エプソンダイレクトでは、医療や小売、製造ラインなどの現場で専用機に置き換えられる汎用PCの販売を展開しており、最長7年の長期保守への対応を特長としています。これが可能な理由のひとつが、マイクロソフトの提供するWindows 10をベースにした組み込みOS「Windows 10 IoT Enterprise LTSC(以下、IoT OS)」です。エプソンダイレクトがIoT OSの長期保守に力を入れる理由や、「IoT OS×長期保守」による安定運用のための取り組みをどのように実現しているのか、事業推進部 販売推進グループ 課長 大久保賢氏と、CS品質管理部 法人サポートグループ 課長 新地正智氏の二人に話を聞きました。

  • 事業推進部 販売推進グループ 課長 大久保賢氏/CS品質管理部 法人サポートグループ 課長 新地正智氏

IoT OSはなぜ長期安定稼働が求められる現場に適しているのか

――最初に、「IoT OS×長期保守」を業界に先駆けて打ち出す背景について、ユーザーのメリットとエプソンダイレクトの目指すところを教えてください。

当社の目指すべき姿として、社会課題の解決に寄与する「なくてはならないエプソンPC」となるよう全社一丸となって取り組んでおります。PCは一般オフィス用途としても多くの企業が導入する必需品ですが、一方で業務用途においても製造業や小売業など、さまざまな現場で使われています。その使われ方は多様でも、目的は業務の効率化や労働人口の不足への対応です。
「どうすれば当社のPCがお客様の役に立てるか」というスタンスでお客様の声に耳を傾けていくと、「PCを長く安心して使いたい」という声が非常に多いことに気が付きます。この声に応える当社からの提案が、『IoT OS×長期保守』なのです。


――IoT OSは汎用PCによる長期運用に適しているとのことですが、一般家庭やオフィスで使われるパソコンのWindows(OS)とどこが違うのでしょうか?

IoT OSとは、デバイスの有効期間中は機能が一定のままになる特定用途向けのWindows 10のことです。機能アップデートが適用されず、リリース時点での機能で固定されるため更新アップデートがありません。また、特定のアプリケーションのみの起動や、USB接続の無効化、キーボード入力の無効化などのロックダウン機能を備え、OSのサポート期間は10年間と長期間の利用を想定しています。


一般的に工場などの特定の業務では、システムが常時動いているのでOSの更新などで動作が止まると生産計画にインパクトを与えます。IoT OSはOSの機能アップデートが適用されないので突発的なシステム停止を未然に防ぐことができ、更新のたびにシステムを検証する手間も省けます。情報漏洩などのセキュリティ対策にも優れ、更新プログラムのないIoT OSは、長期安定稼働が求められる現場で欠かせないOSなのです。


当社ではIoT OS搭載パソコンを、PC POS用途やサイネージ制御、医療における電子カルテ用途、あるいは製造業のライン制御や組み込みといった、業務用途向けにお勧めしています。
従来こうした業務用途向けには、用途ごとに特化した専用機が用いられてきました。専用機はその用途に特化することで安定的な運用が可能ですが、汎用PCに比べるとどうしても導入コストが高く、納期も長くなりがち。部品交換などのメンテナンスも容易ではありません。


当社は汎用PCをBTOできめ細かく調整して納入するメーカーです。国内の製造拠点や従来からの短納期対応を活かした調達性の高さもあり、汎用PCにIoT OSを搭載することで専用機と変わらないメリットを、より低コスト、かつ短納期で実現します。


当社のPCには省スペース性に優れたラインナップもあり、組み込み用途などで力を発揮します。BTOにより、グラフィックボードやインタフェースを用意できるのも強みです。 IoT OSと長期保守の取り組みは、エプソングループが2022年に制定した『省・小・精から生み出す価値で人と地球を豊かに彩る』というパーパスにも即しています。資源を長く使う世界を目指し、環境に配慮した観点でも推奨できるものになっています。


長期運用に適した「IoT OS」と安心感を長く得られる「長期保守」は抜群の組み合わせ

――IoT OSはどういった業種のお客様が採用されているのですか?

基本的には医療、小売、製造の3業種が多いです。他には予備校など文教・教育関連も増えてきました。導入規模は多いところで何千台となります。例えば医療系であれば、医療システムベンダー様のシステムに採用いただいた際には、病院では数百台、クリニックには数台ずつ導入いただいている形が多いです。


継続導入して何年もご採用いただいている企業では、累計で3万台以上の導入ケースもあります。


――ものすごい規模ですね! 導入機を用いる場面や用途はどういったものが多いですか?

医療・小売・製造のそれぞれで用途は異なります。
医療の場合、病院や薬局などの窓口ではオンライン資格確認端末(※)として導入し、マイナンバーカードの読み取りなどの本人認証に利用されています。診察室では電子カルテの参照や記入に用いられています。
小売の現場では、POS端末として、デパートの受付やドラッグストアのレジなど来店客の見える場所に導入されることが多いです。
製造業ではラインの検査装置や制御装置として利用されています。例えば 「HACARUS」様は、独自開発のAI外観検査システムで人的リソースの節約や不良品の見逃し抑制に貢献するプロダクトを提供しています。そこで使用する装置のアーム制御やAI処理の部分に、当社のIoT OSモデル『Endeavor JM5000』が採用されています。


※エプソンダイレクトでは、医療機関・薬局の窓口業務に利用できる厚生労働省の「オンライン資格確認端末」の要件を満たした仕様のPCが提供可能。

――これらの業種でIoT OSや長期保守を採用するメリットを教えてください。

「HACARUS」様の例で続けると、IoT OSであればOSの機能アップデートによる突発的なシステム停止による生産計画への影響が少なく、エンドユーザーである製造業のお客様の工程を安定化できることが一番の採用理由ということでした。長期保守は安心感につながるとご評価いただきご活用いただいています。 7年保守は医療系のベンダー様での採用が多いです。医療業界では、サーバーの保守期間が一般的に7年なのでPCを含めたさまざまな機材を7年サイクルでリプレースします。そのため、PCの保守も7年間対応してほしいという声が強かったのです。


