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( Life )

がん、糖尿病、認知症の原因にも――全疾患の9割に関係する"化学物質"とは

AUG. 09, 2025 16:30
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体の「サビ」=活性酸素は、がん、動脈硬化、白内障、糖尿病、うつ、認知症など、実に9割の病気と関連しているといわれています。特に60代は、抗酸化力の低下や自律神経の不調、生活環境の変化などによってサビの害が一気に広がってしまう時期。ここで対策を打てるかどうかで、一気に老け込んでしまうのか、いつまでも若々しく過ごすことができるのか決まるといっても過言ではありません。

この記事では、新刊『60代からは体の「サビ」を落としなさい』から一部を抜粋してご紹介。名医・小林弘幸氏が、腸の専門家だからこそたどり着いた「サビない腸活」について解説します。

すべての病気は活性酸素が原因だった

活性酸素を野放しにしていると、具体的にどのような不調や病気が引き起こされるかを見ていきましょう。みなさんが日頃悩まされている不調や心配している病気にも大いに活性酸素の害が影響していることが分かれば、きっと、その怖さがリアルに感じられるのではないでしょうか。

なお、活性酸素は「人間が見舞われる全疾患の90%に関係する」と言われているのですが、到底全部は紹介しきれませんので、ここでは主だった10の疾患に絞って紹介していきたいと思います。

(1)がんの発症

活性酸素が細胞の奥深くまで入り込んでDNAを攻撃すると、たいへん厄介な事態が引き起こされます。活性酸素はDNAから電子を奪って遺伝子を傷つけるのですが、そのダメージを受けた遺伝子が次々にコピーされ、細胞が異常のまま増殖して、がん細胞へと変化するケースが多いのです。

がんの発症は40代以降、とくに60代以降に多くなるのですが、それは活性酸素の細胞への害が増す時期と重なります。活性酸素による細胞損傷は、がんを引き起こす最大の原因と言ってもいいでしょう。

(2)動脈硬化から心筋梗塞や脳卒中へ

みなさんは動脈硬化が発生する原因を「悪玉コレステロール(LDL)がたまったせい」と考えているかもしれません。でも、本当は「活性酸素のせい」と捉えたほうがいいのです。

それというのも、動脈硬化で血管が詰まるのは、LDLコレステロールが活性酸素と結びついてできる「酸化LDL」が原因だから。LDLコレステロールが活性酸素に攻撃されて酸化LDLになると、動脈の内膜の傷に入り込みます。そこに免疫細胞が集まってきて血栓をつくり、この血栓が増えてカサブタ状に盛り上がってくると、動脈内の血流を阻害して動脈硬化を引き起こすのです。

つまり、もとはと言えば、活性酸素がコレステロールを酸化させたのが原因。みなさんご存じのように、動脈硬化は心筋梗塞、狭心症、脳卒中などの大病を起こす引き金となります。こうした病気で人生を台無しにしたくないなら、まずは活性酸素を抑える対策を取るべきでしょう。

(3)体内の炎症を悪化させる

近年、「慢性炎症」に対して世界中の医学研究者の注目が集まっています。なぜなら、何らかの原因で発生する体内の炎症への反応がさまざまな不調や病気を引き起こすもとになることが明らかになってきたからです。

なにしろ、「この頃、疲れやすい」「ずっと体がだるい」「なぜか胃の調子が悪い」「風邪にかかりやすい」といった日常的な不調感から、がん、動脈硬化、糖尿病、アルツハイマー型認知症などの重大疾患に至るまで、非常に幅広い不調や病気に慢性炎症が影響しているのではないかと取り沙汰されているのです。

そして、こうした慢性炎症を引き起こす要因としてクローズアップされているのが活性酸素。後で述べますが、活性酸素には体にプラスになる働きもあり、軽い炎症が起きた際は、白血球などの免疫細胞が活性酸素の攻撃力を利用して炎症を鎮めようとするメカニズムが働きます。ところが、体内で多くの炎症が発生していると、〝火消し役〟の活性酸素がどんどん増えてきてしまいます。すると、〝火消し役〟だったはずの活性酸素が〝火を大きくする側〟に回って、炎症を拡大するようになってしまうのです。

このように炎症が拡大すると、病気や老化はグッとスピードや勢いを増して進行してしまうようになります。コロナ禍のときに、「基礎疾患を持つ人が新型コロナウイルスに罹患すると免疫暴走(サイトカイン・ストーム)を起こして重症化しやすい」ということが話題になりましたが、これにも過剰な活性酸素発生による炎症の悪化が関係していると考えられています。

(4)糖尿病発症や悪化の要因に

糖尿病の発症や悪化にも活性酸素が大きな影響を与えています。細胞内のミトコンドリアが活性酸素に攻撃されると、エネルギーを生産する際のブドウ糖の利用効率に支障が生じるようになります。これが糖尿病の発症につながっているという研究があるのです。

また、糖尿病が悪化すると、糖尿病合併症(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害)のリスクが高まるわけですが、これらの怖い合併症も活性酸素による酸化ストレスが多いと進みやすくなることが分かっています。

