える住宅ローン金利の場合は、借り換えの検討が選択肢に入ってくる。モゲチェックでは借り換えユーザーを対象にした年0.344%の限定優遇金利(変動金利)を案内していたりもするので、新規の借り入れ同様、金利を比較することが重要。今後、日銀の利上げが継続したとしても、現在借りているローンと借り換え先との金利差が縮まることはないので、早めに借り換えに動くことが大切」とのアドバイスも得た。
日銀の利上げが住宅ローン金利に影響を与えるのは、4月以降となりそうだ。各銀行が住宅ローンに対してどのようなスタンスを取るか注目される。