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6 AI時代の新潮流! 音声×AIがもたらすビジネス革命

属人的な育成を脱却! 『音声×AI』を活用して人材を効果的に育成するには

JAN. 17, 2025 17:00
Text : 會田武史
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ChatGPTなどの生成AIの登場により、4度目のAIブームが到来したといわれています。

文章や画像、音楽、動画などのコンテンツづくりなどもAIが担うことができるようになり、私たちの働き方やビジネスの世界が大きく変わりつつあります。

今回のAIブームは、過去の一過性のものとは異なり、インターネットやスマートフォンと同じように私たちの生活に不可欠な存在として定着するでしょう。

ビジネスにおけるAI活用も一層進み、AIを活用する企業とそうでない企業の競争力の差は、ますます広がっていきます。

本連載ではAI活用が当たり前になる社会においてこれまで価値を見出されてこなかった「音声」の可能性について紐解いていきます。

連載の第4回~6回では、営業やマーケティング、人材育成など、実際の業務での音声AIの活用法について解説していきます。今回は、「音声データ」の人材育成やマネジメントへの活用法を紹介します。

属人的・感覚的な育成からの脱却

人材育成には、「指導スキルの差」や「育成のための具体的な改善点を伝えられない」といった課題がよく挙げられます。音声データは、この課題解決に大いに役立ちます。

まず「指導スキルの差」について、従来の上司や先輩によるOJT中心の育成方法は、実践的で良い方法である一方、指導スキルの差が成長スピードに影響することがありました。

そこで教え上手な先輩の会話をAIで解析して、「部下の話を遮らずに最後まで聞く」「相手と同じペースで話す」といった、指導スキルの差を生む要因を可視化することで人材育成への課題を解決できます。さらに、社内のノウハウとして蓄積することで、誰でも一定水準の指導が可能となり、属人的な育成体制からの脱却を実現します。

「具体的な改善点の提示」という点についても、音声データが解決に役立ちます。営業職の場合、成果を比較することで、ハイパフォーマーとミドルパフォーマーの違いがわかっても、その要因が不明確な場合、「モノではなく自分を売る」という精神論のアドバイスや、「もっと相手の話をよく聞く」というような抽象的な指導になりがちです。

しかし音声解析を使えば、例えば「1秒あたりの適切な話すスピード」や「顧客の話を聞く割合」など、改善すべきポイントを明確に定量化できます。

また、具体的な要因がわからないと、目標設定も「1日100件電話する」「月に100人から名刺をもらう」という、気合いと根性による数の論理になってしまいます。音声データを蓄積・分析することで「この業界は、何曜日のこの時間帯に電話をかけるとつながりやすい」といった、行動と成果の相関性も明らかになり、データに基づいた効果的なKPIが設定可能になります。

評価基準の刷新

音声データを活用すると、評価基準にも新しい視点を加えられます。これまでの営業活動は売上や案件数といった結果に重きが置かれてきましたが、音声データの活用により、営業活動のプロセスも評価が可能です。

例えば、顧客から何度「ありがとう」と言われたかを計測することで、顧客満足度や信頼関係構築への貢献度を可視化できます。このような新しい観点で評価基準を見直すことは、従業員のモチベーション向上にも寄与します。

セルフコーチングの促進

音声データを利用することで、従業員自身が学び成長するセルフコーチングの環境も整えられます。例えば、話し方やスピード、沈黙の回数、相手の話に被せた回数などをデータ化し、ハイパフォーマーの特性を参考にしながら、自分自身の改善点を把握するのです。

この音声データは、セルフコーチングだけでなく、研修プログラムにも応用できます。分析によって見えてきたハイパフォーマーの特性を基に、トレーニングプログラムや商談スクリプトを改善し、人材育成の効率化と効果的なスキル向上が実現します。

育成負担を軽減し、マネジメント層を強化

セルフコーチングが進むと、上司の育成にかかる負担も軽減されます。これまでは、ロールプレイに付き合ったり、商談に同席したり、個別にフィードバックをしたりと細かく関わる必要がありました。複数のメンバーがいる場合、教育時間の総量が増え、個別のフォローまで手が回らず、通り一遍の育成になることもありました。

音声データでスキルが可視化できるようになれば、育成の一部をセルフコーチングに切り替えられ、上司の時間や手間を軽減できます。個別に指導する場合も、「ここをこんな感じで」という感覚的な指導から、データをもとに「この部分を3秒短くしたほうがよい」というような定量的かつ具体的、そして個人に合わせた指導ができます。

育成にかかる時間が減り、上司は新たに生まれた時間を組織全体のマネジメントや、自らのセルフコーチングに当てられるようになります。マネジメント層が強化されることで組織全体のパフォーマンス向上が期待できるのです。

人口減少・人手不足が叫ばれる日本企業にとって、人材育成・マネジメントにおける音声データの活用は、従業員のモチベーションや定着率の向上にもつながります。

従来の働き方から脱却することは、採用活動において他社との差別化や求職者にとってのメリットにつながり、人材を確保しやすくなります。これからのAI時代において、従業員が快適に感じ、十分に力を発揮できる職場づくりを実現していくことは、サステナブルな経営を維持するうえで不可欠な取り組みになるでしょう。


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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