ブランド総合研究所は9月8日、全国1,047の自治体を対象に行った「地域ブランド調査2010」の調査結果を発表した。同調査は、認知度・魅力度・イメージなど全63項目から構成され、国内1,000の市区町村および47都道府県を対象に実施したもの。

その結果、全国で最も魅力的な市区町村は札幌市となり、前年度の調査で初の全国1位となった函館市は2位に順位を下げ、京都市は3位だった。同研究所では、今回の調査はランキング上位の自治体の多くが評価点数(魅力度)を低下させている点が特徴としている。ランキング上位10位までにランクインした市区町村のうち、魅力度の点数が前年度より上昇したのは1位の札幌市と10位の長崎市だけで、他の8市はいずれも前年度より点数が低下した。

市区町村ランキング

2010年順位 2009年順位 市区町村名 2010年魅力度
1 (2) 札幌市 57.0
2 (1) 函館市 55.5
3 (3) 京都市 52.2
4 (4) 横浜市 49.6
5 (6) 小樽市 47.3
6 (5) 神戸市 46.4
7 (7) 鎌倉市 44.5
8 (8) 富良野市 44.0
9 (9) 金沢市 38.6
10 (13) 長崎市 38.3

市区町村でトップだった札幌市は調査を開始した2006年度調査から2008年度まで3年連続1位で、昨年2位に順位を下げ、2年ぶりに1位となった。魅力度は57.0点で、81.4%の回答者が「魅力的」と回答した。札幌市のそのほかの指標は、観光意欲度で調査開始時から5年連続で1位、産品購入意欲度でも3年連続1位となっているほか、地域資源評価の項目「食事がおいしい」「買いたい土産や地域産品がある」では前年2位から今年1位となっている。また、情報接触度も前年5位から1位に上昇している。

また、前年13位の長崎市が今年初めてベスト10に入った。前年度と比較して、九州・沖縄居住の回答者からの評価が上がっていることが魅力度順位上昇の要因として挙げられている。今年の大河ドラマ『龍馬伝』の舞台の1つである長崎市の情報接触度は前年34位から20位に上がっており、情報経路別で見ると「ドラマや映画」の割合が倍増(6.9%→14.2%)しているほか、「旅やグルメに関する番組」など旅行関連の情報経路の接触率が上昇している。

そのほか、東京スカイツリーが建設されている墨田区は魅力度が202位から158位に、観光意欲度が260位から206位に上がったほか、情報接触度が73位から28位に、認知度も84位から61位へと上昇している。

一方都道府県の結果は、2年連続で北海道が1位となり、2位は京都府、3位は沖縄県となった。北海道の魅力度は68.0点で札幌市よりも10点以上高いことから、北海道は複数の市区町村の魅力が道の魅力として評価されていると、同研究所では分析している。

口蹄疫問題に揺れた宮崎県は今年度調査で18位(18.5点)となり、前年度13位から順位を下げた。 情報接触度は上昇したが、「旅やグルメに関する番組」(23.1%→19.6%)、「物産展や催事など」(12.8%→7.7%)と観光、産品に関連する項目が低下した。しかし、産品購入意欲度は順位こそ前年の5位から7位に下げたが、点数は41.9点から44.2点と上昇しており、高い点数となっている。

都道府県ランキング

2010年順位 2009年順位 市区町村名 2010年魅力度
1 (1) 北海道 68.0
2 (2) 京都府 52.1
3 (3) 沖縄県 46.1
4 (4) 東京都 45.0
5 (5) 奈良県 34.9
6 (6) 神奈川県 34.8
7 (7) 大阪府 27.6
8 (8) 兵庫県 24.4
9 (10) 長崎県 23.5
10 (11) 長野県 23.4