スウェーデンEricssonは7月25日(現地時間)、破産保護申請中のカナダNortel Networksの北米モバイル事業を11億3,000万ドルで買収することを発表した。先に買収取引が固まりかけていたフィンランドNokia Siemens Networksはこれに対し、買収提示金額を引き上げないことを発表、Nortelの北米モバイル事業は、土壇場のどんでん返しにより最大手Ericssonの手中に落ちることになりそうだ。

Nortelの北米モバイル事業は、CDMAとLTEを含むもので、2008年には売上高約20億ドル規模という収益性のある資産だ。この資産に対し、6月20日にNokia Siemensが6億5,000万ドルで買収合意に至ったことを発表したが、その後に設定された入札プロセスにより7月24日にオークションが行われた。EricssonはここでNokia Siemensの買収提示額を2倍近く上回る金額を提示、Nokia Siemensは当初の買収価格を引き上げないとしたため、Ericssonが落札した。

Ericssonはこれにより、Verizon、Sprint、Bell CanadaといったNortelのCDMA顧客を含む技術、LTE技術を手に入れることになる。中でも、北米地区でLTE機運が高まっていることなどからLTE資産は大きなメリットをもたらすと見ている。Ericssonによると、同社の2008年度の北米地区の売上高は179億スウェーデンクローネ(約27億ドル)という。

Nokia Siemensも25日に声明文を発表、当時提示した金額は適正であり、今後も北米地区にコミットすると述べた。

買収は、規制当局の承認などを受ける必要がある。