銀座のクラブに勤務する筆者が「銀座に出没するちょっと残念なおじさん」をご紹介します。今回ご紹介するのは、「無加工の自撮りを送ってくれる潔いおじさん」です。
インスタに入浴中の半裸写真をあげているキャバ嬢かよ
LINEやショートメール等で連絡を取り合い、お客様と良好な関係を構築するのもホステスのお仕事のひとつです。
「~さん お元気ですか?」などに対し、「元気だよ」というテキストに加え、海外旅行中の写真を送ってくださる男性もいらっしゃいます。
セレブ男性の日常は我々にとっての非日常。ウキウキワクワクするものです。
ところが、風景や食事の写真におじさんの自撮り写真が紛れていることもしばしばです。 それは入浴中の彼らであったり、ジムでトレーニングを行い汗まみれになっている彼らであったり、ビーチでお酒を楽しんでいる彼らであったりとバリエーションは様々で、どれもInstagramに半裸写真をあげているキャバ嬢さながらの脱ぎっぷりです。そして、なぜか決まって"無加工"です。
そのあまりの潔さにギョッとすることも。
年齢を重ねるとどうしても毛穴は目立つし、膝は黒ずむし、かかとはカチカチになりますし、そもそも体型が20代の頃のものとはかけ離れていきます。それを無加工のまま人前に晒すなんてことは私にはできません。
タフで自信に満ち溢れたおじさんが時々羨ましくなります。
おじさんに「お仕事前にボクで癒されませんか?」と言われた話
タフで自信に満ち溢れているのは基本的には良いことです。しかし、満ち溢れ過ぎているのはちょっと……。
1年ほど前のこと、出勤するため新橋駅から銀座並木通りを目指していると、
「お仕事前にボクで癒されませんか?」
と、男性が私に声をかけました。
それがびっくりするほどの美男とか、オダギリジョーとか高橋一生とかではもちろんなくて、本当にどこにでもいる中肉中背の50~60代の中年男性だったから驚きです。
「どういう意味ですか?」と思わず尋ねると
「いや、だからお仕事前にボクと食事したりお話ししたりしませんか?」
と、彼は答えました。癒しとは?
思わず
「同伴したいってことですか?」と再び尋ねると
「同伴? 同伴なんてしません! あなたを癒したいんです」
と、彼は答えました。
「無理無理! 行くわけないじゃん」と、お伝えすると、おじさんはムッとした顔をしてその場を立ち去りました。
なんでこの私がおっさんと無料で飯食っておしゃべりしてあげなくちゃいけないんだよ、とひとしきりムッとした後で、食事をご馳走になった上でギャラまで貰おうとしている私も世間一般的にはじゅうぶんおかしいことに気がつきました。
とはいえ、中肉中背の50~60代の中年男性が、ご自身と食事をし、おしゃべりをすることを「癒し」と捉えているのはなんだかスゴすぎる。家に鏡とかないのかな。
私だったら原型が残らないくらい加工する
今回は「無加工の自撮りを送ってくれる潔いおじさん」をご紹介しました。
iPhoneのカメラで撮影した無加工の写真なんてとてもじゃないけれど人前に晒せないです。私なら原型が残らないくらいに加工します。
加工し過ぎて最近の写真をご覧になったお客さまが
「痩せたんじゃない?」
と、心配してくれるのですが、全く痩せていません。悲しいです。