日本住宅ローン株式会社がこの春、大規模な中途採用プロジェクト「おもてなし採用」を始動させます。募集広告には“採用者年収1000万以上”“求む、最高峰のおもてなし力”といった興味深いワードが並んでいますが、どんな人材を求めているのでしょうか。「おもてなし」に込めた思いを代表執行役 安藤直広社長に伺いました。
日本トップクラスのハウスメーカーが出資して誕生した日本住宅ローンとは?
数年前から都市部を中心に不動産価格が上がっています。特に新築マンションの価格上昇は顕著です。不動産価格の高騰は長期的に見ると好景気を反映するものですが、不動産業界や住宅ローンを扱う金融業界は影響を受けます。
これまでの住宅ローン金利は史上稀にみる低金利水準でしたが、昨年の日本銀行におけるマイナス金利解除をキッカケに金利上昇局面に突入しています。また、昨今の物価高に連動して住宅価格も高騰しているため、マイホームの夢が遠のいていると感じるかもしれません。そんな方々が一生に一度の買い物をするときに力になってくれるのが住宅ローンです。
住宅ローンを扱う数ある金融機関の中でも、住宅ローンを専門としているのが日本住宅ローンです。日本住宅ローンは、2003年に4大ハウスメーカー(積水ハウス・大和ハウス工業・住友林業・セキスイハイム)と三菱HCキャピタルが共同出資して設立されました。日本トップクラスのハウスメーカーが出資元であるため、良質な住宅に対して、融資をしていくことにより、お客様に安心と安全を提供してきました。
そんな日本住宅ローンが、この4月から大規模な中途採用の求人プロジェクトとして「おもてなし採用」をスタートするとのこと。その狙いや背景を、代表執行役の安藤直広社長が語りました。
求めるのはお客様に心を込めて最大限のサービスを提供する「おもてなし」ができる人
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日本住宅ローン代表執行役社長 安藤直広
1989年、東京大学法学部卒業後、日本興業銀行に入行。その後、メリルリンチ日本証券株式会社、投資銀行部門債券資本市場部ディレクターを経て、2006年に個人向け住宅ローン専門の金融機関である日本住宅ローン代表執行役就任。 |
――中途採用プロジェクト「おもてなし採用」がスタートします。このネーミングに込めた思いを教えてください。
これからの世の中の流れを予測すると、当面は物価上昇が続き、金利とともに住宅価格も上昇すると考えられます。住宅ローンはほかのローンと比べて金利が低く、返済期間が長く設定されるのが一般的ですが、金融業界ごとに様々な住宅ローンを展開しているため、お客様が自分に最適なメニューを見つけづらくなってきています。金融機関同士の競争激化が懸念される中、当社では他社と差別化を図るために、金利ではなく“人”で勝負したいと考えました。
――商品やサービスに加えて人で勝負する、その狙いはどこにあるのでしょうか。
当社には他社にはないユニークな商品やサービスがあり、それが当社の強みになっています。しかし、ユニークであるがゆえにしっかりとご説明をしないと、お客様が商品の良さを理解しにくいという悩みがあります。
たとえば“5年待てるローン”こと「変動切替オプション」というメニューがあります。これは最初の5年間は固定金利にして、その後に変動金利に変更するかどうか選べるサービス。ローンを組むときの金利状況に不安を覚えている人にはぴったりなのですが、普段、住宅ローンに馴染みのないお客様には、説明がないと分かりにくいと思われてしまいます。
この4月には「極40」という商品がリリースされます。こちらは全期間固定金利型の住宅ローン「フラット35」を弊社が独自にカスタマイズした業界初の商品。従来、お客様が40年返済の全期間固定金利型住宅ローンのお借入れをされる場合は、「フラット50」という、フラット35と比較すると金利が高い住宅ローンを組む必要がありました。ですが「極40」では、フラット35の金利水準を維持したまま返済期間が40年の住宅ローンをお借入れいただけるのです。返済期間を40年まで伸ばすことで月々の返済額が軽減され、借入可能額を伸ばすことが可能となります。つまり、住宅価格が高騰している中でも、借入のハードルが低くなるというメリットがあります。
当社では、こうした魅力的なメニューをお客様にしっかり説明できるコミュニケーション能力の高い人を求めています。自分たちの利益を最優先するのではなく、お客様の立場に立って、お客様の条件に最適なメニューを親身になって考え、提案できる人物が必要であると考えている理由です。
また、住宅ローンを組みたいというお客様がいても、希望する条件で審査が通らないケースがあります。そのとき「お貸しできません」で終わらせるのではなく、なにか方法はないか、お客様と一緒になって親身に考えることが求められます。お客様の負担が大きくなるメニューは、安易に勧めず、お客様の状況をしっかり見極め、より良い住宅ローンとしてご活用いただくことが肝心です。
ひとりひとりのお客様に対して、心を込めて可能な限りの対応を考える、知恵を絞る、いろいろな可能性の中から最も良い選択肢をご提案して喜んでいただく……。そこに働きがいを感じられる人に来ていただきたいと思っています。
「おもてなし採用」というネーミングについては、お客様に最上級の対応を心掛けること、つまり、日本流の“おもてなし”の精神に通ずるのではないかと考えたためです。お客様をおもてなしできるコンシェルジュのような人を、金融業界にこだわらず幅広い業種から採用したい。そういった思いを込めて「おもてなし採用」と銘打ちました。
