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3 日本でアメ車は不人気ってホント?

長距離移動はフワフワで快適? キャデラック「エスカレード」に日本で乗る

SEP. 02, 2025 11:30
Text : 室井大和
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昨今、ニュースで取り上げられることも多い「アメ車」。そのイメージといえば「でかい!」に尽きるだろう。もちろん、すべてのモデルが大きいというわけではない、がキャデラックのフラッグシップSUV「エスカレード」は「ザ・アメ車」という雰囲気だ。

アメリカのフルサイズSUVを日本国内で、しかも新車で買おうと思ったら、おそらく選択肢はエスカレードしかない。そんな貴重な1台は、日本で乗っても快適なクルマなのか。試乗してみた。

  • キャデラック「エスカレード」

    キャデラックのフルサイズSUV「エスカレード」。今回は「スポーツ」というグレード(1,950万円)に試乗した

インテリアは大画面が圧巻! 天然木の質感は?

エスカレードはゼネラルモーターズ(GM)が開発・製造し、1999年からキャデラックブランドで販売しているフルサイズSUVだ。2002年に2代目、2006年に3代目、2014年に4代目へとモデルチェンジを繰り返し、2020年に5代目となる現行型が登場した。アメリカではロングボディもラインアップされているが、日本への導入は標準ボディのみ。さらに、日本では6.2LのV型8気筒エンジンのみだが、アメリカでは3.0Lのディーゼルターボも用意されている。

  • キャデラック「エスカレード」

    ボディカラーはブラックのほかホワイト、レッド、グレー、シルバーがある

2025年5月のマイナーチェンジではフロントフェイスを刷新。ボディ両端に縦型のLEDヘッドライトとウインカーを配置し、フロントグリルも新設計したことで、存在感がさらに増した。他メーカーでもエクステリアデザインを共通化する流れが見られるが、キャデラックもその流れに乗ったのだろう。同日に試乗したコンパクトSUV「XT4」とほぼ同じフロントフェイスだったが、迫力があって好みだ。

  • キャデラック「エスカレード」

    左が「エスカレード」、右がキャデラック最小の「XT4」。フロントフェイスのデザインはかなり似ている

マイナーチェンジで刷新されたインテリアでは、湾曲した55インチのHDカーブドフロントディスプレイが存在感を発揮。サラウンドビジョンや車両情報を8K解像度(助手席側は4K)で鮮明に表示してくれる。また、車内のさまざまな部分に本物の天然木やセミアニリンレザーを使用し、高級感を高めたという。

  • キャデラック「エスカレード」
  • キャデラック「エスカレード」
  • キャデラック「エスカレード」
  • 車内は非常に広々としていてシートの座り心地もかなりいい。そしてなにより、55インチディスプレイが圧巻だ

  • キャデラック「エスカレード」
  • キャデラック「エスカレード」
  • キャデラック「エスカレード」
  • 左:天然木のよさは正直、あまり伝わってこなかった。中:センターコンソールのクーラーボックスはすばらしい。冷蔵、冷凍を切り替えることもできる。右:AKGの車載サウンドシステムが奏でるサウンドは全身を包みこんでくれるようだ

レザー素材については質感の良さを実感できたが、天然木については「本物の木なのか?」という印象。木材の表面にツヤのある加工が施されているのだが、色味や模様の入り方なども見る方の印象に影響しているのかもしれない。このあたりの作り込みは、欧州車の方がうまいと思った。

エスカレードはAKG(オーストリア ウィーンの音響メーカー)の車載サウンドシステムを初採用している。遮音ガラスやノイズキャンセリング機能といったノイズ対策のおかげもあってか、非常に心地よい没入感のあるサウンドを体験できた。

全長5m超えの圧倒的存在感

エスカレードはフルサイズということもあって非常に大きい。全長5,400mm、全幅2,065mm、全高1,930mm、ホイールベース3,060mmの巨体は圧倒的な存在感だ。そこに6.2LのV8エンジンと10速のオートマチックトランスミッションを組み合わせ、最高出力416PS、最大トルク624Nmを発揮する。3列シートを備え乗車定員は7名となる。

  • キャデラック「エスカレード」
  • キャデラック「エスカレード」
  • 運転席からの視界も悪くない。サイドミラーが大きいため巻き込み確認もしやすい

ボディの迫力はさすがフルサイズという感じだが、アクセルをベタ踏みしても思っていたほど速くない。もちろん遅いわけではないし、いい音色を響かせながらエンジンが唸りを上げるのだが、車体が大きく重い(車両重量2,780kg)からか、瞬発力はそれなりという印象だった。加速力を売りにしているクルマではないので、当然といえば当然なのだが。

ハンドリングが軽くフワフワとした走りもエスカレードの特徴だろう。ただ、慣れてくるとそれがとても心地良い。スポーツカーのようにキビキビと走るクルマではないため、広い道路をゆったりと、長時間走るには最適だ。その時間を快適に優雅に過ごせる車内の広さもエスカレードにしかない魅力。ただ、車幅は2mを超えるため、高速道路のETCゲートを通過するときや細い路地を走るときは若干気を使ったが、慣れれば問題ない。

  • キャデラック「エスカレード」
  • キャデラック「エスカレード」
  • キャデラック「エスカレード」
  • リアのブランドロゴを押すとハッチを開けられる。ラゲッジスペースはフルフラットになるため車中泊も問題ないだろう。容量はシートを起こした状態で722L、3列目を倒した状態で最大2,065Lを確保できる

SUVにカテゴライズされるとはいっても、悪路走破性はあまり高くない。車体の底部を覗くとスタビライザー(フレームパーツ)がかなり下(地面近く)まで張り出しているのがわかる。

  • キャデラック「エスカレード」

    スタビライザーが地面に張り出している。段差がきつい悪路は走らないほうがよさそうだ

アメリカ(特に北米)において、この手のフルサイズSUVは、悪路をガシガシ走るというより人や荷物を快適に運ぶ、いわゆるピックアップトラックのように使われる傾向があり、エスカレードのライバルに当たるリンカーンのフルサイズSUV「ナビゲーター」(日本未導入)もアーバンスタイル(都市で使うクルマ)に振った作りとなっている。

  • キャデラック「エスカレード」
  • キャデラック「エスカレード」
  • キャデラック「エスカレード」
  • ドアハンドルを握ると自動でドアが開閉できる。それと同時にステップが展開されるため乗降しやすい。2列目、3列目ともに足元が広く快適に乗車できるが、3列目は頭上に圧迫感があった

エスカレードは日本市場に最適なクルマ……とは言い難い。高さや幅の制限がある立体駐車場にはまず入庫できないし、細い路地を走るのには難儀する。車庫入れは苦戦しそうだし、そもそも入るかどうかも問題だ。

ただ、フルサイズSUVならではの抜群の存在感や迫力、SUVなのにミニバン並かそれ以上の広い車内空間、フワフワしつつも快適な乗り心地はエスカレードでしか得られない魅力だ。しかも日本で、新車で買える唯一のモデルとなれば、惹かれずにはいられないユーザーがいることもうなずける。

価格はスポーツグレードで1,950万円、プラチナムグレードは1,890万円。決して安くはないが、エスカレードでしか味わえない魅力があると思えば、買う価値はある。エスカレードが日本国内でバンバン売れれば、何かと話題になる“関税交渉”もスムーズに進んだ……のかもしれない!

  • キャデラック「エスカレード」
  • キャデラック「エスカレード」
  • キャデラック「エスカレード」
  • 関税交渉の進展に伴い、今後は日本でも買いやすくなるかも?


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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