投資で資産を増やすには、「できるだけ高い利回りの商品を選びたい」と考える人も多いでしょう。しかし、元本がまだ小さい投資初期では、運用成績以上に「毎月いくら投資に回せるか」が資産形成を左右することもあります。
月3万円を年利14%で運用する場合と、月6万円を年利3.5%で運用する場合では、10年後の資産にどんな差がつくのでしょうか。『手取り25万円、妻子持ちでも7000万円貯めた私の 氷河期世代のお金の戦略』(ななし/Gakken)から抜粋してご紹介します。
投資初期こそ「入金力」が重要!
毎月どれだけのお金を投資に回せるかを投資家の世界では「入金力」といいます。
出世するなり、副業をするなり、節約をするなりして入金力を増強させられると、インデックス積立の効果はさらに上昇します。
とくにインパクトが大きいのが「投資初期の入金力」です。先ほど時間の分散という話をしたばかりですが、さすがに「お金を生むためのお金」となる元本が小さいと、どれだけ高い利回りを出せても収益は小さく、資産の成長は遅いまま。せめて最初の10年くらいは、がんばって「積立額」をできるだけ大きくできるといいですね。
「入金力」で年利14%に勝つ
「入金力」の威力がわかる、ある簡単な試算をお見せしましょう。
「資産ゼロから、10年間積み立てたケース」を2種類見ていきます。
ひとつは「月3万円」の積立で、奇跡的に「年利14%」で回せたケースA。ちなみに、2013年からNASDAQ100に10年投資したらこれくらいの利回りですが、株式市場では非常に稀です。もし「固定利回り14%」を謳う商品があればかなりアヤシイので、慎重に検討することをおすすめします。
もうひとつは節約や副業などで入金額を3万円増やして「月6万円」を積み立て、かなり保守的な値である「年利3.5%」で回せたケースBです。さすがに「年利14%×10年」というチートモードのほうが勝ちそうですが、計算してみると次のようになりました。
| 条件 | 10年間の投資元本 | 運用収益(概算) | 10年後の合計金額 | |
|---|---|---|---|---|
| A | 月3万円/年利14% | 360万円 | 約379万円 | 約739万円 |
| B | 月6万円/年利3.5% | 720万円 | 約138万円 | 約858万円 |
年利14%の「激レアケース」よりも、「2倍入金の努力」のほうが強いという結果になりました(なお、この計算は年率ベースの簡略的なシミュレーションであり、仮に年14%を固定リターンとして月複利で計算すると、10年後は約739万円。月6万円積立の結果に近づきますが、それでも積立額2倍のほうが最終資産は上回っています)。
せっかくなので、「月6万円積立」のその後もシミュレーションしてみましょう。年利として想定したのは、最初の10年が3.5%(市場の停滞期に相当)だったので、次の10年は12%(市場の黄金期に相当)、その次の10年は9%(市場の長期平均に相当)にしてみました。
その結果がこちらです。
| 経過年数 | 年リターン概算 | 元本 | 資産額 |
|---|---|---|---|
| 10年 | 3.5%時代 | 720万円 | 約858万円 |
| 20年 | 12%時代 | 1,440万円 | 約3,996万円 |
| 30年 | 9%時代 | 2,160万円 | 約1億5,987万円 |
現実的には元本がNISA満額の1800万円を超えるので、多少は税金で引かれてしまいますが、元本2160万円に対して、なんと資産が1億を超えています。
そう考えると、インデックス積立でも、「できるだけ入金をがんばる+時間をかける」ことで十分に大きな資産形成が期待できますね。
実際、私もこれくらいのペースでリスク資産が増えているので、次の10年がもし長期平均以上(9%くらい)で推移してくれたら、「億超え」が見えてきそうです。
もちろん、コツコツ投資は楽ではありませんし、入金力を増すのも大変です。しかし、「コツコツ」こそ、世界中の投資のプロがしのぎを削る市場において、私のような凡人でも使える最大の武器だと思っています。
それに、リアルなことを考えれば、月3万円の増額(=月6万円)を10年間継続できた人であれば、次の10年、20年も安定して月6万円の積立投資を続けられそうですよね。 それは「投資経験」「知識」「センス」といった次元の話よりも、資産形成においてはるかに重要な資質だと思います。
『手取り25万円、妻子持ちでも7000万円貯めた私の 氷河期世代のお金の戦略』(ななし/Gakken)
過酷すぎる就職氷河期世代の老後を、「ほどほどに幸せな生活」にするために。「人生お金だけじゃない」けど、最低限のお金も大事。不運で不幸な氷河期世代が生き延びるための「世界一地味な」マネープランをお伝えします。


