CMキャラクターに大谷翔平選手を起用し、“二刀流”であることを強烈にアピールしたことでも話題となったダンロップのオールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」を愛車に装着して1年が経過した。「通信簿」でもないが、日本の四季を1本のタイヤで走ってみた結果をご報告しよう。
1年で7,000kmを走行!
最初におことわりしておくと、連載「名車と暮らせば」でおなじみの筆者の愛車「ゴルフⅡ」(フォルクスワーゲン)は先日、下回りをヒットしてしまってガソリン漏れが発生し、壊れた部分のパーツ(フューエルポンプケース)の手配がつかないため、長期不動状態を強いられている。そこで今回は、自宅駐車場にあるもう1台の愛車「W124セダン」(280E、メルセデス・ベンツ)にシンクロウェザーを装着し、1年を走ってみた感想、ということになる。
タイヤを取り付けたのは2024年10月で、クルマの走行距離がちょうど9万kmの時のこと。「水スイッチ」と「温度スイッチ」を組み込んだアクティブトレッドを持つシンクロウェザーの基本性能や、雪道でのインプレッションについては、その年の冬に出したレポートを参考にしていただきたい。
W124はレポートにも載せた浜松や冬の山梨への往復をはじめ、7月の名古屋、9月初旬の飛騨高山など、年間を通して主にロングドライブを行うときに乗っている。2025年10月時点のオドメーターは9万7,000km。つまり、1年間で7,000kmを走行したことになる。
山梨での雪道体験以外はほぼアスファルトの上を走っているので、基本的には夏タイヤとして使用したことになる。「非降雪地域での使用で稀に雪道」という使い方は、オールシーズンタイヤを検討している皆さんの条件にもピタリとハマるのではないだろうか。
劣化はほぼなし! 夏タイヤも驚きの性能を体感
まず、この1年で乗り心地や走行ノイズなど、性能面に変化があったのか。
結論から言うと、メーカーによるテスト時や、実際に装着した直後から発揮していたその高性能ぶりは、今のところ全く低下していない。すなわち、走行時の優れた直進性や振動のなさ、ロードノイズの小ささ、雨天時でも低下しないグリップ感や安心感のあるブレーキング能力などなどだ。
中でも、静粛性と路面へのアタリの柔らかさは特筆もので、通常の夏タイヤもびっくりというほど。これは誇張でもなんでもなく、乗ればすぐにわかるレベルだ。一般道でも高速道路でも同様である。
6年使うと10万円の節約に?
では、この高性能がいつまでキープできるのか。シンクロウェザーのライフ性能については、W124と同サイズの195/65R15タイヤについて調べたメーカーデータがある。
それによると、1カ月の走行距離1,000kmを続けた場合、4年で50%の摩耗プラットフォーム(冬性能の基準)が現れ、夏性能の基準である80%の摩耗プラットフォームまではもう少し先までOKとのこと。
またコスト面(1,000km/月走行)についても、同じデータの中に記載がある。同じタイヤサイズのもので、6年間のうちシンクロウェザー(50%摩耗までの5万km)とスタッドレスタイヤ(50%摩耗までの2万km)を2度ずつ、スタンダードタイヤ(80%摩耗まで7万km)を1度購入した想定での比較だ。
まず、夏タイヤと冬タイヤの組み合わせだと、夏タイヤ(8,500円)4本で3万4,000円、冬タイヤ(1万2,700円)8本で10万1,600円、ホイール(1万1,000円)4本で4万4,000円、組替工賃(1,000円)12回で1万2,000円、脱着工賃(700円)48本分で3万3,600円、保管料(350円/月)272本分で9万5,200円、廃タイヤ(450円)8本で3,600円、バルブ(420円)12セットで5,040円で、合計32万9,040円となる。
一方のシンクロウェザーだと、購入費(2万4,300円)8本で19万4,040円、ホイール購入費0円、組換工賃(1,000円)8回で8,000円、脱着工賃(700円)24本分で1万6,800円、保管料0円、廃タイヤ(450円)8本で3,600円、バルブ(420円)8セットで3,360円、合計で22万6,160円。つまり、シンクロウェザーを6年間使い続けると、その差額10万2,880円がお得になるという試算だ。
シンクロウェザー1本の価格(2万4,300円)は、夏タイヤと冬タイヤをそれぞれ購入する合計額(2万1,200円)より高いけれども、組み替えや保管にかかる費用が少なくなることから、こうした結果になっている。
さて、メリットばかり紹介してもアレなので、唯一のネガポイントを披露しておこう。それは、ルックスがスタッドレスっぽいので、真夏に履いていても「まだ冬タイヤを履いてるの?」と思われてしまうこと(実際、人から聞かれたことがある)。まあ、それがシンクロウェザーの性能を話すきっかけにはなるのだが……。
ところで、W124は快調?
W124の方は、2025年の夏に1度だけトラブった。8月のある日、エンジンを始動すると冷却水の警告灯が点灯。ボンネットを上げるとリザーブタンクが空っぽになっている。近所のオートバックスでクーラントを購入して入れてみると、すぐに車体の下にポタポタと漏れてくるし、エンジンルーム内にも漏れ出たものが溜まっている。仕方なくレッカーでくだんの「アイディング」に搬送してみると、原因はヒーターバルブの劣化に伴うクーラント漏れとのこと。パーツはすぐに見つかったので、数日の入院で帰ってきた。
7,000km走ったので、エンジンオイルとフィルター(純正)を近所の「タイヤ館国立」で交換。今回のオイルはNUTECの「インターセプターZZ-03(10W-40)」を8L分。注入後は6気筒がスムーズに回転している感じが伝わってきてなかなかいい。
W124は、地元国分寺で開催された「ぶんじハロウィン2025」での「ACJ」(オートモビルクラブジャパン)車両展示イベント(約40台が集合)に参加するなど、快調に働いている。

























