建築設計やプロダクトデザイン、インテリアデザインなど、CADを使う仕事は数多くあるが、業務の効率に大きく関わるのがパソコンの性能だ。とくに近年のCADソフトの進化は著しく、快適に作業するにはマシンパワーも必要になる。買い替えサイクルやパーツの陳腐化などを考えると、拡張性やメンテナンス性も大切。そうなると自然とタワー型のデスクトップPCが有力候補に上がってくる。しかし一口にタワー型PCといってもその種類はさまざまで、CAD用途に適したスペックと更に業務で使用する信頼性を兼ね備えた製品を選定することが重要だ。

そこでおすすめしたいのが、法人向けパソコンで実績のある国内メーカーのエプソンダイレクトが販売する「Endeavor MR8400」。Alder Lakeこと第12世代Intel Coreプロセッサーを搭載するミニタワーPCで、コンパクトながらミドルタワークラスの拡張性を備えている。ここでは、その特徴や使い勝手などを紹介していこう。

  • エプソンダイレクトのミニタワーPC「Endeavor MR8400」

CADに必要なPCのスペックとは

「Endeavor MR8400」は、マシンパワーが求められるクリエイティブ用途をメインに想定して開発されたミニタワーPCだ。建築事務所や機械系メーカー、アパレルメーカーなどでデザイナーや設計士がCADソフトを使って設計や製図を行うのにはまさにピッタリ。

こうした用途の場合、CPUやメモリ、グラフィックボードなどのPCのスペックは非常に重要だ。いずれも高性能、大容量であればあるほどいいが、費用対効果もあるのでどれくらいの性能・容量を選ぶかは悩ましいところ。ひとつの目安となるのが、使用するソフトウェアで推奨されているスペックだ。

たとえば最新版のAutoCADの場合、CPUは3GHz以上、メモリは16GB以上が推奨されている。Inventorの場合は3GHz以上、4コア以上のCPUに、32GB以上のメモリが推奨スペック(パーツが500個未満のアセンブリの場合は16GB)。ほかもだいたい同じような動作環境で、CPUは4コア3GHz以上、メモリは最低16GB以上あればひとまず動作に支障はないだろう。

グラフィックボードはGeForce系とQuadro/プロフェッショナル系のいずれかが選択肢になってくるが、CADのように描画精度の高さや安定性を重視する用途にはQuadro系、ゲームなどの3Dグラフィックで描画速度を重視する場合はGeForce系が向いている。

いずれも作業内容によって推奨されるグラフィックボードは変わってくる。Quadro系の場合、2D CADならNVIDIA T600以上、3D CADで比較的小規模なモデリングを行う場合はT1000以上、中規模の場合はRTX A2000以上が目安になる。大規模なモデリングやBIM(Building Information Modeling)などの負荷のかかる処理は、RTX A4000以上が適しているだろう。

GeForce系の場合も制作規模によって大きく変わってくる。写真編集やソーシャルメディア向け動画の編集ならGT 1030やGTX 1650、3DCGやゲーム制作に使用するならRTX 3060以上。扱うファイルサイズが大きければ、それに応じてRTX 3070〜3090へとグレードアップしていくのがおすすめだ。

▼「Endeavor MR8400」の詳細はコチラ

ハイエンドCADに必要なスペックも満たす「Endeavor MR8400」

「Endeavor MR8400」の場合は、こうしたハイエンドなクリエイティブ用途をカバーする性能を備えているのが大きな特徴。最新のCPUやチップセットを搭載し、大規模なプロジェクトにも対応できる容量のメモリを装備でき、ストレージも最大6基まで内蔵できる。グラフィックボードはGeForce系とQuadro系の複数のモデルから選択することが可能。ミニタワー型ながら拡張性やメンテナンス性も高い。OSもWindows 11 Pro/Homeだけでなく、そのダウングレード権を利用してWindows 10 Proを選ぶこともできる。

CAD以外の用途にもおすすめできる高性能なPC

こうした性能やカスタマイズ性の高さは、CAD以外の用途にもおすすめできる。たとえば3DCGの制作スタジオやゲーム開発会社でコンテンツ制作やキャラクターデザインを行ったり、グラフィックデザインやWebデザインで使用するのにもおすすめ。写真や動画の編集を行うのにも向いている。大学や専門学校でこれらを学ぶ学生にもピッタリだ。

また、「MR8400」をベースにWindows IoT Enterprise 2021 LTSCを採用した派生モデル「JM8400」も用意されており、医療系や生産ライン制御など組み込み系の用途にも活用できる。ここでは、こうした幅広いクリエイティブ用途をカバーする「MR8400」の大きな特徴であるパフォーマンスや拡張性に関わる部分を中心に詳しく紹介していこう。

POINT1

第12世代インテル Coreプロセッサーに対応した新規設計

CPUは、開発コードネーム「Alder Lake」で知られる第12世代インテル Coreプロセッサーをいち早く搭載している。エプソンダイレクトのWeb直販ではエントリー向けのCore i3-12100(4コア/3.3GHz)からハイエンド向けのCore i9-12900K(16コア/3.2GHz)まで6モデルが用意されており、用途に合わせて選択できる。

