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ミシュランが最新タイヤでとことん磨き上げた性能とは?

FEB. 06, 2026 11:30
Text : 室井大和
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日本ミシュランタイヤは「パイロットスポーツ 5エナジー」と「プライマシー 5エナジー」の新製品2種類を発表した。ミシュランが新タイヤで“とことん磨き上げた”機能とは? 担当者に話を聞いてきた。

  • 日本ミシュランタイヤ「パイロットスポーツ 5エナジー&プライマシー 5エナジー」

    ミシュランが発表した2種類の新タイヤ。どんな機能を追求した?

ドライブは楽しく、燃費は良好に…そんなの可能?

ミシュランの製品ラインアップには、冬用タイヤを除くと、走りを楽しむ「パイロットスポーツ」、くつろぎを味わう「プライマシー」、安心感が増す「エナジー」、天候を問わない「クロスクライメート」の4つのシリーズがある。今回の新製品は、パイロットスポーツシリーズの「パイロットスポーツ 5エナジー」とプライマシーシリーズの「プライマシー 5エナジー」の2つだ。

パイロットスポーツ 5エナジーは、環境負荷を抑えながら走りの楽しさも妥協しない、スポーツドライビングを求めるユーザー向けの製品であるとのこと。性能が大幅に向上しているのが特長だ。

  • 日本ミシュランタイヤ「パイロットスポーツ 5エナジー」

    環境性能と楽しさを磨き上げたハイグリップスポーツタイヤ「パイロットスポーツ 5エナジー」

タイヤが地面に接する中央部分には、モータースポーツ由来で剛性が高い「グリップアダプティブコンパウンド」というゴムを採用。タイヤのショルダー部分には、エネルギー効率の高いゴム「エナジーパッシブコンパウンド」を使っている。エネルギー損失を減らすために「スリムベルト」というトレッド構造を取り入れ、スリム化と転がり抵抗の低減を図ったそうだ。

これらの技術により、前モデル(パイロットスポーツEV)と比較してウェット性能が約3.3%向上。さらに、同社のスポーツタイヤとしては初の低燃費性能AAA(タイヤラベリング制度による転がり抵抗グレード)を達成し、耐摩耗性能と低燃費性能の大幅な向上を実現している。

  • 日本ミシュランタイヤ「パイロットスポーツ 5エナジー」

    「パイロットスポーツ 5スポーツエナジー」の接地面には、サイズが異なるブロックを横断的に最適配置した「ピアノアコースティックテクノロジー」を採用。走行中の不快な周波数の音を効果的に低減する

プライマシー 5エナジーには新しい世代の合成ゴムを使用。具体的には、転がり抵抗の低減と濡れた路面でのグリップ性能、耐摩耗性能を両立させた「エナジー パッシブ2.0コンパウンド」を採用している。プライマシーシリーズでは欠かせない静粛技術である「サイレント・リブテクノロジー」をさらに進化させ、静粛性の向上も実現した。

  • 日本ミシュランタイヤ「プライマシー 5エナジー」

    環境性能と上質さを磨き上げたプレミアムコンフォートタイヤ「プライマシー 5エナジー」

プライマシー 5エナジーでは、前モデル(eプライマシー)と比べてウェット性能が約4.5%向上。耐摩耗性能も上がっている。

2つの新製品について開発担当者は、「環境性能と楽しさをとことん磨き上げたハイグリップスポーツタイヤです。楽しさのその先に、環境にも貢献する。そんな先進的な製品をお求めのお客様に訴求していきたいと考えています」と話す。

  • 日本ミシュランタイヤ「プライマシー 5エナジー」

    内部構造を最適化しトレッド面のより均一な接地圧分布を実現。これにより接地面が安定し偏摩耗を抑制。より長期間使用できるメリットがあるそうだ

ミシュランが高性能タイヤで「とことん磨き上げた」のは「楽しさ」と「環境性能」だ。ただ、クルマの宿命として、「楽しい走り」と「エコ」の両立は難しいはず。ミシュランはなぜ、環境性能にこだわるのか。

なぜタイヤで環境性能を追求するのか

なぜミシュランのタイヤは環境性能をここまで追求しているのだろうか。担当者は次のように話す。

「ミシュランは1993年、環境に配慮した『グリーンタイヤ』という製品群を発売しました。まだ環境性能を意識した企業や製品が少ない時代に、いち早く研究に打ち込み、サステナビリティを追求してきたんです。現在は『すべてを持続可能に』というビジョンを掲げ、2050年までにタイヤを100%持続可能にすると約束しています」

環境性能をアピールすることは、タイヤのビジネスにも好影響をもたらすらしい。

欧州では(タイヤに限らず、あらゆる)商品を購入する際、日本以上に環境性能を重視する傾向にあると話すのは、2024年12月からフランスのミシュラン本社に赴任し、研究開発部で夏タイヤの研究開発責任者を務めている伊藤祥子さんだ。欧州の消費者のマインドについて、伊藤さんはこう語る。

「家電や食品などを購入する際にも、商品ごとに、環境に配慮して作られたかどうかがラベリングされ、見える化が徹底されています。そうでない商品と大きな価格差や性能差がなければ、多くの消費者は環境に配慮した商品を選びます」

実際、同じようなジャンルや同一性能の商品であれば、環境に配慮していてもそうでなくても、価格差はあまりない。商品によっては、将来に受け継いでいけるかどうかを重視して選ぶユーザーも多いという。このあたり、タイヤも同じなのだろう。

  • 日本ミシュランタイヤ「新製品発表会」

    ミシュラン フランス研究開発部の伊藤祥子さん(右)とマーケティング部の梶恵子さん(左)によるトークセッション。伊藤さんは欧州の消費者マインドについて、実体験を交えた話を紹介していた

さらに消費者は、その企業がどのように商品を作っているのかはもとより、企業理念や生産行動に至るまでよく観察しており、環境性能が消費者の購買行動に直結していることもミシュランの調査で明らかになっているとのこと。

つまりミシュランは、環境性能を重視したタイヤを消費者に提供することが社会的使命であり、ユーザーのためにもなり、自社のビジネスにも直結すると考えている。タイヤを生産し、ユーザーが購入してそれを使い、廃棄するまでのすべての工程でメーカーとしての責任を持つ。それがミシュランが大切にしている考え方だ。

  • 日本ミシュランタイヤ「エコバッグ&ミネラルウォーター」

    新タイヤの発表会ではエコバッグを配布。水はペットボトルを再生して作ったボトル缶に入っていた

伊藤氏は「日本には、少しくらい高くても環境に配慮した商品を選ぼう、という考えがあると思います。しかし欧州では、価格や性能を我慢したり妥協したりせずに、環境に配慮した商品を自由に選択できる消費環境が整っています。ひとつのものを最後までしっかりと使い切るという価値が当たり前に根付いているため、ミシュランのタイヤも生産から使用、廃棄まで、環境性能をとことん追求した体制を整えているのです」と話す。

今回の新製品は、転がり抵抗の低減による燃費性能の向上を実現。二酸化炭素排出量の削減につながる新製品であることに間違いはないが、それ以上に、環境性能の追求という企業の取り組みが存分に詰め込まれた最新タイヤであることがわかった。

  • 日本ミシュランタイヤ「代表取締役社長須藤元氏&ミシュランマン」

    新製品をお披露目する日本ミシュランタイヤ代表取締役社長の須藤元氏とミシュランマン

  • ミシュランの新タイヤ発表会
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  • ミシュランの新タイヤ発表会
  • ミシュランの新タイヤ発表会

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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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