カシオ計算機は6日、最新の近距離無線技術である「Bluetooth Low Energy Wireless Technology」(以下、Bluetooth Low Energy)に対応した腕時計を開発したと発表した。試作機を本日より米国ラスベガスコンベンションセンターで開催される「International Consumer Electronics Show」のカシオブースにて展示する。さらにブースでは、NECカシオモバイルコミュニケーションズの協力のもと、Bluetooth Low Energyに対応したスマートフォンの試作機を使って、Bluetooth Low Energy対応ウオッチのデモンストレーションを行うという。

Bluetooth Low Energy対応ウオッチ。通信機能を1日に12時間使用した場合の電池寿命はおよそ2年(試作機による想定値)となる

今回の試作機は、省電力で通信できるBluetooth Low Energyの特長を活かし、電源に小型機器や時計に使用されるコイン型電池1個を採用したほか、通信機能を備えながら従来の腕時計と同等の電池寿命としたのが特徴。今後、市場に登場するBluetooth Low Energy対応のスマートフォンと相互に通信ができるだけではなく、様々な対応機器とのネットワーク接続が期待でき、スマートフォンを介して腕時計同士でコミュニケーションを図るなど、「スマートフォン側のアプリケーションを新たに開発することで、今までにない全く新しい腕時計の使い方が拡がる」(同社)としている。

主な機能としては、スマートフォンの正確な時刻情報を腕時計に送信して時刻を補正、スマートフォンの着信やメール受信を腕時計でお知らせ、腕時計を軽く叩いてスマートフォンの着信音やバイブレーションを停止、腕時計のボタン操作でスマートフォンのアラームやバイブレーションを作動などに対応。また大きさも、腕時計として実用的なサイズ(縦53.4×横44.4×厚さ12.8mm)を実現している。

同社では、Bluetooth Low Energy対応ウオッチの2011年中の製品化を目指しており、併せて、スマートフォンや家電製品と連携したアプリケーションを開発するパートナー企業を募り、「スポーツや健康、ホームエンターテイメント、セキュリティー、家族や友達とのコミュニケーションなどに活用できる、腕時計ならではの新しいライフスタイルをグローバルに提案してまいります」としている。

なお、Bluetooth Low Energyは、Bluetoothの新しい規格であるBluetooth Core Specification Version 4.0に採用された、省電力で無線通信を可能にする最新技術。Bluetoothの規格策定や認証は、Bluetooth SIG(Bluetooth Special Interest Group)によって行なわれ、カシオもメンバーとしてBluetooth Low Energyの規格策定に参加している。