日本住宅ローン「おもてなし採用」の募集要項をくわしく見る>>
ノルマの追求よりもチームワークへの貢献を重視
――接客の経験を積んで、お客様を笑顔にすることに長けた人材はさまざまな業種にいると思いますが、金融の専門知識は求めないのでしょうか。
採用の段階で金融の知識を問うことはありません。もちろん、当社の商品やサービスをお客様に間違いなく説明できるようになるため、入社してからはしっかりと勉強していただきます。研修期間は早い人で3カ月。その人に合わせて、半年かかっても一年かかっても、一人前になるまで手厚く教えます。
そのため、同業の銀行員や保険外交員はもちろん、金融業界が未経験でもホテル業界やアパレル業界で接客経験のある方、おもてなし精神に長け、お客様に論理的な説明ができる方々にぜひ応募してほしいと考えています。私たちがお手伝いするのは、お客様の人生最大の買い物。そのことにやり甲斐や喜びを感じられる人、コミュニケーションに自信のある人ならば、金融分野の経験の有無など気にせず挑戦してほしいです。
業界の特性上、ノルマが厳しいのではないかとご想像の方もいるかもしれませんが、当社にノルマはありません。チームワークを重視しており、チームに貢献できる人もきちんと評価しています。
――「年収1,000万円以上」という雇用条件は大変目を引く話題性のあるトピックですが、年収や待遇面をどのような考えで設定されたのか教えてください。
最上級のおもてなしができる人を日本中から集めたいと思いましたので、条件面も最上級にしなければならないと判断しました。お客様に幸せになっていただくために汗をかく、それを続けるには当社の社員も皆幸せでないと難しい。利益も重要ですが、社員一同が幸せになれる環境を目指しています。
当社は「人を助けたい」「チームの役に立ちたい」「コミュニケーションが得意」といった人が多く集まっているため、優しい人が多く、縦割りではなく横のつながりが強い社風になっています。社長である私のところに新入社員でも直接報告に来ることができるフラットな組織です。
今の時代らしくないと思われてしまうかもしれませんが、忘年会やバーベキュー、ボーリング大会といった社内イベントも多いです。もちろん、自由参加で費用は会社が負担します。イベントの参加率も高く、交流を楽しんでいる社員も多いです。私は社内に向けて常々“仕事は楽しく、厳しく”と述べています。アットホームで明るい職場を維持しながらも、日本で初めての商品を作るなど、目指すべきところに厳しい目標を立ててチャレンジしていく姿勢を大事にしている会社です。
――仕事の上でも、横のつながりがあるのでしょうか。
部署を横断したプロジェクトがたくさんあり、現在動いているのは50個以上。新しい商品を開発するプロジェクトから、オフィスに緑を増やそうといったプロジェクトまで、硬軟取り混ぜた内容となっています。また、商品のネーミングは社内で公募することが多いのですが、毎回、100以上の応募があるというリアクションの良さにも社風が表れていると思います。
毎月、社員の投票による表彰も行っています。表彰の内容は成績ではなく、社員が発案しているもの。チームに貢献した人や誰かを助けた人が周囲に知られず埋もれてしまわないように、社員同士が感謝を伝える場として活用されています。金融や住宅の業界を堅い職場とイメージしている方からは意外に思われるかもしれません。
住宅ローンのコンサルタントがいまほど必要とされている時代はない
――最後に日本住宅ローンにエントリーを考えている方に向けて、メッセージをお願いします。
1980年代のバブル以降、金利は基本的にずっと下がってきました。そのため、若い世代ほど金利が上がるという経験がなく、自分の生活や仕事が金利の変動でどのような影響を受け、どう対応すれば良いか分からない方が多くいらっしゃると思います。
そんな中で住宅ローンは重要性を増してきています。普通の人にとって家を買う、マンションを買うという買い物は、一生に一度のこと。金利や住宅ローンについて詳しく、ご相談されるお客様のそれぞれの立場に立ってコンサルティングできる人は大変貴重なのです。
採用にあたって、現職の業種やバックグラウンド、資格の有無などは問いません。社会の役に立ちたい、誰かの役に立ちたい、コミュニケーションに自信がある、お客様に寄り添いたい、そんな人が活躍できるフィールドがあります。“おもてなし力”に自信のある方はぜひご応募ください。お待ちしています。
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まとめ
安藤社長のお話の中で印象的だったのは、「今ほど金利や住宅ローンのコンサルティングができる人が求められている時代はない」と指摘していたこと。破格の高収入・好条件でのポテンシャル採用を実施する背景が見えたと思います。景気は上向きとはいえ、消費者にとっては物価や金利の上昇ペースのほうが早く感じられる局面。自らのおもてなし経験を活かし、さらに活躍したい。ただ異業種では年収面に不安を感じている人にとっては、とても力強く魅力的な求人ではないでしょうか。
風通しの良い社風も伝わってきましたが、日本住宅ローンは、男性も含めて育休が100%の取得率だといいます。部長以上の幹部における女性比率は現在40%以上と、男女共に働きやすい環境が特徴。キャリアアップ転職を考えている人はぜひこのチャンスを活かしてください。