大阪・北新地の節分といえば「お化け」
新年とは少し違いますが、大阪・北新地の節分も、とってもユニークなのでご紹介させてください。毎年2月2日の節分の日の夜には、大阪随一の花街である北新地では「お化け」と呼ばれる厄払いの行事が行われます。
クラブに勤める女性たちは、この日は普段と異なる装いで出勤します。例えば、舞妓さんや花魁に扮したり、中にはドロンジョ様やバニーガールなどセクシー系の衣装を身にまとったりする女性もいます。これは、節分の夜に街を徘徊する鬼をやり過ごすため、と言われています。
20代前半を北新地の某クラブで過ごした私も、お化けの日には大がかりな仮装をして楽しみました。「お化け」は、お店にもよりますが、だいたい2日間にかけて行われます。1日目は舞妓に化けて、2日目は花魁に化ける、という具合です。衣装のレンタル代は1日だいたい5万円から。
レンタル代は安いものではありませんが、頑張って仮装している女の子にはお客様が心付け、つまりはチップをくださるので、最終的には黒字になります。
そしてクラブで働く女性たちには、お店から恵方巻が振る舞われます。
イベント開催時の注意事項
新宿・歌舞伎町のバーで働くカマたくさんが、先日X(旧Twitter)でこのようなことをつぶやいていらっしゃいました。
「皆優しいから言わないけど 私は優しくないので言います 飲み屋のイベント期間中 シャンパンをおろさない 長居する 大人数で押し掛ける などはただの無礼なので やめた方がいいです」
ーカマたくさんのポストより引用
銀座などのクラブでも同様のことが言えます。イベント期間中は、お店もホステスさんも1円でも多くの売り上げをあげようと必死です。そんなときにシャンパンをおろさないのは無礼というより、不粋。長居もNGです。ササっと飲んで退席するのがカッコいい大人のマナーってもんです。キャパの小さいお店によっては大人数で押し掛けてしまうと、お店に迷惑をかけてしまうかもしれません。これも要注意です。
バブルの残り香が漂う古き良き街
今回のテーマは「新年の銀座事情」でした。古くからの花街には日本独自の風習が今もなお大切に受け継がれています。お正月や節分の日には、お客様からお年玉や心付け、祝儀を頂けるので懐が暖かかったのを覚えています。
私たちはお着物の襟に頂いたお年玉袋を差した状態で、客席を巡回するので、それをご覧になったお客様が「そうかお正月だもんな……仕方ないなア」と、またお年玉をくださるわけです。
東京・銀座、大阪・北新地ともにバブルの残り香が漂う古き良き街です。私を育ててくれた街がこの先もずっと栄えてくれますように。今年も良い1年にしたいと思います。