実家で和菓子屋を営む父親が急死したことで、突然の相続問題に直面した三兄弟の四ツ葉桜子・初郎・優二。和菓子屋を継ぐのか、土地を3等分して店をたたむのか、財産価値9,200万円の実家を巡り、揉めていく3人のストーリーから円満に相続するためのコツを学びます。
第1回は「どんな財産に相続税がかかるのか」です。
どんな財産に相続税がかかるのか
福蔵さんは商店街の中でも人気者だったようですね。葬儀にも、多くの人が出入りしています。商売というより、お客様に喜んでもらうことに尽力してきたのでしょう。預貯金は300万円と、それほど多くありませんでした。
それ以外の相続財産は、土地と家(1階はお店と作業場、2階は福蔵さんと優二さんの住居)です。
相続税がかかるもの
- 不動産……土地や家などの不動産
- 現金・預貯金……銀行口座の残高や現金
- 有価証券……株式や債券など
- 動産……車や宝石、家具などの動産
- 保険金……生命保険の死亡保険金
- 債権……貸付金や未収金などの債権
相続税がかからないもの
- 祭祀(さいし)財産……仏壇や墓地など、祭祀に関する財産
- 遺族年金……遺族が受け取る年金
相続税がかからない財産はまだあります。それは個人が遺した形のない財産、目には見えない財産です。
例えば、お店の信用、近所のお客様の評判、優二さんに引き継がれた和菓子の製造技術、みどりさんに引き継がれた接客術、そして福蔵さんの生き方.......こうしたものも立派な財産と言えるでしょう。しかしこれらは課税対象の相続財産になることはありません。