重曹でトイレの汚れが落ちる理由
重曹が掃除に適していると言われる理由は「汚れを浮かす作用」や「消臭効果」があるからです。
重曹の成分名は「炭酸水素ナトリウム」といい、弱アルカリ性の性質を持っているのですが、弱アルカリ性の成分は酸性を中和する効果があるため、トイレに発生する黒かびやぬめりのような酸性の汚れを浮かせて落としやすくします。
また、重曹の粒子は非常に細かいので、研磨効果が高いことも特徴です。
しかもクレンザーのように物質の表面を傷つけることなく磨けるので、便座や便器のように傷つけたくない部分を掃除するときに適しています。
しかし一方で水垢や尿に含まれる成分が便器内で石化した尿石、黄ばみ汚れなどのアルカリ性の汚れに対しては中和することができず、汚れを落とす効果は薄いと言われています。
ただ、汚れを磨き落とす効果も期待できて消臭効果もある重曹は、日々のトイレ掃除で活用していきたいアイテムです。
重曹スプレーの作り方と使い方
汚れを浮かす効果や研磨効果、消臭効果まで期待できる便利な重曹。トイレの掃除アイテムとして使うときには、どのように使えばいいのでしょうか。
おすすめしたいのは、重曹を水に溶かして使う「重曹スプレー」です。ここでは重曹スプレーの作り方と使い方を紹介していきます。
重曹スプレーの作り方
さっそく重曹スプレーの作り方を見てみましょう。
【用意するもの】
- 重曹
- 水
- スプレーボトル
【作り方】
- 1. スプレーボトルに30℃〜40℃のぬるま湯を100cc入れる
- 2. ぬるま湯に重曹小さじ1（約5g）を溶かす
重曹は水に溶けにくいので、ぬるま湯を使ってしっかり溶かしましょう。「濃度が高いほうが汚れを落とせそう」と思うかもしれませんが、重曹を入れすぎると掃除後に白い粉跡ができてしまいます。重曹スプレーを作るときには、必ず分量通りに作りましょう。
重曹スプレーを常備しておけば、トイレだけではなくキッチンや洗面所、カーテンの消臭など、室内の掃除全般に使えます。日常的に重曹スプレーを使用するのであれば、分量を倍にして多めに作っておくのもおすすめです。
ただし、重曹は市販の洗剤とは異なり、時間が経つと劣化してしまいます。部分的にしか使わないときには少量で作り、できるだけ早く使い切りましょう。
最後にアロマオイルを数滴加えると「消臭＋アロマ効果」でトイレがいい香りになります。
好きな香りを使いたい方や芳香剤の香りが苦手な方は、重曹スプレーにアロマオイルを混ぜてみてください。
重曹スプレーの使い方
重曹スプレーを使ったトイレ掃除の方法は3つあります。
- 便器の黒ずみ除去
- 便座の皮脂、垢汚れの除去
- トイレの壁や床の消臭
それぞれ見ていきましょう。
便器の黒ずみ除去
トイレ掃除で重曹が効果を発揮するのは、主に便器内やふち部分にできた黒ずみ汚れです。
重曹スプレーを便器内にまんべんなくスプレーし、5分〜10分ほど放置してからブラシで擦ってみましょう。
便座の皮脂、汗汚れの除去
便座は素肌が触れる部分なので、皮脂や汗汚れも付着しています。皮脂や汗は酸性汚れなので重曹スプレーを使った掃除がうってつけ。
重曹スプレーで湿らせたペーパーを使い、便座を全体的に拭くだけでお手入れ完了です。
トイレの壁や床の消臭
トイレの臭いが気になるときには、重曹スプレーを使って壁や床などのトイレ全体を拭き掃除してみてください。
臭いの予防もしたいときには、最後にクエン酸水スプレーを使って拭き掃除をすれば、消臭＋除菌効果も期待できます。
重曹を粉末のまま使う掃除方法
重曹は水に溶かして使う方法がよく紹介されていますが、粉末のまま漬けておいておく掃除方法もおすすめです。粒子状態のまま使用するので、クレンザーのように研磨効果が期待できます。
ここでは重曹を粉末のまま使う掃除方法を2つ紹介していきます。
サボったリングの掃除
トイレ掃除を少しサボるとできてしまう、通称「サボったリング」。サボったリングの正体はカビやホコリですが、そこに水垢が加わることで頑固な汚れへと進化します。
水垢には酸性のクエン酸が効果的ですが、クエン酸で落とせない頑固なサボったリングには重曹を試してみましょう。
手順を説明していきます。
- 1. 重曹を粉末のまま1カップ分用意する
- 2. 重曹を便器の水に入れて一晩つけ置く
- 3. ブラシやスポンジでサボったリングを擦る
- 4. 水を流す
上記のたったの4ステップでサボったリングを簡単に除去できます。重曹には消臭・脱臭効果もあるので、汚れと同時に臭いも解消できるのもうれしいポイントです。
ただし、重曹をつけ置きしている間はトイレを使用することはできません。就寝前や出かける前など、長時間トイレを使わないときに実践しましょう。
トイレタンクの掃除
トイレタンクは普段目に入らない場所なので、掃除をしたことがない場合にはタンク内がカビまみれになっているおそれがあります。
