さまざまな手口で巧妙化する特殊詐欺。2023年には、詐欺の認知件数が過去10年で最悪の数字を記録しており、その被害額はなんと約453億円にも上ります。

  • 特殊詐欺の認知件数と被害額グラフ

そんな中、家電メーカーのシャープは、防犯機能付きの固定電話を開発。「詐欺被害の入り口の約7割が固定電話から」という状況を鑑み、固定電話を販売している企業として被害を何とか食い止めたいとの想いから開発に至りました。

※2023年警察庁 調べ

  • 防犯電話機

今回は、シャープの「防犯電話機」の企画開発に携わる担当者にインタビューを実施。詐欺被害の実態をはじめ、詐欺対策を徹底する機能まで、詳しく解説してもらいました。

多様化する特殊詐欺の手口。固定電話が危険なワケとは

お話を伺ったのは、スマート事業推進部に所属する伊藤さん、藤井さん、吉中さん。3名とも、長年にわたってシャープの固定電話の企画開発を支えてきたエキスパートです。

  • プロフィール

彼らが防犯電話機を初めて世に出したのは2015年のこと。息子や孫など親族を装い、お金を騙し取る「オレオレ詐欺」の被害が拡大していたのがきっかけでした。

オレオレ詐欺が2003年頃に登場して以来、被害件数と被害金額は年を追う毎に膨らんでいきました。

そもそも電話機は、親しい人と離れていてもコミュニケーションが取れる楽しい家電です。にもかかわらず、電話がかかってくることが恐く感じる「電話恐怖症」になってしまう人が増えている状況に歯がゆさを覚えていました。


  • 藤井さん

固定電話機を販売している企業として、詐欺被害を何とか食い止めたい――。防犯電話機は、強い使命感から誕生したのです。

2015年に発売された1号機は、企画段階で愛知県警にヒアリングを実施。詐欺被害の撲滅に向け、電話機で対策ができないかと愛知県警から相談を受けたことに端を発します。

警察としても、電話機での対策が不可欠とのことでした。「詐欺の入り口の約7割が固定電話から」という状況で、狙われているのは高齢者です。

というのも、固定電話のユーザーと詐欺被害者の年齢はほぼ同じで、60歳以上が約85%を占めています。


  • 詐欺被害のデータ

詐欺の入り口は、いまだ電話が圧倒的。中でも固定電話の比率が高く、所有する高齢者がターゲットにされているのは、データを見れば一目瞭然です。

オレオレ詐欺も登場人物が多数現れる「劇場型」に進化し、より巧妙になっています。加えて、架空料金請求詐欺や還付金詐欺、預貯金詐欺やキャッシュカード詐欺盗など、手口も多様化し、騙される人が後を絶ちません。防犯電話機によって、詐欺被害を少なくしたいというのが私たちの想いです。


重ねて、詐欺被害を撲滅することで、将来のある若い人が「受け子」や「出し子」として特殊詐欺に利用される状況を是正したいと、藤井さんは力を込めました。

あやしい電話には出ない。特殊詐欺防止に特化した防犯電話機の機能

特殊詐欺被害に遭わないための鉄則。それは「あやしい電話に出ないこと」と、伊藤さんは強く訴えます。

あやしい電話に出なければ、詐欺に遭う可能性はぐんと下がります。気が動転してしまって、気が付けば騙されていたというケースがほとんどですから。


  • 伊藤さん

シャープの防犯電話機は、独自の「あんしんフラッシュランプ」を搭載し、登録されている電話番号からの着信は緑で光る一方で、それ以外は赤で注意喚起。相手の番号が表示されるナンバー・ディスプレイサービスに加入していれば、着信時点において、あやしい電話かどうかを着信ランプの色で判別できます。

  • あんしんフラッシュランプ

そのうえで、登録されていない電話番号からの着信に対しては、着信音が鳴る前に相手に警告メッセージを流し、それでも電話を切らない相手には、さらに名前を確認するメッセージを流します。


  • 自動着信前警告

この「自動着信前警告」と「自動聞いてから応答」の二重対策は、警視庁 犯罪抑止対策本部と大阪府警察 特殊詐欺対策室からのアドバイスを受けて開発したもので、シャープ独自の機能です。「ランプが赤色の着信にはくれぐれも注意し、極力出ないでください」と、伊藤さんは繰り返しました。