Alder Lakeは処理性能重視の「パフォーマンスコア(Pコア)」と省電力性を重視する「高効率コア(Eコア)」の2種類で構成されているのが大きな特徴。これによって電力消費を抑えつつ高いパフォーマンスを実現している。ラインアップのなかにはCore i3-12100やCore i5-12500のようにEコアを搭載せずコストを下げたものもあるので、手頃な価格で高性能を手に入れたい場合はこうしたモデルを選ぶといいだろう。

Alder Lakeの採用に伴いチップセットもインテル600シリーズに刷新されている。同シリーズは4種類のグレードがあるが、「Endeavor MR8400」はそのうち2番目にグレードの高いH670を採用。H670ではCPUとチップセット間の接続がDMI4.0×8レーンに強化されており、従来に比べてスループットが倍増している。

実際に、どのくらいのパフォーマンスが出るのだろうか。今回、最上位のCore i9-12900Kを搭載したモデルでCINEBENCH R23を実行してチェックしてみたところ、マルチコアが24901pts、シングルコアが1939ptsという結果だった。Core i9-12900KはPコアが8、Eコアが8という構成で、合計16コアだが、そのマルチスレッド性能の高さがわかるスコアだ。前世代との比較だとシングルスレッド性能で2割ほど、マルチスレッド性能だと7割ほどアップしている。まさに飛躍的という言葉がふさわしい性能向上だ。

  • CINEBENCH R23の結果

  • 「Endeavor MR8400」の内部。最新のプロセッサーやチップセットが搭載されている

POINT2

ストレージも従来モデルより高速に

「Endeavor MR8400」は、本体に搭載している3つのPCI ExpressスロットとオンボードのM.2 SSDスロットがより高速なGen4に対応している。また前述の通り、CPUとチップセット間の接続が高速化しており、これらの相乗効果によって高速なPCI Express Gen4対応のSSDやRAIDの性能をフルに発揮できるようになっている。

Web直販では、PCI Express Gen4対応SSD×2基でRAIDを組んで注文することも可能。OSやアプリの起動が、体感できるほど高速になるので、少しでも業務効率を上げたい場合は検討してみてはいかがだろうか。

今回の試用機には公称スペックがリード6900MB/sのSamsung Electronics 製Gen4対応SSDが搭載されていたが、その性能をCrystalDiskMarkでチェックしてみたところ、図のようにシーケンシャルリードが6800MB/sを超える結果に。Gen4 SSD本来の速度が出ていることがわかる。

  • CrystalDiskMarkの結果

  • M.2 SSDスロットなどがGen4に対応し、より高速なストレージを利用できるようになった。Web直販ではGen4対応のSSDも選択可能だ

POINT3

グラフィックボードやメモリもニーズに合わせて選択可能

クリエイティブ系のソフトウェアを使う上で重要なグラフィックボードは、GeForce系とQuadro系の両方が用意されている。GeForce系はエントリー向けのGT 1030からハイエンドのRTX 3090まで、Quadro系はT600からRTX A4000までと幅広く、用途に合ったモデルを選んで搭載することが可能だ。

試用機にはRTX 3090が搭載されていたが、3DMARKでそのグラフィックス性能をテストしてみたところ、図のように4K解像度のDirectX 12テストであるTime Spy Extremeで9000を超えるスコアになった。そのため描画速度を重視するシーンでは大いに活躍してくれそうだ。

  • 3DMARK Time Spyの結果

  • 3DMARK Time Spy Extremeの結果

メモリは4スロット用意されており、最大128GBまで搭載可能。クリエイティブ用途では複数のソフトを同時に立ち上げて作業することも多いが、メモリが多いとそんなときももたつくことが少なく、快適に業務が進められる。CADソフトやグラフィックソフトは16GB程度のメモリを推奨していることが多いが、制作物の規模や同時に使用するソフトなどによっては推奨メモリ容量では心もとない場合も少なくないので、ある程度余裕を持たせておきたいところだ。

  • グラフィックボードはGeForce系とQuadro系から選択することができる。試用機にはRTX 3090が搭載されていた

POINT4

トレンドを考慮したインタフェースに

インタフェースは、本体前面にUSB 3.2 Gen1×2、ヘッドホン出力、マイク入力、USB 2.0を、本体背面にキーボード端子、マウス端子、HDMI、DisplayPort、VGA、USB 3.2 Gen2(Type-C)、USB 3.2 Gen1×2、USB 3.2 Gen2×2、USB 2.0×2、マイク入力、ライン出力、ライン入力、LANを搭載している。

従来モデル「Endeavor MR8300」からはDVI端子がDisplayPortに変更され、USB 3.2 Gen2(Type-C)が追加された。普及が進むUSB Type-C端子が標準搭載されたのは嬉しいポイント。昨今のトレンドに合わせた変更がされており、より使いやすくなっている。

