パナソニックは2月2日、2010年度第3四半期(2010年4月~12月)の連結決算概要を発表した。これによると、売上高は前年同期比127%の6兆6,534億円、営業利益は同204%の2,643億円、純利益は前年同期の146万円の損失から1,147億円の黒字へとなった。

2010年度第3四半期(累計)の業績概要

セグメント別でも、「デジタルAVCネットワーク」「アプライアンス」「電工・パナホーム」「デバイス」「三洋電機」「その他」の全セグメントにおいて増収増益を達成している。

デジタルAVCネットワークはスマートフォンの台頭で携帯電話の需要が減少したものの、ブルーレイディスクレコーダーや薄型テレビの販売増が増収に貢献した。アプライアンスはエコポイントの影響でエアコンや冷蔵庫の売上が伸び、前年同期比108%の増収となった。その他はFA事業がアジアを中心としたスマートフォンやタブレットPC向けの電子部品実装機などの販売が好調で、前年同期比121%の大幅増収となった。

セグメント別業績概要

パナソニック 常務取締役 上野山実氏

地域別では、海外の売上比率が前年の47%から49%と2%シェアを増やした。欧州を除く米州、中国、アジアの売上高は対前年比100%以上となっている。ただし、欧州も現地通貨換算の売上高では100%を超えている。加えて、新興国での販売も好調で、売上高は前年比121%となっている。

常務取締役の上野山実氏は、新興国でのビジネスが好調な要因について「現地のニーズに即した商品開発、ボリュームゾーンへの対応が実を結んだ結果」と説明した。同氏によると、新興国の売上比率は中国が圧倒的に多く、次がロシアだという。

第2四半期に赤字だったテレビ事業は第3四半期も赤字となった。同氏はその理由について、「価格低下が激しく、パネルの単価も落ちてきている。円高の影響も受けている」と述べた。今回、テレビ事業が含まれるデジタルAVCネットワークの年間見通しは500億円の下方修正が加えられた。

第4四半期は、「原価が改善された新モデルの投入」「アジアの部材を投入したことによる原価の改善」「生産台数が販売台数を上回る」ことにより、改善が見込まれるという。

電池事業について、同氏は「リチウム電池は非常に厳しい。2.2Ahリチウムイオン電池は価格が下落しているうえ、PCの需要が減っていることから、収益と販売ともに落ちている。そのため、中国の部材を採用し、アジアや中国で製造を行うことで対処している。2.6Ahと2.9Ahはニッケル電池が強いので市場に展開していきたい」と説明した。