トイレタンクのふたを開けてみてカビを見つけたら、重曹を使って掃除をしてみましょう。サボったリングの掃除方法と同様に、用意するものは「重曹だけ」です。
手順を説明していきます。
- 1. 手洗いの穴からタンクの中に粉末の重曹を1カップ程度入れる
- 2. 6時間程度放置する
- 3. 水を流す
トイレタンクに手洗いがない場合は、ふたを外してタンクに直接重曹を入れましょう。重曹を使った掃除方法はタンクを分解することなく実践できるので、時間がない方や掃除が苦手な方におすすめです。
タンク内のカビ予防にもなるので、月1回を目安につけ置きすると良いでしょう。
ただし、あまりにもタンク内が汚れている場合や、重曹を使ってもカビを除去できない場合はタンクを分解して洗剤を使い、しっかり掃除をしてください。
トイレのつまりには重曹＋クエン酸を使う
トイレットペーパーや排せつ物が流しきれなかったことによる軽度のつまりであれば、重曹＋クエン酸を使ってつまりを解消できる可能性があります。
さっそく手順を見てみましょう。
【用意するもの】
- 重曹：1/4カップ
- クエン酸：1/2カップ
- 40℃〜50℃のお湯：排水口が完全にひたる程度
【手順】
- 1. 重曹を便器の水に入れる
- 2. クエン酸を便器の水に入れる
- 3. 40℃〜50℃のお湯を入れて1時間ほど放置する
- 4. 水を流してみてつまりが解消できているか確認する
重曹を入れてクエン酸も加えた過程でシュワシュワと泡が発生しますが、化学反応によって発生した炭酸ガスで体には無害なので安心してください。
このとき発生した泡の力で汚れを浮かせてつまりを解消します。
自宅にラバーカップ（スッポン）がある場合は、水を流す前の仕上げに使用すればよりつまりを解消しやすくなるでしょう。
重曹とクエン酸を使ったつまりの解消法については、以下の記事に詳しくまとめています。
こちらも併せてご覧になってください。
重曹で汚れを落とせないときの対処法
重曹を使ってもトイレの汚れを落とせないこともあるでしょう。そんなときにおすすめの対処法が以下の2つです。
- クエン酸を使う
- 洗剤を使う
それぞれ説明していきます。
クエン酸を使う
重曹で落とせない汚れの多くはアルカリ性の汚れであり、トイレは尿で汚れていることが多く、尿はアルカリ性なので酸性の性質をもつクエン酸が効果的です。重曹で落とせない汚れには、クエン酸を試してみましょう。
重曹と同様に、水で溶かしてスプレーとして使用するのがおすすめです。作り方と使い方を見ていきましょう。
【クエン酸スプレーの作り方・使い方】
- 1. 水200mlをスプレーボトルに入れる
- 2. クエン酸を小さじ1を溶かす
- 3. トイレの汚れに吹きかける
クエン酸は水に溶けやすいので、汚れの具合によって濃度を調整しましょう。頑固な汚れには溶かすクエン酸の量を増やし、濃いクエン酸水を使って掃除をしてみてください。
便座裏や便器のふち、壁、床などは、トイレットペーパーや布にクエン酸水を含ませて拭き取りましょう。
洗剤を使う
重曹で落とせない頑固な汚れには、洗剤を使用しましょう。使用する洗剤はトイレの汚れに合わせて選ぶことが大切です。
尿汚れ
アルカリ性である尿汚れには酸性の洗剤を使いましょう。
「サンポール」や「酸性トイレクリーナー」などの酸性洗剤を尿汚れにかけ、2分〜3分放置してからブラシやスポンジで擦るだけで尿汚れを除去できます。
黒ずみ
トイレの黒ずみはカビが原因なので、塩素系漂白剤を試してみましょう。
「トイレハイター」や「超強力 トイレクリーナー」を黒ずみにかけ、2分〜3分放置してから水を流すだけで黒ずみを除去できます。
注意！塩素系漂白剤と酸性洗剤を混ぜると有毒ガスが発生します。一緒に使用したり混ぜ合わせたりしないよう、注意しましょう。
＜洗剤の商品例＞
ポチップ
重曹を使った消臭剤の作り方
重曹には消臭・脱臭効果があることを説明してきました。トイレの臭い予防として重曹を活用できる消臭剤の作り方を紹介します。
洗剤を使用しないので、芳香剤が苦手な方や好きなアロマオイルを使いたい方におすすめです。作り方を見てみましょう。
【用意するもの】
- 重曹を入れる容器
- 重曹
- アロマオイル
【作り方】
- 1. 容器の7、8分目まで重曹を入れる
- 2. アロマオイルを5滴〜7滴ほどたらす
- 3. スプーンで混ぜ合わせる
ビンをおしゃれなものにしたり造花を飾ったりすれば、インテリアとしてトイレを華やかにできるのもうれしいポイントです。
まとめ
重曹を使った掃除方法は、必要な道具が重曹しかないこともうれしいポイントです。
まずは重曹スプレーを作り、トイレ全体を掃除してみましょう。汚れを重曹で落とせないときには、クエン酸もプラスしてみてください。
体や環境にやさしい重曹やクエン酸を日常のトイレ掃除に取り入れ、きれいなトイレを保ちましょう。
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