(5)臓器の炎症や疾患の原因に

肝臓、腎臓、膵臓、大腸、胃、肺……活性酸素はたいへん多くの臓器にダメージを与え、炎症などのトラブルを引き起こします。

60代を過ぎ、高齢に近づくとさまざまな臓器に大小のトラブルを訴える人が増えてくるものですが、これも活性酸素の増加や過酸化脂質の増加によって細胞が破壊され、各臓器が通常の機能を果たせなくなってきたサインだと言えるでしょう。

なお、近年の研究では、とくに腸内において活性酸素が増えると体の健康維持に非常に大きなダメージがもたらされることが分かっています。

(6)アルツハイマー型認知症の原因に

アルツハイマー型認知症では、脳にアミロイドという特殊なたんぱく質が沈着し、「老人斑」を形成するとされています。活性酸素はそのアミロイドや老人斑の形成に関与していると目されています。

つまり、活性酸素は脳細胞をもサビつかせてしまうということ。じつは、脳は体の中でもいちばん活性酸素の酸化の影響を受けやすい臓器だとされています。脳細胞は基本的に一度壊れると再生ができません。しかも、脳の細胞組織に多い不飽和脂肪酸は酸化されやすく、活性酸素の攻撃に非常に弱いのです。

ですから、高齢に近づいて以降何十年もの間、活性酸素にさらされ続ければ、脳細胞が変性したり脳細胞の数が減ったりして脳機能が低下してくるのは、仕方のないこと。こうした脳の老化を防ぐには、少しでも活性酸素を抑えて酸化ストレスを減らしていくしかないでしょう。

(7)うつ病など、メンタル面との関連性も

近年は、精神疾患に対する活性酸素の関与も示唆されるようになってきています。

なかでも、うつ病は活性酸素が引き起こす脳の炎症が影響しているという研究があります。また、脳と腸は密接なつながりがあるため、腸内の酸化ストレスがうつ病に影響をもたらしているという報告もあります。

いずれにしても、活性酸素による脳や腸へのダメージがわたしたちのメンタル面の不調にも関係しているのは確実でしょう。高齢になると気持ちが沈んだり意欲がなくなったりする人が多くなるものですが、そうした「心の老化」も活性酸素の増加によるものなのかもしれません。

(8)肌を老化させる

よく知られているように、活性酸素は肌を老化させる最大の原因です。紫外線を浴びるとできる「一重項酸素」という活性酸素が、肌の細胞を酸化させて過酸化脂質を発生させるのです。これにより、「肌にくすみやシミができる」「コラーゲンを変性させて肌のハリを失わせる」「ヒアルロン酸を変性させてシワの原因をつくる」といった数々のトラブルに見舞われることになります。

また、肌のトラブルで言うと、アトピー性皮膚炎も活性酸素による炎症が影響しているとされています。

(9)白内障の原因になる

高齢者に多い白内障も、活性酸素が発症の原因になるとされています。紫外線による活性酸素が「水晶体をつくるクリスタンというたんぱく質」を酸化させてしまうのです。活性酸素は、肌を老化させるだけではなく、目も老化させると覚えておいたほうがいいでしょう。

(10)歯周病を悪化させる

歯周病トラブルにも活性酸素が大きく関わっています。最初は白血球が活性酸素を利用して歯周病菌を退治しようとするのですが、そのうち活性酸素がたくさん増えてくると、それらの活性酸素が歯茎の組織を破壊するようになり、結果、歯周病を進行させてしまうのです。


このように、活性酸素はわたしたちが思い悩むほとんどすべての病気や不調に関与しているのです。がんも、動脈硬化も、糖尿病も、認知症も、肌や目の老化も、「すべてもとを質せば活性酸素のせい」のようなもの。決して脅かすわけではありませんが、活性酸素によるサビを何もしないまま放っていたら、わたしたちの体は頭からつま先まで病気や不調に陥り、全身内側からサビついて朽ち衰えていってしまうようにできているのかもしれません。

『60代からは体の「サビ」を落としなさい』(小林弘幸/飛鳥新社)

体の「サビ」=活性酸素は、がん、動脈硬化、白内障、糖尿病、うつ、認知症など、実に9割の病気と関連しているといわれています。特に60代は、抗酸化力の低下や自律神経の不調、生活環境の変化などによってサビの害が一気に広がってしまう時期。ここで対策を打てるかどうかで、一気に老け込んでしまうのか、いつまでも若々しく過ごすことができるのか決まるといっても過言ではありません。本書では、名医・小林弘幸が、腸の専門家だからこそたどり着いた「サビない腸活」を紹介。今日から実践できる、60代からの人生を輝かせていくための秘訣が満載の一冊です。【内容一例/腸から老化を防ぐ!「サビない腸活」/水素水よりも「牛乳」が効果的!?/60代からの食事は食物繊維+お酢を摂れ!/1日5分でできるストレスケア/体も心も整える「ゆる運動」】


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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