最近は、自動音声の電話で詐欺に誘引する事件も急増しています。相手が自動音声の場合、警告だけでは効果がありません。

しかし、当社の防犯電話機には「自動聞いてから応答」も付いているので、名乗らない不審な電話には出ずに済みます


とはいえ、赤色の着信に出てしまうこともあるでしょう。そんなときに役立つのが「迷惑電話拒否機能(迷惑ストップボタン)」です。

  • 迷惑電話拒否機能(迷惑ストップボタン)

資産状況や家族構成を聞き出す「アポ電」被害も多発していますが、出てしまって「あやしい」と思った場合は、「迷惑電話拒否機能(迷惑ストップボタン)」を押していただくと、メッセージが流れて通話を強制終了します。

そのまま相手の電話番号は「お断り番号」に登録されますので、その後に同じ番号からかかってきても、ベル音を鳴らさずに自動的にお断りします。


また、自動通話録音機能もあるので、うっかり出て話してしまっても後から聞き直すことが可能。シャープの防犯電話機は、これらの機能がすべて初期設定されています。購入後に面倒な設定作業をせず、すぐに使えるので、高齢者にやさしい防犯電話機なのです。

さらに、てぶらスピーカーホン「てもたん」が付属した機種もあります。

  • てもたん

てもたんとは、スピーカーホン専用の新スタイル子機のこと。スピーカーで通話すれば、どうして防犯につながるのか、吉中さんが説明してくれました。

人は「パーソナルスペース」を持っていて、耳元の会話の距離感は、親密な家族レベルに相当します。受話器を通して相手の声を聴くと相手がすぐそばにいる感じがしますので、まるで親しい人と話しているように錯覚して、感情が揺さぶられて騙されるリスクが高くなってしまうのです。

「てもたん」を活用してスピーカーホンで離れて聴けば、冷静に対応しやすくなります。


  • 吉中さん

警視庁 犯罪抑止対策本部も受話器で話す危険性について言及しているため、スピーカーホンで離れて 話せる「てもたん」は詐欺被害防止に有効といえるでしょう。

シャープの防犯電話機
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特殊詐欺被害に遭えば、家族の関係も壊れる……。シャープの防犯電話機で、万全の詐欺対策を!

特殊詐欺被害が悪化の一途を辿る今、防犯電話機の普及に自治体も警察も本腰を入れて取り組むようになっています。

全国で約400の自治体が、防犯電話機の購入費用に対して補助金を支出しています。例えば、兵庫県は防犯電話機の購入補助に13億円予算を計上しました(2024年度)。これは、13万台に及ぶ予算規模です(上限1万円、電話機・通話録音機合計)。今後も全国の自治体で補助金事業が増えていくと思われます。


  • 伊藤さん
昨年2023年5月には、NTT東日本/西日本が特殊詐欺防止を強化する目的で、70歳以上の高齢者がいる世帯を対象に、着信元の電話番号が表示される「ナンバー・ディスプレイサービス」の無償化をスタートしました。防犯電話機とナンバー・ディスプレイサービスの組み合わせで、防犯性はますます増していくに違いありません。

警察も啓蒙活動に加えて、特殊詐欺被害を撲滅するには、電話機での対策も必要と考えているようです。活発化する警察イベントに当社も協力し、官民挙げて防犯電話の拡販に努めています。


  • 吉中さん
ちなみに、シャープの防犯電話機を利用している人からは「赤・緑ランプなら耳が遠くても着信がわかる」「警告メッセージで相手が電話を切るから安心」「迷惑ストップボタンもありがたい」といった声が届いているのだとか。普及への熱意は、高まるばかりです。

特殊詐欺被害に遭えば、お金を失うだけではありません。子どもから叱責されたり、被害に遭ったことを後ろめたく思ったりして、心を病んでしまう被害者の方も多くいて、家族の関係までも壊してしまいます。

防犯電話機が特殊詐欺防止に効果的なのは、警察も自治体も認めているところです。高齢になったご家族のために、ぜひ購入をご検討いただきたいですね。


  • 藤井さん
特殊詐欺防止を啓蒙しても被害が減らないのならば、入口となる電話機で対策するしかないのかもしれません。お盆の帰省時や敬老の日に、特殊詐欺から大切な家族を守るシャープの防犯電話機をプレゼントしませんか?
  • 3人の集合写真

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Photo:photographer_eringi

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