デルは7月15日、東京電力の子会社であるテプコシステムズのExcel帳票連携ツール「exDirector」をデルがOEM供給するラックサーバ「Dell PowerEdge R410」に搭載し、8月24日よりテプコシステムズが販売開始することを発表した。

デルにとって今回の協業は、他企業との共同ブランド製品を提供するという点で国内初のケースとなる。テプコシステムズは、デルのDell PowerEdge R410に自社のePowerシリーズのうちexDirectorをプリインストールし、共同ブランドで販売する。

テプコシステムズのExcel帳票連携ツール「exDirector」を搭載して販売されるデルのラックサーバ「Dell PowerEdge R410」。写真では見えづらいが、テプコシステムズのソフトウェアブランド「ePower」のロゴとデルのロゴの双方が入っている

Dell Dell OEM Solutions President リック・フレーリック氏

発表会では、Dell Dell OEM Solutions Presidentのリック・フレーリック氏がグローバルおよび国内におけるOEMソリューションズの戦略について説明した。

デルのOEMソリューションズは、「アプライアンス開発支援」と「組込型開発支援」の2つの分野がある。前者はデルの製造/サプライチェーン/サービス体制を提供し、装置に顧客のロゴを入れることもできる。この分野の例として、Googleへの検索アプライアンスへのハードウェア提供が紹介された。後者は医療機器などの組込機器に対し、長期にわたる安定性・管理性・過酷な物理環境用に設計された特定用途向けの機能を提供する。

OEMソリューションズの売上は10億ドル規模で、年間カスタムプロジェクト数は250、ワールドワイドでの専任エンジニア数は35人となっている。「アプライアンスと組込型システムのOEM市場の規模は700億ドルと見られるが、そのうち、デルは300億ドルをカバーできる」と同氏。

同氏はOEMにおける同社の強みについて、「われわれは巨大な購買力を背景とした業界標準プラットフォーム、グローバルなサプライチェーンマネジメント、世界各地域で統一されたカスタマイズサービスによって、開発期間の短縮とコストの削減を図ることができる。加えて、これらにより、世界のどこの地域でも同じ製品を作ること、サポートを受けることが可能だ」と説明した。

そのほか、組込システムの製品ライフサイクルが長期にわたることを踏まえ、同社では3年間の開発期間を保証しているほか、サポート面としてはグローバルで500ヵ所のパーツ倉庫を抱えている。

国内のOEMソリューションズの戦略では、体制を強化するため新たにOEMリーダーを採用し、5つの産業分野にフォーカスする。注力する分野は「メディカル」「FA」「リテイル/POS」「通信」「ソフトウェア・アプライアンス」の5分野。

具体的に提供する内容としては、「デザイン」「OEMエンジニアリング」「カスタムフィルフィルメントサービス」「グローバルサービス」「マニュファクチュアリング/カスタムファクトリーインテグレーション」が紹介された。

国内市場に対してデルのOEMソリューションズが提供する内容