  • 本体前面にUSB 3.2 Gen1×2、ヘッドホン出力、マイク入力、USB 2.0を搭載している

  • 本体背面にキーボード端子、マウス端子、HDMI、DisplayPort、VGA、USB 3.2 Gen2(Type-C)、USB 3.2 Gen1×2、USB 3.2 Gen2×2、USB 2.0×2、マイク入力、ライン出力、ライン入力、LANを搭載している

プラスα

コンパクトなサイズで高い拡張性を実現

実際に試用機を使ってみて好印象だったのが、そのコンパクトさと拡張性の高さ。本体は、幅約180.0mm、奥行き約405.0mm、高さ約368.0mmとなっており、机の下にも上にも置きやすいサイズ感。本体カラーはホワイトが基調で、フロントの光学ドライブやインタフェース周りがブラックになっている。机の上に設置した場合でも威圧感が少なく、置き場所をあまり選ばないのがいい。

ミニタワー型ながら拡張性は高く、拡張スロットはPCI Express x16、PCI Express x4、PCI Express x4、PCIの4つを搭載している。また5インチベイも2つ、3.5インチベイは4つ装備する。

オプションで「HDDフロントアクセスあり」を選べば、本体前面から3.5インチベイにアクセスす ることも可能。フロントパネルを押し込むとドアが開き、ツールレスでストレージホルダーを引き出すことができる。ストレージホルダーは3.5インチ用だけでなく、2.5インチ用のネジ穴も最初からあけられているため、別途変換マウンタなどを用意しなくても2.5インチSSDやHDDを取り付けて使用することができる。

ちなみに、3.5インチベイの最下段はホットプラグに対応しており、PCが稼働中でもストレージを取り出して交換できる。プロジェクトごとにストレージを入れ替えたり、定期的に大切なデータをバックアップしたりするにはとても便利だ。

  • オプションで選択すれば、HDDにフロントからアクセスできるようになる。本体前面の最下部には、このフロントパネルをロックするための錠も搭載されている

  • ストレージホルダーはツールレスで脱着が可能。2.5インチ用のネジ穴も用意されている

▼「Endeavor MR8400」の詳細はコチラ

●主なスペック(下記から選択)
メーカー エプソンダイレクト
商品名 Endeavor MR8400
CPU Core i3-12100/Core i5-12500/Core i5-12600K/Core i7-12700/Core i7-12700K/Core i9-12900K
メモリ 4/8/16/32/64/128GB DDR4-3200(PC4-3200 DDR4 SDRAM Non-ECC)
HDD 1TB/2TB(シリアルATA 600MB/s、7200rpm、4基内蔵可能)、4TB/8TB(シリアルATA 600MB/s、5400rpm、4基内蔵可能)
SSD 256GB/512GB/1TB(シリアルATA 600MB/s、4基内蔵可能 *256GBは2基まで)、1.92TB高信頼性(シリアルATA 600MB/s、4基内蔵可能)
M.2 SSD 256GB(NVMe対応)256GB/512GB/1TB/2TB(PCI Express x4、2基内蔵可能)
RAID RAID 1(ソフトウェア):HDD 1TB/2TB 、SSD 512GB、M.2 SSD 512GB/1TB
光学ドライブ DVD-ROM/スーパーマルチドライブ
グラフィックス CPU内蔵3Dグラフィックス、NVIDIA GeForceシリーズ(GT 1030/GTX 1650、RTX 3060/3070/3080/3090)、NVIDIA プロフェッショナルシリーズ(T600/1000、RTX A2000/A4000)
OS Windows 11 Pro 64ビット、Windows 11 Home 64bit 、Windows 10 Pro 64bit(Windows 11 Pro 64bitダウングレード)
インタフェース USB3.2 Gen2×2、USB3.2 Gen2(Type-C)、USB3.2 Gen1×4、USB2.0×3、LAN、ヘッドホン出力×1、マイク入力×2、ライン入力×1、ライン出力×1、VGA、DisplayPort、HDMI、キーボード、マウス、シリアル
サイズ 約W180.0×D405.0×H368.0mm
重量 約10.4kg(650W電源)、約9.9kg(350W電源)
価格 111,320円(税込)~

生産性アップに役立つ高性能ミニタワーPC

ミニタワー型のコンパクトな筐体にハイエンドCADにも対応できる性能を搭載したエプソンダイレクトの「Endeavor MR8400」。従来モデルで好評だった高い拡張性や使い勝手のよさはそのままに、最新の第12世代Intel Coreプロセッサーを搭載してパフォーマンスが大きく向上しているのが魅力的だ。

Web直販では基本構成時に111,320円からという価格で販売されており、性能を考えるとかなりリーズナブル。オプションが豊富に用意されており、きめ細かくカスタマイズできるので、CADだけでなく映像制作やグラフィックデザイン、Webデザインなどにピッタリの構成にすることも容易。これらのクリエイティブ系業務に携わる人で、なかなか自分の用途に合ったパソコンが見つからないという場合は、ぜひチェックしてみてほしい。

▼「Endeavor MR8400」の詳細はコチラ

[PR]提供:エプソンダイレクト