老後の年金制度への信頼が落ちている現在、「生涯働く」ことが注目されています。しかし、働き続けるために最も大事な「健康」については、誰しもが漠然とした不安を持っているのではないでしょうか?
「避けられるはずの身体の病気」「対応できたはずの心の病気」について、医学的根拠、エピソードも交えて紹介し、それぞれの解決策を解説する『一生健康に働くための心とカラダの守り方』(吉田英司/かんき出版)。この記事では本書から一部を抜粋して紹介します。今回のテーマは「ふくらはぎが痩せると寝たきりのリスクが上がる」。
ふくらはぎが痩せると寝たきりのリスクが上がる
スマートフォンの歩数計を見て「ああ、今日は70歩しか歩いていないんだ」と気づくことは、在宅でのリモートワークが定着してきた昨今にありがちでしょう。
ほんの数日であればいいのですが、1日に1000歩も歩かない日が続いている人は、将来の寝たきりのリスクについて真剣に考えないといけません。
サルコペニア、と呼ばれる病態があります。
直訳すると「筋肉喪失」を意味する言葉で、加齢と運動不足により筋肉量が減少し筋力が低下することです。
それにより歩行速度の低下や転倒のリスクが高まり、寝たきりにつながるのです。
サルコペニアになるかどうかは、日々の運動量や食事などに影響されます。
しかし、いきなり大幅に筋肉量が落ちることはないので、普段から意識を向けることはほとんどないかもしれません。
今からサルコペニアになるリスクが簡単にわかる簡単な方法をお伝えするので、ぜひ覚えてください。
そして、時々試してみてください。
「指輪っかテスト」の測定方法
(1)両手の親指と人差し指を使って輪っか(サークル)を作リます
(2)その輪っかを使って、自分のふくらはぎの最も太い部分を囲みます
両手で作った輪っかでふくらはぎを囲んで隙間ができる場合は、「サルコペニアのリスクあり」と判断します。
自宅でもオフィスでもこの測定方法を思い出した時に測ってみてください。
もちろん毎日運動をして、食事も気をつけることが理想なのは間違いありません。
しかし、いつの間にかその習慣がなくなってしまった時も、ふくらはぎを見て「あ、筋肉が落ちたかもな」と気づき、また「改めて生活習慣を見直す」ことを繰り返してください。
この習慣が、運動に慣れていない人がまず意識できることです。
古代の人類では、生活そのものが筋トレだったこともあり、サルコペニアに悩むこともなかったでしょう。
自分の筋肉を使わずに移動することが、以前は生物にとって不自然だったのです。
少しの距離では、車やエレベーターやエスカレーターを使わず、「歩く」ことに意識を向けてください。
『一生健康に働くための心とカラダの守り方』(吉田英司/かんき出版)
15年で、ビジネスパーソン1万人の健康相談にのってきた、元戦略コンサルタントの医師がおくる一生健康に働くための「心とカラダの守り方」!老後の年金制度への信頼が落ちている現在、「生涯働く」ことが注目されています。働き続けることで、収入を得て、人とコミュニケーションする機会も得られます。そのため、年齢を重ねても働くことができれば、充実した人生を送ることができると考えられています。もちろんその通りです。しかし、働き続けるために最も大事な「健康」については、誰しもが漠然とした不安を持っているのではないでしょうか。あなたの周囲にも、身体や心の病気で思うように働けていない人がいるはずです。それでは、どうすれば大きく体調を崩さずに働くことができるのでしょうか。あなたは、自信を持って答えられますか? この本では、「避けられるはずの身体の病気」「対応できたはずの心の病気」について、医学的根拠、エピソードも交えて紹介し、それぞれの解決策をお伝えします。