この声に応えるため、実は以前から正式メニューとは別に、要望があるたびに特別なメニューとして対応していました。好評だったことから、今年の7月に正式にサービスメニューとして投入しました。始めてみると医療系以外でも予想以上に引き合いがあって驚いています。2023年度はまだ途中ですが、もうすぐ昨年度の実績に追いつく勢いです。


――なぜ、エプソンダイレクトは7年間という長期保守が実現できるのでしょうか。

長期保守を実現する上で大事なことは、部品の品質です。品質が悪いとどうしても使う部品が多くなり、保守というサービス自体が成立しません。PCの部品は製造や購入のできる期間が他の工業製品に比べて短いため、保守期間の終了間際で部品が足りなくなるとほぼ対応できない状況に陥ります。PCで保守サービスをビジネスとして成立させるには、保守期間中に部品が不足しない高品質な製品を作る必要があります。7年間の保守を掲げたのは、当社の製品が高い品質を持つという自負があるからなのです。


――どうやってPCの品質をそれほど高めることができているのですか?

部材の選定と評価に厳しい基準を設けているからです。保守サービスでは、各機種の構成部品がどれくらいの稼働時間で故障が発生するのか把握することが重要です。
当社では構成部品ごとの寿命設定時間を把握した上で、信頼性が高く長期間安定動作する部品を厳選して使用しています。これらの品質の積み重ねでお客様に7年間安心してご使用いただけるとの判断から、7年保守を設定させていただきました。
また、開発・製造に至るさまざまな段階で、独自の評価項目で品質をチェックしてリリースしています。評価項目数は全部で100項目以上あり、その項目をパスしない限りその製品が世に出ることはありません。評価はリリース後も工程と市場の両面を監視しながら行っています。


リリース後も評価するのは、業務用途では一般消費者や事務用途のお客様と違って特殊な使い方をするからです。我々が想定していなかった使われ方をすれば、予想外のトラブルにつながりかねないのです。


お客様が想定外の使い方をしていると判明したときは、評価項目を再考するようにしています。評価項目への追加や修正も随時行うようにして、良い品質をキープしています。


安心が長続きする、「Windows 10 IoTキャンペーン」を展開するエプソンダイレクトの想い

――エプソンダイレクトで行っている「Windows 10 IoTキャンペーン」について教えてください。

IoT OS搭載モデルを対象にしたお得なキャンペーンです。「長く」「安心して」使っていただきたいと考え、併用可能な2つのキャンペーンを用意しました。
1つ目は5年以上の長期保守がお得になるもので、PC本体のお預かり修理が実質5年間無料になります。5年以上の訪問修理、6年以上のお預かり修理は、5年間のお預かり修理分を値引きします。
2つ目はオンラインとコールセンター限定で、IoT OS搭載モデルに適用できる22,000円引きのクーポンの配布です。
どちらも期間は2024年4月8日17:00までとなっています。
加えて、IoT OS搭載モデルにも適用されるメモリーアップグレードキャンペーンもスタートしました。 IoT OS搭載モデルをお得に試していただけますので、ご検討いただければありがたいです!


詳しくは是非キャンペーンサイトをご参照ください。


Windows 10 IoTキャンペーン はこちらをCHECK▶

――このキャンペーンを実施した目的を教えてください。

WindowsにProとHome以外のラインナップがあることは、意外と知られていません。展示会などでお客様とお話をすると、こんなOSがあったのかと驚く方が多いです。
IoT OSは特定用途において最長10年間、安定して使用できるOSです。当社が提供するハードウェアの7年保守と組み合わせれば、長く安心してパソコンが使えるようになります。そのことを今回のキャンペーンを通じて広く伝えられたらと思っています。


専用機のリプレース時期が近づいて悩んでいる企業様、これまでIoT OSを知らなかった方や採用していなかった方に、汎用PCとIoT OS、そして長期保守という組み合わせを選択肢のひとつとして加えていただければと考えています。


――ぜひ多くの方にIoT OSの利点を知ってほしいですね。最後に、「IoT OS×長期保守」による安定運用について一言お願いします。

IoT OSの採用や長期保守の取り組みは、お客様の困りごとにいかに真摯に向き合って対応していくかという、当社の従業員一人ひとりの思いから生まれたものです。このキャンペーンによってお客様の課題が少しでも解決できれば嬉しいです。


医療、製造、小売などの現場で業務端末としてPCを導入される場合、短期間のダウンタイムが業務に大きなインパクトを与えてしまいます。IoT OSと長期保守はそんな現場でも、ソフトウェアとハードウェアの双方を安心して長く使える相性の良い組み合わせです。特に長期保守は品質に裏付けられた実績があって実施しているメニューなので、どんどん増えるIoT OSの活躍シーンで大きな役割を果たせると思っています。


Windows 10 IoTキャンペーン はこちらをCHECK▶

特定業務用途の現場の課題解決に寄与するエプソンダイレクトのPC

特定業務用途におけるシステムのリプレースは、定期的に必要となる案件であり、生産性の向上やコスト削減を図れるタイミングでもあります。 多彩なラインナップと迅速な納期、高品質で故障の少ないエプソンダイレクトのPC。IoT OSによる長期安定稼働と最長7年の保守メニューを共に利用できれば、現場の課題に寄り添った解決策が見えてくるに違いありません。

[PR]提供:エプソンダイレクト