10年前には高額な翻訳ソフトウェアを購入しなければ利用できなかった機械翻訳(コンピューターによる自動翻訳)も、近年は、翻訳サイトの普及で、気軽に誰でもコストを掛けずに利用できるようになってきました。
Microsoft 365でもWord、Excel、PowerPoint、Teamsなどに、AIによる高度な翻訳機能を装備していますが、意外と利用されておらず、わざわざ翻訳サイトなどを利用して文章を翻訳してから、Word文書に貼り付けたりして利用するケースが見受けられます。
今回から、Microsoft 365の便利な翻訳機能を紹介します。

■Wordによる文書の機械翻訳

Wordでは文書校正機能の1つとして自動翻訳機能を装備しています。まずは、文書全体を翻訳する手順を紹介します。
Wordで元の文書を開きます。ここでは、OneDrive for Business上に保存した日本語文書を、Webアプリ版Wordで開いて英語に翻訳する例で紹介します。

(1)「校閲」タブをクリック
(2)翻訳ボタン右側の「∨」ボタンをクリック
(3)「文書の翻訳」メニューをクリック

(4)翻訳元の言語を選択。通常は「自動検出」
(5)翻訳先の言語を選択
(6)常に(5)で選択した言語を翻訳先に使う時、規定の翻訳先言語として登録
(7)翻訳元や翻訳先のリストに表示されない言語を追加インストールする
(8)文書の翻訳を実行

(9)翻訳した文書を表示

ただし、この段階では翻訳済みの文書を表示しているだけです。翻訳状況を確認することはできますが、さらに翻訳済みの文書を活用するためには、アクセシビリティモードを活用するか、編集モードに移行して新しいWord文書として保存します。

■アクセシビリティモードで印刷またはPDF保存

アクセシビリティモードは文書の使いやすさを評価するための機能ですが、ここでは、翻訳済み文書にマーカーをつけたり、PDFファイルとして保存したりするために活用します。翻訳済み文書をWord文書として再編集するまでの必要はありませんが、印刷またはPDFファイルで保存しておきたいという場合に便利です。

(1)「アクセシビリティモード」をクリック
(2)ツールバー
(3)印刷
(4)保存

ツールバーの各種ボタンでは、表示している文書の拡大、縮小、回転、選択部分の音声読み上げ、マーカーによる色塗りや、フリーハンドによる記入をできます。
印刷や保存ボタンをクリックすると、アクセシビリティモードの文書をこのまま印刷またはPDFファイルとして保存できます。

(5)PDFファイルとして保存したファイルをAdobe Acrobat Readerで開いた例

ただし、使用しているWebブラウザの種類やバージョン、Microsoft 365テナントのバージョン(※)によっては、アクセシビリティモードのツールバーが表示されず、アクセシビリティモードに変更すると直接PDFファイルに変換してしまうことがあります。

※Microsoft 365のバージョンについて※
Microsoft 365はクラウドサービスですが、契約しているテナント(ドメイン)ごとにバージョン管理が行われます。全世界の全てのテナントを同時にバージョンアップすることは物理的に不可能なので、バージョンアップに時間差が発生し、A社のテナントとB社のテナントではMicrosoft 365のバージョンアップ時期が異なる、といったことが発生します。

■翻訳文書を新しいWord文書として保存する

翻訳済み文書を新しいWord文書として保存するには、「編集」モードに移行します。

(1)翻訳済みの表示から「編集」をクリック
(2)文書をコピーするメッセージに「OK」をクリック

(3)翻訳済みの文書を新しいWord文書に変換した
(4)元のファイル名に「-英語」と追加した新しい文書名になっている

新しいファイル名は自動的に命名されるので、ファイル名を修正したいときは(4)のファイル名をクリックして修正してください。
これで、翻訳済みの文書を通常のWord文書として編集できるようになりました。元の日本語文書は元のファイル名のまま残っています。
なお、Word文書に変換した瞬間に「日本語に翻訳しますか?」というウインドウを表示することがあります。

(5)「英語を翻訳しない」をクリックして再翻訳を中止

次回は、デスクトップアプリ版Wordの翻訳、部分的な翻訳、他のアプリでの翻訳も紹介します。

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