300~500ドルの価格帯の「ネットブック」が市場を席巻した2009年のPC業界だが、次の波は100ドルPCかもしれない。米Cherrypalが今回発表した「Cherrypal Africa」は、7インチのディスプレイに400MHzのARMプロセッサを搭載し、LinuxまたはWindows CEが動作するモバイルノートだ。

「Cherrypal Africa」

Wi-FiやSDカードスロットなどを一通り備え、価格は99米ドルとなっている。詳細なスペックは下記の通り。

プロセッサ ARM 400MHz
メモリ DDR 256MB
ストレージ NANDフラッシュ 2GB
ディスプレイ 7インチTFT(800×480/タッチパネル対応)
ネットワーク IEEE802.11b/g対応無線LAN、10/100BASE-TX対応有線LAN、
インタフェース USB 2.0×1/USB 1.1×2/SDカードスロット/モノラルスピーカ/マイク
バッテリ持続時間 4時間
サイズ 213.5×141.8×30.8mm
重量 1.2kg
対応OS LinuxまたはWindows CE

Cherrypalによれば、Cherrypal Africaは発展途上国などでの利用を念頭に置いており、いわゆる"デジタルデバイド"を解決するための手段になると説明する。同様の理念をもって初代"100ドルPC"をうたったプロジェクトとしては「OLPC(One Laptop Per Child)」や、同プロジェクトから離脱した米Intelが立ち上げた「Classmate PC」が有名だが、これらはコスト的に100ドルを切ることが難しかったうえ、あくまで途上国向けの施策で一般販売は行われない点で特徴があった。だがAfricaでは従来までの100ドルPCとは異なり、誰もが購入できる。「ガーナでもテキサスでも場所を選ばない」というのが同社のキャッチフレーズだ。

今回は99ドルノートPCだが、先日はAndroid+ARMプロセッサで80ドルを実現したMenqの「EasyPC」が話題となった(Menq、重量800gの7型Androidノート「EasyPC E790」 - 価格80米ドル)。このARMにフリーのOSを組み合わせて安価に販売するパターンは次のトレンドとなりつつあり、来年初頭にもAcerなど台湾ベンダーを中心にいっせいに製品が発表されることになるとみられる。これらベンダーではプロセッサにNVIDIAのTegraやQualcommのSnapdragonを搭載しており、動画再生や3D処理など比較的重い処理にも対応できる点で特徴がある。来年の年明けは、これらベンダーの動向にぜひ注目してほしい。